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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

20150522今日の一手<その31>

2015-05-22 | 今日の一手
20150522今日の一手

16日の名南将棋大会からAさんとMさんの対局です。この少し前の局面しか見ていないのですが、多分こう進みました。形勢判断と次の一手を考えてください。














昨日の一手の回答

形勢判断をします。駒の損得はほぼありません。玉の堅さも同等。先手の攻め駒は45桂35馬と持ち駒銀2枚ですから4枚あります。後手の攻め駒は76飛65角と持ち駒金銀ですから4枚。どちらも攻撃力は十分です。であれば手番の先手がよさそうです。

実戦でNさんは44歩と垂らしました。Mさんは36金で

先手玉が危なくなりました。馬もあたりになって忙しいです。ここから(多分こう進みました)43銀同金右同歩成同金24馬23歩33歩同桂同桂成同金41銀同玉33馬

これくらいしかない攻め手順ですが、先手玉が37銀以下詰みで負けました。

問題図の形勢判断を間違っていたのだと思います。手番を持っているから先手よしなのですが、強く後手玉に迫らないといけません。2歩しかないので44歩と控えておくのはとてもよくわかるのですが、歩以外に攻め駒が4枚あるのですから43歩とたたくべきでした。同金左44歩42金なら歩切れですが一手速くなります。43銀と打ちこんで

同金右同歩成同金には66金という保険もあります。34銀と強気に攻めても

4枚の攻めは切れません。一例で、34同金同馬42金と控えられたら44金とおさえる要領です。

ここを43金と当てられたら23金から33金打で寄ります。
何かの時に43で清算して65角の王手飛車もあり、自玉は36桂からの頓死だけ注意して迫ればいいのです。残念な敗局でした。

後手玉への迫り方ですが、厳しい順から考えるのが基本です。すぐに王手では息切れしますね。詰めろもかからないし、23の方から攻めると後手玉は4筋に逃げられます。であれば、一番の守備駒である42金に働きかけます。拠点を作ってはがしにかかります。そのあとももう一枚の金をはがすことを心がけます。焦って攻めて馬あたりになって逃げて後手を引かないように。馬あたりになったら馬を切ってでも後手玉に迫ればいいのです。45桂が53に成って金をはがす場合は取られて自玉が詰まないか注意します。ここから先は手数はかかるかもしれませんが、しっかり寄せきれるようになれば有段者です。

将棋の上達法則(24)

2015-05-22 | 将棋上達法則
さて、将棋に必要な能力の訓練方法について一通り書きました。どれをやりたいですか?

1 パワー 読み
2 スピード 直感
3 テクニック 知識
4 コントロール 形勢判断、大局観
5 スタミナ 集中力
6 メンタル 心理

あなたの能力をそれぞれの項目について自分なりに評価してみましょう。訓練方法を逆に読み取って、

1 読み は詰将棋が解けるかでだいたいわかるでしょう。
2 直感 は早指しが得意かどうかでわかるでしょう。手筋がすぐに見えますか?
3 知識 はあなたの将棋本の量や読んだ時間を考えましょう。
4 形勢判断 できますか?いつもやっていますか?今日の一手を読んで意味が分かりますか?
5 集中力 集中できない要因はありませんか?
6 メンタル 投げやりになって連敗していませんか?負けると熱くなっていませんか?

10段階でそれぞれ評価した後で、どれを伸ばしましょうか。まんべんなく全部6にするよう頑張るのも方法です。どれか一つ7を10に伸ばすのもいいでしょう。

これを書くとおじさんくさいと言われそうですが、巨人の星というアニメ(漫画は読んでいません)を思い出します。星飛雄馬は大リーグボール養成ギブスなんてつけているから身長が伸びなかったのか、貧乏で栄養事情が悪かったのか、ともかく小柄でパワー(というかこの場合は体格)はないのです。球質が軽いと言われ、速いボールですが、打たれるとホームランになります。大リーグボールという何種類かの魔球を考えてテクニックで勝負します。子供のころからボールがおもちゃですからコントロールはすばらしい。魔球は体力を使うのでスタミナはなかったと思います。メンタルは弱いほうが目立ちます。良く驚くし、泣くし、挫折します。
今のプロ野球でもダルビッシュのように体が大きいとボールに力がありますね。それを生かすための訓練をしているのだろうなあと思います。

