諸般の事情がありモロッコで今シーズン最後の釣行に行ってまいりました。
10月は出張があり週末を二日間過ごせるところが14日と15日の週末のみとなってしまい、モロッコの鱒釣りシーズン10月一杯を考えると10月14日に釣りに行かないと今シーズンが終わりになってしまいます。最近疲れているのでこのままシーズンを終わらせようかとも思ったのですが、10月13日思い直して電車の切符を購入し、レンタカーを予約、払い込みをして怠けの虫の退路を断ちました。
朝07:00カサブランカ発のTGV Al Boraq号で出発です。
目指すのは前回初のアフリカ大陸ネイティブのブラウントラウトを釣り上げたモロッコ北部のTalambote川。ここは日本でも知られた観光地シャウエン(シェフシャウエン)の近くの山の中。上は08:38の位置ですが、カサブランカからモロッコ最北部のタンジェに向かっている途中です。
タンジェ駅到着後Hertzのレンタカーステーションに行ったのですが、私が予約した車が無く、タンジェ空港から持ってくるとのこと。おかげでレンタカーで出発するだけでほぼ1時間かかってしまいました。グダグダ話をしているとロシア語が聞こえたので久しぶりにロシア語で尋ねると、在米のロシア人とその友達のモスクワに留学した経験のあるモロッコ人の二人組とのこと。言葉はスポーツと同じで素振りをしていないと打てなくなるのと一緒。ロシア語を話そうとしてもモロッコで使い慣れたフランス語が出てきて邪魔をします。日本語の「でも/しかし」に相当するロシア語でHO(ノ)というところを仏語のmais(メ)と言ったり、相手の言っていることは分かってもアクティブにしゃべるのはかなり退化してしまっておりました。
漸くDaciaのLoganをゲットして釣り場に向かって出発。10:30にタンジェを出て飛ばしに飛ばして12:50頃釣り場の駐車場に到着です。
観光地のど真ん中を釣り場に向け歩いて行きます。
釣り場は石の橋の下流の淵一箇所。そこで17:00まで釣りをすることにしました。
今回持参したのはHardy Palakona The Traveller's Combined Fly and Spinning Rod。2フィートの竹のピース四つに10インチのハンドルで8'10''のフライロッドを組み、そこにSt. George 3"、AFTM 5のフライラインを合わせます。何故この竿にしたかというと、状況次第でスピニングもやってみようという魂胆からです。昨年の様に川の水が多くてフライでは太刀打ち出来ない場合はスピニングで何とか釣りをしようと考えてのこと。但し、今日も水は少なくウェーダーを履かなくとも河原に降りることが出来る程でした。
Ramsbottom's Favourite、William's Favourite、Greenwell's Glory等ウェットフライでアップストリームに投げますがウンともスンとも言いません。老眼で毛鉤を替えるのも面倒なのにこれから枝素を付けて仕掛けを作り直すのは無理。そこで苦渋の策で金玉付きのニンフを結び、ラインが全く見えないので餌釣り用のヤーン目印をリーダーに付け糸がどこにあるのか把握出来るようにし上流にブチ込みます。すると、淵の深いところに投入した毛鉤が右側の流れに乗って深場から浅瀬に移動している時リーダーが不自然に動き、すかさずアワセると魚の感触!!
