北米ラグナセカで開催されたモトGP、注目のマルケスは予選終盤で転倒して、ポールポジションを逃し、また、スタートで順位を落としても、初の難攻不落のラグナセカのアップダウンコースでも、彼のアクセルを開けっぷりは微塵も緩まない。
誰よりも、深いバンク角で200馬力オーバーのモンスターマシンをコントロールして限界ぎりぎりでレーシングラインをトレースする。
2008年にケーシー・ストーナーをコークスクリューで抜いて、世界中のファンを沸かせたV・ロッシを、同じ場所で二十歳のマルケスが簡単にオーバーテイクして見せた。
70、80年代、キングと呼ばれたヤマハのケニー・ロバーツを世界チャンピオンの座から降ろしたホンダのフレディ・スペンサーのイメージがマルケスと重なる。
もし、マルケスがスペンサーの敗れない記録があるとすれば、NSR500と250でダブルエントリーをして250、500CCのタイトルを取ったことだろう。