私からのアドバイスです。
まずは極端に低いものがあれば、それを訓練する方法を試してください。けれどその訓練自体がどうしてもやりたくないのならそれはあなたの脳の特性に反しているのかもしれませんから、ほかの能力でカバーすることを考えます。

性差別の意図ではありません。男女の脳の構造は(全体の傾向として)違います。その中で個人差があって例外も多くあります。一般的には男性は1のパワー(読み)が得意ではないかと思うのです。理系も男性が多いですし、論理的に考える数学を得意にされることも多いでしょう。将棋を始める女性が、詰将棋をやると難しさを感じるのではないかと思うのです。
女性は2 スピード(直感)が優れているのではないかと思います。一昔前に右脳左脳の話がはやりまして、女性はそれをつなぐ脳梁が太いので論理とイメージをつなぐことができる、同時にいくつものことをやりやすい、という話でした。あなたが(女性かどうかわかりませんが)詰将棋が苦手なら、最低限のところ(3手詰めくらいまで)ができれば、無理にやらなくてもいいです。直感を磨きましょう。(逆に女性で詰将棋が得意ならば、かなり将棋が強くなる可能性があります。)
かくいう私がこれでして、数学は得意でしたが、ぱっと解法をひらめいて解くだけですから、数学科に進まなくてよかったと思っています(これは危ないところでした)。詰将棋は解けません。

話がいろいろ飛んでしまいました。明日はどういう訓練方法の組み合わせを行ったらいいかモデルケースで考えてみたいと思います。

20150521今日の一手<その30>

2015-05-21 | 今日の一手
20150521今日の一手

16日の名南将棋大会、NさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

















昨日の一手の回答

Tさんは玉頭を攻められたのですが、筋のいい振り飛車党ですから45歩同飛と飛車筋を変えて飛車を目標にします。ここはさすがだと思ってみていました。
形勢判断をします。先手が1歩損です。玉の堅さは、後手玉に手が付いていない分だけ堅いです。先手玉は4枚の矢倉ですが、傷があります。どちらの攻め駒も全部配置についていませんから、攻撃力はこれから。先手の角の方が働いているのですが、後手の角は13角ですぐに働いてくることに注意します。総合して、この局面は互角か、少し後手がリードしているかも知れません。
先手は13角がくる前に何とかしたいところです。正解は多くはありません。

実戦は55歩としました。85飛は気になりますね。でも13角で35歩と受け、同飛の局面はどうでしょうか。

後手は2歩得になりました。飛角銀が働いてきて、先手の角の働きも弱くなりました。これでは後手が有利です。以下は54歩同金46銀右32飛75歩と暴れたのですが、しっかりいなされました。

85飛は気になるものの、13角を許してはだめです。といって、すぐに46歩や46銀右や46銀左では85飛で空を切ります。指しにくい手ですが、26歩の一手でした。

36歩は気になりますが46銀右85飛25歩87飛成77角

これは87飛成も持ち駒歩だけなので大したことがなく、銀を得したので先手が指せるでしょう。

となれば銀を逃げるしかありません。
34銀なら飛車を3筋に生還されることがないので、97桂としておいて36銀を狙います。13角46歩75飛同飛同歩44角。

これは34銀を目標にできそうだし、角の働きも違います。85桂で左桂が使えるので先手よしですね。

14銀も指しにくいのですが、飛車を戻すことができます。26歩14銀97桂35飛、もう一回45歩で

36歩46銀右32飛44角。

この図は44同角とは取ってくれなくて、24歩から25歩を狙ってまだ少し後手がリードかも知れませんが、先手も十分戦えます。44角では44歩からじっくり指すのかもしれません。

この問題は13角を簡単に許さないで強く戦うことがポイントでした。

将棋の上達法則(23)

2015-05-21 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力 最後は6 メンタル です。精神力と日本語でいうと少しずれる気がします。

