いわき・うぶすな広場だより

セカンドライフの生き方を書いています。

二百十二年前のいわきの年の瀬。・・・いわき

2011-12-28 08:54:47 | なるほど歴史塾

九州旅行時の
熊本城・風景です。
 
212年前の
平の安藤家・城下での暮らしぶりは?
下記の長谷川さんの記録で。

このところのいわきは雪が降らない分
寒い!!

年の瀬もせまり、
スーパー・ホームセンターは大忙し。
いのしし宅でも
様々な雑用は今年は配偶者にお任せ。
いのししは
31日のそば打ちだけにしていただきました。

212年前の12月のいわきについて
長谷川安道さんは
寛政十一年農家年中行事

.十二月一日は、餅をついて今日を祝う。

 俗に川ひたり餅という。そのわけは知らない。

 せちの薪のこり始めともいい、総じて、正月の事始めというわけである。

.領主の「御厩別当」(馬奉行役人)が、馬喰配下の者を派遣して

 村々の馬をあらためて役銭四十文ずつを取り立てること。

 付けたり、他領の馬を育てていることがあれば、
  村の馬喰(ばくろう)へ役銭と
(サ)(コ)祭の費用を渡して置き、
 
当日の出入りがないように心掛けなければいけない。

.今日は、吉例により(せつ)(ぎ)樵り
    あるいは、米つきなどをくり合わせて行うこと。

.二十七日は、年季奉公人の交代の日である。

  さて、下男、下女」の約束をしたときは、
  証文をきちんと取って、目の前で、印を押して、
  名主の証判と寺請証文に添えて、金子と引き代えに実行すること。

  けっして、口約束だけで、無証文の約束あるいは、
    内々の印判など不心得があってはなおまた、

  下男、下女に決めた場合は何という村の誰それというものを
召し抱えたということを必ず名主へ届けなければならない。

 後日にいかなる問題が生じ、苦労するか予測し難いゆえなのだ。

一.  正月の支度として、なくてならないものには、
串柿、延紙、鼻紙、桶、柄杓、肴の類、野菜の類、炭、薪、元結、 
伽羅の油、履き物、あるいは歳暮・年始始の進物などを整え置いて、
それぞれに門松を迎え、
(一年間の)帳面のしめくくり(正月の)御飾りまで済ませ、
歳末の祝儀はめでたく相つとめるべきである。

歳末の(さまざまなしきたりごとなどいを)失礼することは、
新年早々から」申し訳け(も立たず)不吉の至りである。

あるいは、集金の催促をする者に留守をよそおい逃げ隠れ、
あるいは断わりなどを言うのは甚だ不本意の至りであり、

(前からの)心がけが悪いからなのだ。

 

.家、一軒の諸入用は大よその積算は、たとえば

  わが夫婦、子供二人、両親、合計六人、馬一匹は、並の百姓で、
    これぐらいを中通(中農)とする。

  あらまし諸入用の積算は左に書き出してみた。

 

 

※:青銅(銅銭・・・寛永通宝)一文銭(一文:50円・・・現在の3400円くらいか)

 

右のあらましの諸費用を書きだしたけれどもこのほかの費用は大変多い。

まず初子(うい)七夜のお祝い、疱瘡酒湯の祝、
髪置・袴着・紐解(七五三)・初登山・元服・

鹿嶋・伊勢の迎参、婚礼などの費用まで、
ことごとくの出費は書ききれるものではない。

※:七夜の祝い・・・現在でもお七夜といって祝う。

※:疱瘡酒湯ノ祝い・・・天然痘に冒って、運よく快癒したときは皆で祝う。
患者は風呂に酒を入れて、厄を流すのである。

※:迎参・・・村内で講を結んでいる仲間が代表して

               伊勢宮参拝して帰ってきたときの祝いであろう。

なお又、西国順礼、羽州湯殿山、仙台経由での羽黒山詣り、会津の虚空蔵、米沢の文殊、

越後の七不思議などは、裕福な者がやることだ。

また、普請(家の新築)、引っ越し、厩、雪隠、溜桶の交換、井戸の掘り直し、
祖父、祖母の札打、
念仏の仲間入り、不幸の悔み、
年忌仏事の弔いなどはぜひもないことで義理に合わせなくてはならず、
この物入りは平常倹約して、ためておくべき事である。

又この他に入仏、開帳、十夜別事、常念仏の回向、遷宮、火つるぎ、太々神楽、

あるいは、修験の火焼三昧、不動護摩、出家の大般若、曼荼羅供、宝物開帳、

勧請の生導など、
後生(あの世のため)とはいえ、そのたびごとでは銭と隙との際限もないことだ。

 

なお又、地狂言、渡り芝居、操、勧進相撲、曲馬、軽業、香貝の追出、見世物、辻占、

辻書の富札、歯抜の居合、売薬の弁舌、弄玉(ろうぎょく)の長見物は、

家業の妨げになり巾着(サイフ)の不用心(浪費)である。

あるいはどこそこの祭礼、かしこの仏事(と出かけて行ったり)、
またあるときは、
入湯、遊山、花見、川狩、殺生、夏山のうど採り、わらび採り、
秋の栗拾い、きのこ取り、肴持ち寄っての酒盛など

無益の事はやめなければいけない。

また、しきたりのほかの新規の月日待、愛染講、伊勢講、鹿嶋講、日光講、

観音講、札打、山の神、旅連れ会合などに心をまかせておけば、
おごり長じて、
借金がたまり、無尽講に返済するために、
田畑を売ることになる。

あとには勘定のほかの出費のために人に隠れて苦しみ患うことになる。

穀物にして、41俵1斗、銭にして、25貫600文くらい諸入用がかかり、

余計は格別わがやにはない。

このほかに田地の借地料、無尽講の諸掛り、
利足払いなどということになったら
昼夜寝ないで働いてもなかなかまにあうものではない。

よくよく考えて(このことを)知らなくてはならぬ。

右の書は自分の身持ちが善いから書いたものではない。

はなはだ自分の身持ちが悪くなる前に懲りるからであり、
いろいろな人の迷いを導かんがために

このように悪筆をふるって書いたのである。

と農家の基盤をなす農作業の手順・年中行事の手順ややり方を
元旦から十二月まで書かれ
なおかつ、
その年の豊作を願う
長谷川安道さんの姿に感動させられました。


今年のいわきは
長谷川さんも想像しないような状態でしたが、
強い意志を持ち、
復興への道を歩みたいと思います。 

コメント
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