思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

アフリカ初釣行 Talambote川(2022年10月1日)

2022-10-02 17:07:31 | アフリカ釣行記/Fishing Trips in Africa

昨日10月1日(土)、懸案のモロッコ初釣行に行ってまいりました。
出かけたのはモロッコ北部でスペインを臨むタンジェ(Tanger)から南東に120km離れた山中にあるTalambote川。選んだ理由はカサブランカから日帰りが出来るからというもの。

まず07:00発のタンジェ行きTGVに乗り込みます。

このTGVはフランスAlstom社が納入したものでアフリカ大陸で唯一時速300kmで走る列車。車内はこの通り。

カサブランカ・タンジェは340km程離れておりますが、この列車では2時間10分で到着。乾燥した土漠を走り、

9時にはタンジェ市内に入り、時刻表通り09:10にタンジェ駅に到着。時刻が何時も狂う欧州の鉄道に比べアフリカの地で時刻通りに列車が運行されることに感動致します。
タンジェ駅の地下駐車場にあるHertzでレンタカーを借り、その後はTalambote川があるAkchourまでの片道120kmをプジョー208で走ります。如何にもモロッコらしい運転をする他の車に気をつけながら私もモロッコ人に負けないように走り、恐ろしい場所も多くある道を2時間30分程度で走り到着したのがAkchour。

行ってみたら、そこは一大観光地。キャンプに行くなら戻らなければダメだよという車整理のお兄さんに、「いやいや、私は釣りに来たの」と仏語で説明しても、そもそも釣り(pecher)という単語を知らない様子。日本人だ!と寄ってくる地元のお兄さん・オジサン軍団にこれまた何時もの様に取り囲まれながらも身振りで釣りに来たことを説明出来、最初の検問を突破、最終駐車場に首尾よく車を停められました。車を止めて、通行禁止のバーの先には土産物屋、カフェが密集しております。

そして、川は? そこにはアトラス山脈の地下を通ってきた透明な水がこんこんと流れております。

Talambote川のレギュレーションでは、水源から最初のダムの流れ出しの下流500mまで釣り可能とありましたので、ダムの上流を遡ることにしました。

その道程は岩を登ったり降りたりの繰り返しで、釣り道具を背負って竿を持った私には辛いものでしたが、川に沿ってどこまで行ってもカフェが連なり、これではとても釣りにならないと思いつつ到着したのがここの見ものである「神の橋」川が遥かな年月をかけ岩を侵食して出来た天然のブリッジ。その先は道もなく、川の水深も深いようで遡行も無理そうですが、その場所にもカフェがあり人が群がっておりました。尚、そこに至る間、目を本当に皿のようにして魚がいないか見ましたが、人混みの中、全くその姿を見ることは出来ません。片道40分の険しい道を引き返し、もうタンジェに戻ろうかと思いながら、ダムの下流500mの様子を見なければイカンと行ってみると、一ヶ所だけ川にアプローチ出来、人もいない場所を発見。そこに降りて行き水面を観察すること10分、何と、一匹の魚が泳いでいるのを確認。大きさは尺は優に超えております。

その場所から上流を望みます。橋の向こうにはダムの流れ出しがあります。

今回持参したのは、この日のためにとっておいたHardy Palakona Kenya 8'。強いトップを持ち、大型鱒が水中の障害物に逃げ込もうとしてもそれを抑えることが出来ます。それに合わせるリールはSt. Georgeの3''。シルクラインの6番を巻いてあります。