ある意味一番重要なのですが、その重要さに気が付かない能力です。欲望と恐怖のことだという話はしましたね。

訓練方法はメンタル要素を意識して対処することです。これしかありません。

欲望の対策は最悪をを考えることです。

苦労してやっと優勢になりました。勝ちが見えました。攻めても守ってもよさそうなときは迷いますね。優勢な理由が、自分の攻めが速いから、なら最悪なことは躊躇して自陣に手を入れたつもりが堅くなっていなくて手駒を減らしただけです。攻撃力が下がり攻めが遅くなると優勢ではなくなりますね。だから攻めます。攻めが切れないように確実な手がいいか、駒を捨ててでも急ぐか、決断してそれだけ考えます。
優勢な理由が、自玉が堅いから、なら自玉の安全が第一です。もっと安全にする手を考えつつ手堅く攻めます。安心して攻め合ったら相手の好手で頓死筋ができたなんて最悪です。
優勢な理由が駒を得したから、ならばもっと得をしようと欲張ると危ないことが多いです。駒得が速度に負けることがあるのです。得した駒を自玉を固めるほうに使って、局面をゆっくり長期戦の方向にもっていきます。

やっと優勢になったと思うとそれまでフル活動していた脳は休もうとして気を抜きます。疑問手や悪手を指しやすくなります。ここが持ち時間を使うところなのです。対局相手から見れば、失敗したと思うところで考えられたら、後悔している時間かもしれません。二重に有効です。

こういう心理は後から振り返りやすいように、棋譜をつけてコメントを残しておきます。メンタルは対局でしか訓練しにくいので記録しておくのです。まだ棋譜が付けられないのでしたら、手帳に対局中の気持ちとその時選んだ指し手を書いておきます。
「優勢になったと思ったら甘い受けの手を指してしまった」とか、「勝ちが見えて手堅くいこうと思ったら悪手だった」とか、詳しく書いたほうがいいです。

恐怖の対策は、自分が恐怖していることを意識することです。
恐怖は気が付きにくいのです。実は心の底では気が付いているのですが、それを認めることはもっと怖いので、気が付かないふりをして自分自身をだまします。なのでとても難しい問題です。

名南将棋大会で3連敗したら、4局目のまえに、今日は調子が悪かっただけ、もう歳だから考えられない、強い人には勝てない、など理由を考えだしませんか?だから負けても仕方ない、そう思ったらその通りのことが起きます。まず4連敗しますね。4連敗したらやる気が起きません。逃げたくなります。毎日解いていた詰将棋も今日は休み。負けた棋譜なんてつけたくないから振り返らない。マイナスの方向に考えが向いていることに気が付いてください。
そう、あなたは自分が感じている恐怖に負けているのです。ほとんどは敵前逃亡です。恐怖なんて認めません。だって今日は○○なだけだから。
まず恐怖しているのだと認めましょう。今どういう状況か考えて、まずは応急処置をしておきます。対局中で、頭に血が上っているのならどうにか落ち着かせます。やる気がなくなっているのならもう一回チャンスはないか考えます。方策がないのなら負けを認めてから次の対局に備えます。
その次はどうしたらいいか自分に聞きます。冷静になってからですよ。敗因分析をして、対策を立てて、訓練するのです。歳をとっても脳は成長します。恐怖から逃げたら戻ってこれません。

注意しておきます。
怒りも恐怖とつながっています。自分の恐怖を隠したいので怒り出すのです。病気などで体力がなくなると怒りっぽくなりますね。自分の弱さを他人にも自分にも見せたくないのです。ほんとに強くて恐怖がなければ怒る必要がないのです。いつもにこにこしていられます。不安を怒りにして周りにぶつけている人がいれば、ああこの人は何かにおびえてわめき散らしているのだなあ、と思うとかわいそうですね。
逆に自己否定してしまって、自分をダメだと思い込んでぼやいても、これも恐怖から逃げているのです。恐怖を感じていることを認めて、自分の弱さを認めて、自分の過去のすべてを肯定的に受け入れられるようになってから、やっと恐怖を克服できるのです。
さらには欲望も恐怖とつながっているのですが、あまり言うとややこしくなるのでやめておきます。

幸い私たち(のほとんど)は将棋のアマチュアで、負けても死にませんし、大金を取られることもありません。だからかえってメンタルの問題は気が付きにくいかもしれません。負けたらメンツというか、自分が相手より弱いことも認めることになる、世間(とは誰ですかね)から弱いのだと思われる。悪手を指すとかっとなったり、顔が紅潮したり、ぼやいて自虐的になったり、相手の態度に怒り出したりする。そんなことありませんか?

