
などと言う人もありますが、いま、春の野辺はこの花に埋めつくされています。
明治時代初めて東京で確認されたヨーロッパ原産の帰化植物なんだそうですけど外来の植物の繁殖力はすごいですね。
シロツメグサ(クローバー)・セイタカアワダチソウ・西洋タンポポ・ヒメジョーン・ハルジオン・オオマツヨイグサなど・・
日本の野辺にはこれらの外来種の花がいっぱいです。
早春の雪の消え間に真っ先に咲くオオイヌノフグリの一輪二輪の花や、夏の夕暮れのオオマツヨイグサの花や、あぜ道に咲く可憐なハルジオンの花なんか大好きで知識のないじじいは日本古来の花とばかり思っていました。60歳過ぎて野草の好きな友人にこれは帰化植物だよと教えられて驚きました。
でも、休耕された畑地や空き地に猛烈な勢いで咲くセイタカアワダチソウや、基盤整地された圃場や、ブルや重機で作られた堤防の堤にびっしりと咲く西洋タンポポを見るとなんだか外来種に日本の野が占拠されたみたいであまりいい気持ちがしません。
大正生まれのじじいは、昔トロッコやもっこで作られた古い堤防の土手に咲いている関東タンポポやスミレの花を見つけるとほっとするんですよ。
さくらと言えば今は華やかなソメイヨシノですけど、私の幼い頃育った山狭(やまはざ)の村にはソメイヨシノはありませんでした。
だから奥深い山のあちこちに咲く山桜を見るとこれがほんとうの桜だと幼い頃の山狭の村を懐かしく思うのです。
大正生まれの古老のじじいも、山桜や関東タンポポのような珍しい貴種になったのかもしれませんね。