ところが、その日は下流から強風が吹いてきて後ろにイバラの木やオリーブの木があるこの場所では思うように毛鉤を飛ばすことが出来ません。

強風の合間を縫ってロールキャストで何度もトライしますが、魚の姿は見えずまた何の反応も得られません。対岸には物見高いモロッコ人が魚釣れたか? とか聞いて来ますが、全然ダメと答えていると時間は既に15時。今帰れば、21:00発の最終列車ではなく、19:00タンジェ発、21:10カサブランカ着のTGVに乗れると思い、この悪環境下でこれ以上の釣りは断念、撤収しました。
帰りもプジョーを飛ばし、行きよりも早く17時半前にはタンジェ駅地下駐車場に到着。駅で切符を21:00発から19:00発のものに変更してもらうのにまた40分程列に並ぶことを余儀なくされましたが出発の40分前にはそれも完了。21時過ぎにはカサブランカに到着、日帰り釣行を終了致しました。
これを書いている今、前日のトレイルの影響もあり、身体中が痛いです。今回は空振りでしたが、次を目指して精進致します。

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6 コメント

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想像できない世界です。 (yugawaski)
2022-10-04 22:55:53
アフリカなのにTGV…
野岩鉄道や箱根登山鉄道の旅とはスケールが違いますね(笑)
ケニアをお持ちの方は何人か存じ上げていますが、さすがにアフリカで使った方はいないのではないかと。
土や岩の色、そこに流れるエメラルドグリーンの水…
どんな魚がいるのか、今後の展開が楽しみです。
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アフリカ渓流 (budsek)
2022-10-07 02:09:46
yugawaski様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
確かに、会津大川へ行く途中の野岩鉄道や早川へ行く箱根登山鉄道とはスケールが違いますね(笑)。しかし、カサブランカからモロッコ領アトラス山脈への道のりは遠く、誰かにカサブランカ発で運転してもらわない限り、鉄道+レンタカー作戦で行くしかないしかも拠点になる駅はタンジェ、フェズ、マラケシュのみ、ですので乗車最短時間のTGVでした。
ケニアはやはりアフリカ大陸で使わないといけないと思い、日本にいる時は手をつけておりませんでしたが、漸く一軍入りして打席に立たせてやることが出来ました。初打席は空振り三振でしたが、モロッコの漁期が終わる10月末までには何とか魚の引きを味わわせてやりたいと思っております。国外出張とかあるので微妙な状況ではありますものの。
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お疲れさまでした (nori)
2022-10-08 20:45:00
budsekさま

まずは、お疲れさまでした。
そこまで苦労しても川辺に立ちたいというその執念、まっこと見習いたいものです!
初めて見るモロッコの渓谷の風景、いやぁ眼福であります。
世界にはいろんな鱒川があるんですね。
次回のご釣果をお祈り申し上げます‼

nori 拝
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残り僅か (budsek)
2022-10-08 22:14:32
nori様
コメントを頂きまして大変ありがとうございました。
2022年のモロッコ遊漁規則では鱒類の漁期は10月末まで。来週は国外出張のため今週は動けませんので、残りのチャンスは本当に無くなってまいりました。
何とか後一回はどこぞの川に立てるように努力致します。
それにしても、日本は鱒釣りでもつくづく便利な国だなあ、と、「ここは地の果てアルジェリア」ならぬ更に西の隣国モロッコで想う次第です。
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神の橋 (flyukulele)
2022-10-15 15:40:09
こんにちは。日帰りの釣りで、往復900キロ移動の釣りですか! よくある紀行文だと、そこに楽園があり、美しい魚がたくさん釣れた、みたいな話が多いですが、今回のアフリカ釣行はリアルで、とても面白かったです。神の橋があり、魚も1匹だけ見ることができたというのも、人生の貴重な体験ですね。
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人生思い通りにはならないもの (budsek)
2022-10-16 18:00:47
flyukulele様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
日帰りで900kmの移動とご指摘頂き、何と馬鹿なことをしているのかと自分でも驚きました。この釣欲に取ってつける薬はなさそうです。
普通の人は神の橋に感動するのですが、こちらは水の中に魚がいるかどうかしか気にしていない。
でも、こんなことに没入して幸せな自分を肯定したいと思っております。Guigou川の巻の通り今年はもうダメですが、来年は捲土重来を期したいと思います。
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