将棋なんてただのゲームだから、逃げ出してもかまいません。でも将棋でも対応できないのに、仕事上の事とか、人間関係のトラブルとか、避けられないことに対していつも逃げるわけにいきません。そういうことの訓練と思って、メンタルの部分にもとりくんでみませんか。

こう書いている自分が恥ずかしいくらい私もメンタルは弱いのですが、まずは向き合おうと思っているのです。

対局に負けても心の底から相手に感謝してありがとうございましたといいたいですね。

20150520今日の一手<その29>

2015-05-20 | 今日の一手
20150520今日の一手

16日の名南将棋大会から、TさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
















昨日の一手の回答

形勢判断をします。先手は1歩損です。玉の堅さは先手が堅いですね。44銀や43金が抑え込みに働いているとみれば守備力は同等なのですが、どうでしょうか。先手の攻め駒は24飛37桂66銀77角と4枚あるので、うまく働けば先手が十分です。後手の攻め駒は先手玉に直接迫っていませんから、抑え込みから37桂を取り切ったりできれば後手がよくなります。現在の局面だけ見れば、先手ややリードくらいです。

実戦は55銀と元気よくいって、同銀54飛同金41飛53角11飛成39飛79金寄37飛成。

先手玉はまだ堅いのですが、後手の金銀が中央に使えました。銀を得していることもあり、後手有利です。

感想戦では(全部聞いていなかったのですが)問題図から45桂をやっていて、同桂32歩42角22飛成65歩75銀51飛31歩成同飛同竜同角46歩

この図は64桂が残って先手優勢です。65歩75銀は入れない方がいいかもしれません、以下49飛に45歩としても先手が十分戦えそうです。先手玉が堅く、44銀43金は攻めの目標になっています。

私も感想戦に加わって79金寄と固めて、36歩とかなら45桂で調子がいいです、という話をしました。こういう固めておく手は悪手になりにくい(決戦前には好手になる)のですが、51飛と受けられるとどうでしょうか。78金寄51飛45桂同桂32歩42角22飛成に33銀があるようです。

31歩成の前に竜当たりでこれは失敗です。

どこかで歩を手に入れれば32歩と打てるので95歩もあります。95同歩同香同香32歩42角22飛成91香31歩成97歩99歩

先手玉が弱体化するのでこれもある、悪くはないという感じですか。

75銀から84歩交換を狙うのはどうでしょうか。75銀51飛84歩同歩同銀83歩75銀32歩

と渋い受けがありますが、34歩63銀(すぐに35銀は64飛がある)33歩成同金36桂35銀45桂24金同桂同銀同歩39飛79金寄19飛成23歩成同歩53銀

手数が長いのですが、飛車を取らせても先手玉が堅く、後手をもって受けきりは難しそうです。

主要な変化はこれくらいでしょうか。歩を手に入れると32歩から22飛成、さらには31歩成があります。どこで歩を入手するか。45桂は有力、95歩は過激、75銀から84歩は少しゆっくりでも有力でした。79金寄は指したい手なのですが、後手の先受けで難局でした。

将棋の上達法則(22)

2015-05-20 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力5番目はスタミナでした。集中力の事です。
3つの面があります。

一つは興味を持つことです。

一時期「集中力」という言葉がもてはやされたことがあって、こうやったら鍛えられるという話題がいろいろありました。話題になったのは、勉強とかの好きでも無いことに取り組む(取り組ませる)ために、「集中力」というものを鍛えれば、嫌いなことだって続けられるという幻想です。そんなことはありません。いやなことはできないのです。
単調に思えるあるいは自分には無理に思えることでいやだなあとおもうことはいっぱいありますが、自分の成長を感じたり、ゲームだと思って楽しみを見つけたり、応用したらすごいことに使えるのではないかと空想したり、考え方を変えれば方法はあるのです。
けれど今は私たちがやりたいのは楽しい将棋ですよね。
最初に目標を設定することを書いたのですが、その目標設定を間違えなければいいことです。あなたが自分の力で成し遂げられる目標を決め、取り組んでいるのです。日々自分が成長しているのを実感すればそれだけで楽しいですし、達成したときの自分の姿をイメージしたらワクワクしますね。楽しくない目標なんて変えてしまいましょう。

二つ目は意識をキープし続けることです。

対局の1時間は集中して考え続けられるように意識します。好きなことならより長く続きます。まだ初心者だったり、子供だったり、知識の蓄積がないと続かないかもしれません。ただ私自身苦手なことなのでいい訓練法がわかりません。最近少し改善している気(だけ)はしますが。いい方法はないでしょうか。コメント待っています。

