つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

全力で馬鹿騒ぎっ!

2006-01-04 13:01:03 | ファンタジー(現世界)
さて、特に何も記念しないけど第400回は、

タイトル:バッカーノ!
著者:成田良悟
文庫名:電撃文庫

であります。

さて、二日続けて同じ賞、しかも同じ回の受賞作。
この流れでいくと、次は『キーリ』なのか……?

時は禁酒法の時代、所はニューヨーク。
『組織』に属する少年は一つの転機を迎えようとしていた。
お馬鹿さんなカップルは自分達がイキな泥棒だと信じていた。
孤独な老人とその奴隷はある会合に出席するため車を走らせていた。
ガンドール家の三兄弟は一つの問題にケリを付けようとしていた。

今の所、連中は好き勝手に動き回る点でしかない。
しかし、その間を一つ薬が結ぶ時、点は線へと変化する。
そして――アウトロー達の馬鹿騒ぎが始まる。

基本的に、『西部劇』『マフィア』『古き良きアメリカ』なんて言葉に興味がないので、買ってからしばらく放置してました。
禁酒法の時代ってことで、『アンタッチャブル』みたいなもんかな、とか考えつつ読み始めたのですが――。

すいません、面白かったです。

最初に、錬金術の話で不意打ち。
続いて、これでもかというぐらいキャラが登場して好き勝手に動きまくる。
最後は、「無茶苦茶だけど、楽しいからいいか」と思わせてくれる大団円……お見事。

タイトル通り、馬鹿騒ぎです。
すべてを俯瞰している神様キャラとかは出てきません。
何でそーなるかな~、という偶然が重なって重なって重なって、気付いてみたら大事! そんなお話。

キャラとしてはボニー&クライドのギャグバージョンのようなアイザックとミリアが良いです。(元になった奴等は大ッ嫌いだが)
すべての主要人物と関わり、すべてを知ることができる位置にいたにも関わらず、最後までなーんも解ってなかった……おいおい。
あ、マイザーさんも好き、特に終盤で主人公(?)に説得されてしまう時の、「しまった、納得できる」は良かった。

非常にパワーのある物語です、オススメ。
台詞と地の文で異様なまでに「……」を多用してるのは引っかかりますが、勢いで最後まで読ませてくれるので気にしない気にしない。



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