先手の工夫を見ます。
後手の64歩型で、35歩同歩46銀36歩
35銀45歩33角成同銀24歩同歩
ここで24同銀は難しいけれど、後手もちでした。先手の最善手は77角など、元のラインに角を打つ手です。対して後手も54角と打ちます。
24銀同銀同飛28歩
後手の54角は21飛成を防いでいます。28同飛もあるけれど、11角成のほうが簡明で、29歩成21馬
評価値は+376、先手有利です。なので山田定跡はここでも優秀なのかと思えたのですが。AIによると、後手としては24銀のときに
46歩が最善のようです。33銀不成同桂同角成37歩成同桂27歩
55歩63角29飛47歩成同銀46歩56銀47銀
必然の手順ではなさそうですが、この図で評価値は-1、全くの互角です。少なくとも先手が好んで指す定跡ではなさそうです。
後手としてはこれで問題がないわけですが、最初の35歩の仕掛けに、35同歩の1手でもありません。
43銀と受けたら、先手に選択肢があって、46銀とすれば形のちょっと違う左46銀急戦にすることができます。38飛35歩46銀はこの後に検討する予定の鷺宮定跡に近づきます。34歩同銀38飛43金はよくわからない力戦です。
また大山流で35歩に43金
というのも力戦です。AIはいずれも先手にとって悪くはないと評価しているようですが。
仕掛けの前の後手の第3の選択肢に12香があります。
35歩同歩46銀36歩35銀45歩33角成同銀24歩同歩
同じ手順をなぞると、77角54角24銀同銀同飛28歩
今度は11角成で香を取れません。28同飛46歩同歩37歩成同銀27銀
48飛38歩49飛
これは従来互角と言われていました(68金上64歩の形だったかも)。でも評価値は+618、先手有利です。後手としては27銀を打たない変化、28歩同飛37歩成同銀27歩
48飛76角11角成
とするほうが優りますが、評価値は+347、これも先手有利です。AIは後手の54角を良いとは思っていないようで、64角を推奨します。
55歩22飛38飛43金
こんな展開を考えていて評価値は-144の後手良しです。
先手の77角が無効だというならば24同銀と進めてどうかにもどるのですが、
34銀35歩64角55角
55同角同歩43銀23銀不成44角77角54歩
こんな手順で(必然ではないですが)評価値は+47の互角です。
従来の理由とはちょっと違うのですが、斜め棒銀はせいぜい互角にしかならないというのが結論です。ということで次は鷺宮定跡を検討します。
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