私はすぐに別なことを考えてしまうので、正直3分も同じことを考えていられません。でもなるべく局面のことに集中して、いろいろ考えたいと思うようになりました。生活の隅々までこの調子ですから、一つの事だけやるように、「ながら」でいろいろやらないように心がけて(は)います。ひらめきの力はあるんですけど、順番に積み重ねて考えるのが苦手です。脳の働きの一部が欠損しているのではないかとも思ったりします。論理的に積み重ねて考えるのは苦手なのですが、論理的に組み立てられたものは大好きです。あっちこっち跳びながら抜けたところはないか考えているのですね。別の角度から考えて、同じことに行きついたらととってもうれしいです。理論的な説明になりますから。

最後は生理的なことです。

ずっと考え続けるのは疲れます。生理的にブドウ糖や酸素が不足してくるのかもしれません。少し疲れると歳のせいだからもうだめだと、悪い意味で自分に言い聞かせてしまいます。(次の6メンタルに関係してきます。)
まずはコンディションを整えましょう。健康管理といわれるとそれだけで飽き飽きする方もいらっしゃるかもしれませんが、楽しい将棋のためではありませんか。調子のいい時にいい将棋を指すと自分に自信が付きます。

私のことでいえば、深酒して(昔はウィスキー1本が空きました)次の日に変な将棋を指して負けることが嫌になって、10年以上前に酒をやめてしまいました。それで酒の飲めない女房をもらいましたから、もう飲みたくもありません。間違ってアルコールの入った食べ物を少しでも食べるとふらふらになります。飲まないので夜の時間を有効に使えるようになりました。

対局中には水分やブドウ糖を補います。けれど消化の悪いものは逆効果です。消化に血流を取られて頭に栄養が回らないので、眠くなったり思考が弱くなったりします。
定期的な運動も必要でしょう。運動が必要だといわれてするのはいやだ、将棋している方が楽しい。それはわかりますが、将棋をもっと面白くしたいから運動だってやってみるのだ、と思うほうがいいですね。心肺を鍛えたら脳にも栄養や酸素がいきわたって、素晴らしい一手が見えるかもしれないではないですか。もったいない。

スタミナが(3つの要素のどれかで)無くなると、早い勝負を選んでしまいます。無理な攻めで自滅することが多くなります。升田先生と大山先生を思い出しましょう。同じような正反対のような才能を持った2人でしたが、対戦成績は大山先生が圧倒しています。升田先生は戦争で体を壊して体力が無くなりました。
短かったけれど升田先生の黄金時代はありました。名人に香車を引いたのです。体力はなかったのですが、コンディションには気を配り、スタミナさらにはメンタルでも自分に負けませんでした。
明日はメンタルについて考えます。

20150519今日の一手<その28>

2015-05-19 | 今日の一手
20150519今日の一手

16日の名南将棋大会、TさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。








昨日の一手の回答

いわゆる飯島流引き角戦法と呼ばれる戦法に先手は(多分)四間飛車から中飛車にして中央を攻め、後手は75歩で反撃です。
わたしは「I島流引き角戦法」に反感があります。昔の週刊将棋に連載があって、書籍化されました。
B級戦法の達人プラス
1997年に最初の本が出版されています。「平美濃返し」という名前でした。考案者がわかりません。アマチュアの将棋愛好家のはずですが、これについての言及がなしに自分が考えたように本を出版してしまうI先生の人格を疑います。(もしI先生が考案者なら土下座します。)さらにはI先生の本の内容が怪しいところがあり、この戦法はお勧めしません。

ともあれ、アマチュアにも愛好者は見かけます。この出題図は居飛車が成功しています。
形勢判断は、駒の損得はなし。後手玉は先手玉に比べて圧倒的に堅いです。後手の攻め駒は82飛と手駒の角ですが、77桂を攻めているので73桂も働きそうで、3枚はあるとしていいでしょう。持ち歩が2枚あって、うまく使えれば攻撃力としては十分になります。先手の攻め駒は飛車、手持ちの角、54歩、と3枚なのですが77桂はまだ攻撃に参加していません。55銀があるために54歩と59飛がかえって働きにくくなっています。55銀は前には進めませんから、現時点では遊び駒であるともいえます。形勢は後手よしです。