フライラインを手で手繰ってやり取りすると魚がジャンプを繰り返してくれますが、この竿にはちょっと役不足な大きさで、全く問題なくネットに収まり御用となりました。アフリカ大陸のネイティブであるブラウントラウト。殆ど朱点の無い黒点ばかりの鱒は測ると24cm。前回のチビっ子よりは大きな鱒でした。
魚を釣り上げだのは14:30だったのですが、そこ後は全くアタリも無く、老眼に鞭打って毛鉤を替えたり、ブラッドノットで鉤素を替えたりとあれこれ試しますが、魚の感触は途絶えてしまいました。16:00になったので持参のHardy Altex No.1 Mark IVを付け、8'10"の一番太いバットの竹ピースを抜き全体で6'10''に替えた竿でスピニングを試してみます。40年以上もスピニングをやっていなかったのでまずルアーがどこに飛んでいったのか全く見えずしかも昔と違い細いラインに老眼がついていけず全くダメ。釣りにはとてもならない状況です。
そんなことをしていると17:00でタイムアップ。これからタンジェまで120km程と二時間以上かけ帰らなければなりません。上流には未だ釣りが出来る場所があるのですが、観光客がすぐそばを行き来するところでそこで釣りをするのは到底無理な相談。残念ですが、Talambte川では唯一静かに釣りが出来るあの淵だけで我慢しましょう。
21:00タンジェ発、23:10カサブランカ着のTGVに乗りながら、片道400〜420kmの道のりを1日で往復し、釣果が24cmの鱒一匹とはどういうことだろうと思いましたが、カサブランカ在住で日帰りの毛鉤釣りをしようと思ったらこれ以外に方法がないのであるとの現実にいつしか意識は朦朧として行くのでした。
それにしてもアフリカ唯一の天然鱒は本当に大切にしたいものですね。
ブラボー‼
有終の美を飾られたとの由、おめでとうございます。
終わり良ければすべて良し、です。
0と1との間には、超え難い無限の格差があります。
来シーズンも頑張って下さいね。
nori 拝
コメントを頂き大変ありがとうございました。
いやはや大変疲れる釣行ですが、何時もの通りリターンが少なく。。。ではありますが、カサブランカで何もしない週末と比べると、良かったなと思います。
YouTube等の様に大きな鱒が入れ食いの夢をモロッコで見ることが出来れば良いのですが。。。引き続き頑張ります。
5月の魚は、幼魚っぽいパーマークがありましたが、こちらは少し成長したお兄さんブラウンですね。
それと、ハーディのスピニングタックルも、味わいがあって、カッコいいですね。私も欲しいですが、けっこうなお値段しそうなので、しばらくは日本製のしかも安物でガマンです。
そう言いながら、また、ペゾンのトラウンという竿を買ってしまいました。ああ、トラウン川に行ってみたい。そんな旅費は、ありませんが。
コメントを頂き大変ありがとうございました。
今、死のロードの出張中でございます。
スピニングは本当にど素人になってしまったので、Altex 1 Mark IVリールが泣いていると思いますが、機会があればまた練習も兼ねて使って行こうかと思います。
トラウン川と名の付く川はドイツにもあり、ハンス・ゲベーツロイターやシャルル・リッツが釣りをしたのはGmundner Traun(グムンドナー・トラウン)川になります。かなり川幅が広いところがあり流れも強いのでPezonのTraun 8'2''はそういうところで使うのに勝手が良いものと思います。
Traun川はウィーンから車で3時間くらいで行けるので、成田からウィーンまでオーストリア航空の直行便に乗り、そこからレンタカー或いは近場に駅があればそこまでウィーン空港駅から乗り継ぎでそこへ行き、後はタクシーという手もあるかも知れません。
釣場を求めてあちこちと探検をするこれまでの人生の中で、以前ハンガリー在住時Traun川に行った時は、名物のグレイリングは釣れませんでしたが、虹鱒、ブラウントラウトの尺上が結構釣れパラコナ竿を堪能致しました。
何時か円安が改善されることがあれば是非ご検討下さい。
budsekさんは、すでにブラウンなどを釣っているのですね。うらやましい限りです。
リッツの本の写真を見ると、大きな川で、山沿いを流れていて、石がゴロゴロしていて、フリーストーンの川のようですね。こういう川で、ドライフライにマスやグレーリングが水面を割って出たら、最高でしょうね。
トラウン川についてですが、2010/5/9、2011/9/25、2013/1/4の記事で夫々釣行等につき触れておりますので、参考になればと思います。
また現在の漁業権者であるFreunde der Gmundner Traun(グムンドナー・トラウンの仲間たち)という団体のHP(www.freundedergmundnertraun.at)に最新の情報も載っておりますので参照下さい。
私が釣りに行っていた頃はシャルル・リッツが投宿していたHotel Marienbruecke(ホテル・マリーエンブリュッケ)が未だ営業していたのでそこに泊まり、また、そこで日釣り券を購入しておりましたが、今はその伝統あるホテルも営業しておらず、別の宿屋・レストランで日釣り券を購入するようです。
チュニジア、モロッコからは馴染みのMurauばかりに行っており、Traunのことはアップデート出来ておりませんので恐縮ですが、何らかの参考になれば幸いです。