つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

意外と知らない

2006-01-28 22:54:58 | その他
さて、地元のは何だろの第424回は、

タイトル:知っておきたい日本の神様
著者:武光誠
出版社:講談社文庫

であります。

日本の神様、と言うことで「古事記」や「日本書紀」に出てくる神様の紹介とか解説が主眼ではない。
文庫の帯に「さあ、お参りに行こう!」とあるように、本書は神社が主眼。

構成は、概ね3つに分けられている。
まず第1章で、神社というものがどういうものなのかを解説し、全国に多くある神社のトップ六社の解説。

次が神様別の神社の解説。
第2章~第9章までの本書の大部分を占めている。
それぞれは、

第2章 一番古い神様たち
出雲の神々や、大国主命など、古事記や日本書紀の国造りや国譲りに出てくる神様を祀る神社が主体

第3章 神様の頂点、高天原の天照大神
天照大神を始めとして、伊弉諾尊や伊弉冉尊など、天つ神を祀る神社が主体

第4章 天照大神の家来筋の神々
タイトルのとおりで、大山祇神を祀る三島神社や武甕槌神を祀る鹿島神社などを開設。

第5章 地方の神々
日本神話に組み入れられなかったが、全国的に見て有力な地方豪族などの神々を祀る神社が主体。
日吉神社、松尾神社、貴船神社など。

第6章 神様にされた伝説上の人物
日本神話で人間とされてはいるが、史実ではなく伝説とされる人物の神社を解説。
日本武尊、神功皇后など。

第7章 神様になった人間
こちらは第6章とは違い、実在した人物が神様になって祀られている神社。
平将門、柿本人麻呂など。

第8章 外国から来た神様
主に七福神の誰かを祀る神社の紹介が主体で、あとは北極星である妙見菩薩を祀った妙見社や金毘羅神社など。

第9章 動物も自然も神様
これもそのまんまだなぁ。
狐、蛇、犬の動物、富士山、白山、阿蘇山に関わる神様の解説。

そして最後に第10章から、各個別の神様ではなく、「神道とは?」というテーマで語られている。

概ね200ページ程度の比較的薄めの文庫で、各神社の解説もさほど多くはない。
けれど、そこにどういう神様が祀られているのか、その神様はどういう神様なのか、どういう御利益があるのかなどが短いがしっかりと解説されている。

もっと詳しいルーツや、神様の物語などを求めるひとには、やや軽い内容と言えるかもしれないが、「お参りに行こう!」という文句のとおり、簡単な予備知識を得るものと考えて、実際の縁起などは行ってみて詳しく、と言う感じのものだろう。

とは言うものの、私もそこまで詳しくはないので、有名どころはきちんと解説されてて興味深く読めた。
入門書ということで、ちょっと興味を覚えたなら手に取るのに最適な本だろう。