後手よしですから、次の一手としては正解が存在しません。どうにか互角に戦える順はないか、相手が間違ってくれる順はないか、悪くても粘って長期戦に持ち込む順はないかと検討するしかないのです。
次の一手として出題するのは意地悪かもしれませんが、現実に形勢が悪くなることはあり、そういうときにどう指すか考えてみましょう。

一番自然なのは75同歩ですね。76歩74歩77歩成73歩成同銀(78と もある)77金68角66角59角成同金となりそうです。

後手は79飛とか56歩とか56桂とか攻めてきます。攻め味が少ないのがつらいですが、受ける展開を苦にしないなら、これを選びます。

66銀とすれば、76歩65桂同桂同銀77歩成同金68角66角59角成同金

さっきと比べて74桂が残りますし、66角の利きが通り、すぐには無理ですが34桂の嫌味があります。反面65銀が浮いているのをつかれるかもしれませんし、後手の右銀が守備駒として働くかもしれません。少しは攻め味を見て脅しておかないと受けきれないと見ればこれを選びます。

勝負手は56飛で、89角があるので悪手なのですが、気が付かれないと思うならこれにかけます。
89角には69角しかなくて、78角成同角79金69角打は粘れるかもしれませんが、

86歩同歩同飛87歩78角成同角76飛66銀85桂なんてやってこられたら投了です。


この3択ですかね。相手の顔を見て決めます。

さて、実戦は66歩に58歩89飛でひっくり返しておまけの図です。

76角(65や54でもいい)は見えましたか?合駒角しかありませんから43角は同角成同金32角ですね。
22飛は32角成同飛23飛成です。と金も作れるので大優勢。

この引き角には、相手がやってくるとわかっていれば、

先手中飛車で中央突破ができます。

おとなしく普通の振り飛車から向い飛車で受けて、

こういう図でも悪くありません。この攻め方でうまくいくなら、羽生の頭脳の先手三間飛車対策で左美濃から引き角棒銀で千日手を狙う、なんて書かれるわけがないのです。86歩同歩88歩は85歩でうまくいきません。



将棋の上達法則(21)

2015-05-19 | 将棋上達法則
少しそれますが、棋譜をつける方法について書いておきます。

テクニック(知識)やコントロール(形勢判断、大局観)を訓練するためには、棋譜をつける習慣を身につけましょう。また、自分がどれだけ強くなったかも振り返ることができます。

単に棋譜をつけろと言っても、すぐにすべての人ができるわけではありません。先崎先生が奨励会級位者のころは帰ってから並べられなかったと聞きます。周りの人に聞いてみると、棋力に比例してできるようになるわけでもありませんでした。記憶力の問題でもないような気はします。

どうしても棋譜並べができない人だったとして、人間は才能が欠如しているとその近くの能力でカバーするものなので、別のすごい才能があるのかもしれませんから、悲観することではないのですが、代替の方法はあります。
名南将棋大会に参加される方でも、手帳に対戦相手や、レーティング点数、先手後手、をつけている方は意外におおいです。だからもう少し膨らませて、戦型や勝因敗因も書いてみたらどうでしょうか。図面用紙に気になる局面を書いておくとより進化しますね。相手に断わって携帯で写真を撮っておくのもいいと思います。
対局しながら棋譜をつけていらっしゃる方がいて、いつも感心します。

棋譜がなぜつけられるのか、つけられないのか、ずっと疑問に思っていたのですが、昨日思い当りました(ひらめきですね)。棋譜並べをすれば棋譜が付けられるようになると。
記憶の才能ではなく、棋譜並べの習慣があるかどうかで決まるのではないでしょうか。
プロの棋譜(新聞とか将棋年鑑とか専門誌とかにあります)を少し考えながら並べて、終わったら最初からできるだけ見ないで並べます。これができるようになれば自分の棋譜はつけられるようになります。一日4局とか指して、全部は難しいかもしれませんが(10年以上やっているので私はほとんどできます)1局はつけられるように、手帳に覚えを書いておいて家で清書すればいいのです。

私の棋譜は2002年からあります。この時にパソコンの将棋ソフト(柿木将棋IV)を買って、これが棋譜をつけるのに便利だったのです。家に帰ってから棋譜をつける時は、時に先手後手を間違ってみたり、変化を間違ってみたりします。手書きの棋譜は修正するのが面倒で嫌になるのですが、ソフトなら(慣れれば)すぐに修正できます。印刷すれば手書きよりきれいです。さらにその時に考えたことをコメントで書いておくことができます。変化を棋譜の中に枝分かれさせることもできます。さらにはソフトに検討させることもできるのです。やりだすとどんどん訓練の効率が上がりそうです。

