思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Oued Guigou釣行(2022年10月15日)

2022-10-16 16:49:36 | アフリカ釣行記/Fishing Trips in Africa

モロッコの鱒釣りが禁漁を迎える11月1日に向け残された最後の週末の10月15日、意を決して中アトラス山地を流れるOued Guigou(ギグー川)へ行って来ました。

まず、カサブランカのCasa Voyageur駅を05:40発のFes(フェズ)に09:24着の列車に乗り込みます。朝5時の駅には乗客はまばら。

この列車に乗り込みます。カサブランカとフェズの間は直線距離で246kmとありましたが、鉄路は主要都市を結び曲がりくねっておりますので、多分300kmはあるのではないかと思います。それを3時間46分で結びます。一等車の料金はMAD165。片道約2,230円とお得です。

フェズ駅到着後、前回同様Hertzで予約のレンタカーを借り、ナビ無しで事前にチェックした地図に従い2022/2023年のGuigou川の漁区へ向かいます。途中でIfrane、Azrou、Timahditeという街を経由し片道120km程度、2時間半程走ります。IfraneからAzrou近くはアトラス山地の起伏が激しい場所を走り、アトラス山地に棲む野生の猿が道を横切るのを避け、何故か多い野犬を避け走ります。Azrouから山を降り南下するとそこは土漠地帯。スターウォーズの惑星の様な風景が広がります。

Guigou川を選んだのは地元の釣りクラブが活動していることがモロッコのメディアにしばしば登場しているから。土漠に突然現れる林にある駐車場には地元の釣りクラブ「Association Sportive de Peche et d'Environnement」が看板を立てております。内容は悲しいもので、川にゴミを捨てるなというもの。

アラビア語の看板もありますが、多分同じ内容だと推測致します。チュニジア生活でアラビア文字は読めるようになりましたが、アラビア語は解りません。

そして、その川は? ミルクコーヒーにちょっと赤みを差した様な色の水が無情に流れております。
地元の人が居たので仏語で雨が降ったのかと聞きましたが、ウンウンと頷くだけで要領を得ません。カサブランカに帰って乗ったタクシーの運転手のお話好きなオジサンが、アトラス山地は数日前に大雨が降って、今年は乾燥がキツかったから、地面に染み込まず濁流になって洪水を起こしたと話しておりました。私は事前に列車・レンタカーを予約していたことと、木曜夜まで国外出張していたため、全然知りませんでしたが、茶色の水を見た時の「天は我々を見放した」感は分かって頂けるものと思います。

しかし、片道6時間半もかけてたどり着いた私にこのまま撤退の文字はありません。今後のためにも偵察をしなければと意を決しウェーダーを履き竿を持って上流を目指します。土漠に刻まれた水の流れは命の流れ。そこは羊飼いが犬と一緒に羊を放牧する場所。茶色の水を羊が渡渉し水の色を更に濃くしていました。この羊達は雌ばかりでしたが、これなら次来る時は、羊飼いのオジサンに頼めばTup's用の牡羊の金玉の毛は幾らでも入手出来そうです。

羊達が川を渡る場所を更に上流に向かいます。乾燥した周りに川のところだけ緑が縁取る日本人から見ると非日常の風景。

林から1kmも行かない上流に水を堰き止めた場所がありました。

そこで、HardyのPalakona Kenyaを振ってみます。魚の気配は感じられず、当然アタリの様なものもなく、キャスティング練習にしかなりません。何もない土漠の午後、熱せられた空気が上昇するからか、強い風が吹きますが、その中でKenyaのキャスティング性能をチェック致します。私の下手な技能では何とも蘊蓄に富んだコメントはし難いのですが、出来るだけロッドを曲げる様にキャストしそれ以上の余分な力を入れない様にすれば15m程度は快適にカバー出来ます。

堰より上流も見に行きます。この地域は黒い岩がゴロゴロしておりますが、太古の昔アフリカ大陸が欧州にぶつかった地殻変動で出来た火山の噴火による溶岩が一帯を覆いそれが黒い岩として残っております。

更に上流は火星の様な渓谷をGuigou川がチョロチョロ潤す状況。今年は雨が降らず非常に乾燥していたのですが、雪解け水が期待出来る来年春頃には水量も回復し、水も透明になっていることを祈念致します。

15時に近くなったので、これ以上の滞在を断念し早めにカサブランカへ帰ることに決し撤退します。Kenyaを岩に立てかけて記念撮影。今回も魚には会えず終いでした。。。

15時少々過ぎに出発し、フェズ駅まで2時間半程度走り到着。元々予約の19:40フェズ発、23:30カサブランカ着の切符を18:40発の物に変更してもらい、駅でピザを大急ぎで食べ列車に乗り込み、23時頃自宅到着。大変疲れた日帰り釣行となりました。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
スターウォーズの世界… (yugawaski)
2022-10-17 13:58:50
今度こそエキゾチック感溢れる川辺に横たわる鱒の画像を期待したのですが、道のりは遠いですね。
スターウォーズの惑星タトゥイーンのロケ地はチュニジアの砂漠だったかと。
砂漠のような土地に突如清冽な水の流れる川が現れたら、これはこれで驚きですよね。
ケニアをお持ちの日本人は何人かおられると思いますが、このような使われ方をした竿はないでしょうね。
ところで、この川に生息するのはどのような鱒なのでしょうか?
返信する
残念 (budsek)
2022-10-18 03:55:05
yugawaski様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
スターウォーズの撮影現場はおっしゃる通りチュニジアで、オアシスの町Tozeur近郊には当時のロケで使ったセットが残されていて私も訪れました。また、タトウイーン星の名前のモデルになったのはチュニジアのタタウィーンという町であります。
このギグー川には生息域としては最南端のアトラス山地に生息する天然のブラウントラウトがいる筈でして、今回は会えませんでしたが来年こそはその姿を拝みたいと思っております。
モロッコは年毎に内水面の遊漁規則が発表されるのですが、ギグー川に関しては今年は最上流地域のみの解禁で、更に今年の渇水に急な雨と悪コンディションが重なってしまいました。
土漠で天然のブラウントラウトの写真が撮れたらとても絵になるのですが、残念至極であります。
来週から国外に出てしまいますので、今年のモロッコの釣りは基本的にお終いとなりました。
返信する
お疲れさまでした (nori)
2022-10-23 14:49:03
budsekさま

なかなか上手くいかないものですね。
それにしても、本当に見たこともないような渓相にはビックリしました。
苦労を重ねた分だけ、最初の一匹は重く感じられることと拝察します。
次回のご釣運をお祈り申し上げます。

nori 拝
返信する
ありがとうございます (budsek)
2022-10-27 10:08:42
nori様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
釣り場に到達することすら大変なのに、着いてみたら「天は我々を見放した」状況で心が折れない状況がいつまで続くか分かりませんが、アフリカでの一匹を実現出来る日が来ることを信じ引き続き精進したいと思います。
返信する

コメントを投稿