のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

手助けすること。

2008-02-22 00:16:14 | 3年算数
パート先生というのは、その時間その時間が勝負。
昨日まで、力別に分けられていたクラスが、今日は変わっていて
「どこに入ろうかなぁ・・・。」となることも多い。

昨日の3年生、いつものように1組に行ったらメンバーが違う。
しばらく眺めていれば、編成の意図はわかるので眺めることにする。
『うーん。これは均等割りね。』

均等割りの時は、どこのクラスに入るか悩むところ。
基本は少人数クラスだから、そこに行くけど、
メンバーと課題を見て、手が必要でなさそうなら他にまわったほうが効率いいですしね。

少人数教室をのぞくと、指示の通りにくいI君と落ち着きのないR君。
先生の机の上には工作用紙があって、子供達ははさみを持ってクラス移動しているのだから、
「何か作るのね」とあたりをつける。
そしたらI君は要フォローだから、まずはここね。
と居場所を決めます。

間もなく、立体図形の学習に入りました。
少人数の先生のやり方は、まず、それぞれが持ってきた箱の面を工作用紙に写し取り、
それをバラバラに切った上で、組み立てて元の箱と同じ形のものを作る。
です。
この先生は作業を通して、面が2枚一組で3組あるという事を確認させるタイプ。
きっと、切り取った後に、組になる面を探させる作戦でしょう。

箱それぞれの面を写し取る時、1年生でやったように、
ただグルっと鉛筆で囲むやり方だと、押さえた箱がの歪みや膨らみがそのまま写し取られてしまって、
この単元で掴ませたい、「丸きり同じ面が2枚ずつある」ということがわかりにくくなってしまうんですね。
特に、『不器用さんたち』はそうなってしまう。

だから、少人数の先生も考えました。
「工作用紙には線があるでしょ。その線を上手に使って綺麗な四角を書いてね。」
と言ってもよくわからないらしい子ども達のために、自らお手本。
「箱を紙の上においたら、その角のところにこうして点を打っていってごらん。
4つうてたら箱をどけて、定規でしっかり線を引きます。」
このやり方だと、かなりいい感じでそれぞれの面が写し取れますし、組み立てるときにも
ずれがなくて作りやすくなると思います。

先生がそれだけ説明されても、実際にどうしたらいいかわからなくて違う事をしてしまう、
或いは何をしていいかわからずに止まってしまう子のフォローが私の役目。
I君はじめ数名の手元で、実際にやってみせ、やり方がつかめた辺りで席を離れます。

このとき、自分がどこの面を写したか印をつけることと、
「ひとつ終わったら、ひっくり返して反対をやろう」
という言葉がけはしていきます。
『それはそれ』脳の子供達は、作業と知識の繋がりが弱いです。
作業の場面から、「反対側」を意識させる事で、
面は2枚セット。という事を感じさせたいんですね。

同じ意図で、わざとくっつけて図を取らせるように仕向けたりもします。
「紙が勿体ないから、くっつけてとる?」
と、箱を置く場所を前に書き取った四角の横にピッタリ合わせるんです。
そうするとね、辺の長さが同じだということも自然に意識していけるんですね。

『勿体ないから。』
『こうすれば鋏を入れるところが少なくてすむから』
と理由をつけて、この先学習が進んでいったときに、
「辺が同じ」ってどういうことかがわかりやすくなるように。
そう思って動きます。


さて、少人数クラスの子供達は一息つきました。
残り10分程になりましたが、先生に断って教室移動。
このての活動がとても苦手なS君のクラスに向かいます。
良かった。こちらのクラスは今作業に入ったばかり。
案の定S君は何をどうしていいのやら・・・
なぜか円筒形の缶の形を写し取ったりしています。
(今回は直方体と立方体の勉強なのだよ)

先ほどと同じ要領で、写し取りのフォロー。
このクラスの先生はどうやら授業の前半で
「2組セット」を学習させたらしくて、
2つずつセットということはよく理解してました。
(後で伺ったら、同じ面をパンパン両手ではさんで叩いたそうで、
クラス大盛り上がりだったのだそうです)

後は、S君苦手な形取りと線引き。
この子には、『見せる』のが効果的。
定規の合わせ方も、押さえ方も、一つ一つ確認しながら、
一緒にやっていきます。
横線を書くのが苦手なS君。そのうちに
紙を回して、全て縦線でせん引けるようにしちゃいました。
こういう工夫は嬉しいですね。

ほぼ大丈夫だと思えたころ(5分はとってません)、
前のほうで、先生の声。
これも指示の入りにくいY君が苦戦中のようです。

すぐにフォローに入ると、彼は工作用紙の裏に
グルっとまわす方法で写し取っているんですね。
箱が潰れて四角だか楕円だかわからなくなっちゃっています。
急いで介入。
S君と同じ手順を見せていくと、こちらもすぐにコツは掴みます。
写し取った面にしるしをつけながら、6枚を何とかチャイムと同時に写し終えました。

こういう「手出し」を嫌う方がいるのも知っています。
でもね、私は思うんですよ。
この単元では何を学ぶのか。という目的を考えると、
本人の力に任せて、グシャグシャな箱を作らせる事に何の意味があるかと。

ここで、子ども達に箱を持参させ、その全ての面を写し取って切り抜き、
そこから新しい箱を作り出すのは、『面』を意識させ、その形や大きさに注目させるためでしょう。
直方体では、2枚ずつ3組同じ面があること。正方形では全ての面がピッタリ重なる事。
力の弱い子達が、ガチャガチャな四角(あるいは楕円)を写し取って、その目的がかなうとは思えないのです。

本人がまだ獲得しきっていない、写し取りの技術や線引きの技術は(指示を聞き取って理解する力も)
今回含め、今後また少しずつ積み上げて行けばいいわけで、
それができないから、箱の形を作る面の構成を感じるチャンスを逃していいとは思えない。

うまく直線がひけなくても、向かい合った面の大きさが同じだと気づく事ができる子はいます。
定規がキチンと押さえられなくても、展開図を見事に作る子もいます。

できない部分はフォローする。うまく押さえられなきゃこっちが押さえる。
コツを押さえながら、目の前でやってみせる。
そうして、本人ができるレベルより少しだけ上のところまで引っ張っておく。
授業の流れから大幅に遅れてしまわないよう、
先生が説明をする時には、みんなと一緒に聞いておけるよう
フォローしていく事は、『甘やかし』とは違うだろうと思っています。




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