将棋アンテナ棒銀くん
にまとめがありますが、
Kifu for Windows
が柿木さんのHPから無料でダウンロードできますし、
柿木将棋IX
は1080円です。

将棋ソフトはもちろん大学の後輩の山下君が作った
AI将棋 Version 18 for Windows
を勧めますが、
激指は廉価版が手に入れやすいのでこっちでもいいです。

携帯やスマホで棋譜をつけるアプリもあるようですが、残念ながら私は詳しくありません。方法を検索してみてください。そういえば対局が終わったらスマホやタブレットで棋譜をつけている方もみえました。

20150518今日の一手<その27>

2015-05-18 | 今日の一手
20150518今日の一手

16日の名南将棋大会から(多分)WさんとHさんの対局です。
先手Wさんの手番で、次の一手を考えてください。

おまけで、後手(下側)のHさんの手を考えてください。次の一手問題ならやさしいですね。実戦で指せれば気持ちいいです。






昨日の一手の回答

形勢判断から。先手は桂馬を得して と金があります。玉は金銀が近くにいるので先手のほうが堅そうです。先手の攻め駒は33と、37桂、54歩、55金で4枚あって、飛角は守備のような感じですが、応援に回すことができるので攻撃力があります。後手は93馬66歩で2枚、61飛や73桂や63銀の守備についている駒を攻撃に使わないと足りません。ということで、この局面は先手がかなり優勢です。

とはいえ、67歩成が見えますね。角を素抜かれます。これを防ぐか返し技を用意するかが必要です。
先手が優勢ですから、悪手を指さなければいいのです。ところが私は、優勢なので完封してしまおうと思ったか、75桂と打ってしまいます。銀取りだから先手で角の素抜きが防げると。ところが74銀とされてあわてました。

この図は74銀61飛が働き出して、後手の攻撃力が上がりました。4枚の攻めになりそう。こういう時がさらに危険です。多分動揺を見せたくなくてというよりは自分が動揺していることを認めたくなくて、目をつぶって22と としました。(こういうのは恐怖に負けているのです。)
75銀でもう実戦的に勝てません。95香84馬に62歩が最後の悪手です。

同金で飛車先が止まったようでも、後手玉が堅くなり、後に72金とされるだけでした。62歩では75銀同馬64銀でまだ勝ちがあるようです。
22とでは冷静なら76歩としたでしょう。

33と は取られても45桂から53歩成なので局面が落ち着けば問題ないのです。馬を75桂(と76歩)で遮断していることになるので、まだ十分受けが利きます。メンタルが弱いですね。

疑問手や悪手は2手続けなければ逆転されません。
経験則です。互角なら1手で少し悪くなって2手で取り返しがつかなくなる、優勢も1手で互角になってももう一回間違えなければ逆転までは至りません。例外のような大悪手もあるのですが、たいていはその直前に疑問手を指しています。
今回は悪手を指す理由を解説してみました。どれをやっても勝ちそうなのに、これは勝ちそうだと思うと早く勝てる(ように見える)悪手を指すのです。

問題図では優勢なので正解はいくつもあります。
多分一番いいのは、早逃げで66歩の圧力を緩和する88玉です。67歩成での角の素抜きが無くなりました。


後は22と で67歩成同銀48角成とさせても、この瞬間は先手の駒が目いっぱいに働いているので

64歩で同銀には同金同飛55銀、74銀には66桂、と強くいって勝ちそうです。

変な手に見える57桂とか

59角とか

だって、疑問手ではないので構わないのです。

これを75桂と打って取らせるなんてひどいです。



第149回名南将棋大会(弐) の結果速報

2015-05-17 | 名将会
4/17本日行いました第149回名南将棋大会(弐)の結果です。

28名参加していただきました。ありがとうございました。

D級優勝
杉山哲也さん

浜本正啓さん

柿田昌美さん

E級優勝
水谷寛さん

F級優勝
大石泰志さん


G級優勝
加藤久博さん


栗本聡さん


大野清さん


以上の方々です。良い笑顔ありがとうございます。