本当は4月17日の土曜日に釣りに行きたかったのですが、東日本では生憎の天気でどこにも行けず仕舞い。
そこでW.C.Stewartのお気に入りであったスパイダー毛鉤をブラインド・アイの鉤に結んで見ることにしました。
古い英国の鉤。とは言っても19世紀のものではなく20世紀に入ってからのもの。何故アイ付きの鉤が発明された後もブラインド・アイの鉤が使われ続けたのでしょうか。当時のガット鉤素では結び目が大き過ぎたためなのか?
今回は3本鉤のウェットフライ仕掛けを想定し、ブラインド・アイに結ぶ毛鉤は短い鉤素を使ったものにします。リーダーに輪を作ってやれば枝鉤の取り付け・交換も簡単だという目論見。
取り付けてみるとこんな感じになります。鉤素の長さは10cm弱。
最初はBlack Spider。
James Baillieという方が考案したそうですが、W.C. Stewartがこの毛鉤に出会ってからこれを使わなかったことはなかったという程、効果を認めていた毛鉤。
レシピは:
Body: Brown silk, waxed.
Wings: Hackled with the black and green glossy feather from the neck of a cock starling.
という極めて単純はもの。スターリングのハックルが日本では入手が難しいかも知れませんが、不可能ではないと思います。
ちょっとソラックスが太くなっておりますが、鉤素を鉤に固定するのに二つ折りにしたりしておりますためです。
二番目はRed Spider。レシピは:
Body: Yellow waxed tying silk.
Hackle: Small feather from the outside of a landrail's wing or small red hen.
最後はDun Spider。これはアイ付きの鉤に巻いてみました。レシピは:
Body:Yellow tying silk, well waxed.
Hackle: Small dun feather from under-part of starling's wing.
W.C. Stewartは19世紀中葉のスコットランドでアップストリームのウェットフライ(枝鉤付き)を提唱し且つ今からすれば信じられないくらい鱒を釣り上げた釣り人。上の3つのスパイダー毛鉤を主に使っていたと伝わります。
輪を付けた鉤素を10本作ったので余ったものにPartridge and Orangeを巻いてみました。
但し、枝鉤付きの仕掛けでは養沢等では釣りが出来ません。どこか別の釣場に行く時までしまっておきましょう。
昔手に入れたハーディーのネローダには、これと同じようなパターンがいっぱい入っていました。
いつも気になるのですが、ブラインドアイの鉤にリーダーを取り付けて、すっぽ抜ける心配はないのでしょうか。
まあ、結んだら結んだで結節部で切れる心配はあるのでしょぅけれど、絶対にすっぽ抜けない固定法ってありますか?
コメント頂きありがとうございました。
実は何もしないとスッポ抜ける事があります。
それで、鉤素をヘッドからテイルに向けてスレッドで巻いて行き一旦鉤素を折り返し小さな輪をテイルに残しヘッドへ巻いて行き、更にスレッドをテイルに向かって巻き戻しスレッドを残した鉤素の輪に通し、その輪をヘッドに巻き戻された鉤素の先端を引っ張って締めます。
これをやると鉤素はガッチリ固定されて抜けなくなりますが、鉤素を二重にする分ボディは太くなってしまいます。ガットでしたらガットの先端を噛んで太く平たにしてスレッドで結ぶやり方が良く英国の文献に出てきますが。。。
毛鉤の場合は鈎軸にニッパー等で挟んでギザギザを付けてから巻き締めてカシュー塗料で固める等という、乱暴な手を使っていました(笑)
手元にある古いブラインドアイのフライを分解してみようかなと思っています。
コメントを頂きありがとうございました。
この鉤素の留め方はKebari and Fly様が紹介されたやり方を使ったものです。お陰様でスッポ抜けることもなく今のところ魚を釣り上げております。大物がかかったらどうなるかは今後のお楽しみであります。
英国の文献に出てくるガットの先端を歯で噛んで平らにするというやり方ですと、1号程度の今の鉤素では効果はないようで養沢の虹鱒でスッポ抜けてしまいました。