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20160627今日の一手<その347>; カウンター

2016-06-27 | 今日の一手

20160627今日の一手

東海団体リーグから、Kさんと私の対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は46角と持ち駒桂で2枚。25飛も23歩成は手抜けませんから加えてよく、ほぼ3枚です。
後手の攻め駒は持ち駒桂1枚。

総合すれば互角かやや先手よしです。

大局観として

後手玉のほうが玉の周りに金銀が多いので堅いのですが、24歩の拠点が近くにあり、そんなに堅くありません。ですから先手は攻め駒を増やせばよくなりそうなのです。具体的には36金か56銀ですね。
逆に後手のほうを見れば、攻めるには65歩ですが、46角のにらみが大きいですから飛銀桂をすぐに使えません。玉を31から42に上がったところなのですが、これ以上固めることは難しそうです。ということで、後手から動くのは45歩で、金か銀で取れば33桂の両取り、これに対応しなければいけません。
でも自玉の頭から動くしかないのでは苦しそうです。つまり、序盤は私が大失敗していたのですが、ここではかなり盛り返して作戦勝ちになった、という図なのです。45歩を避けるか、迎え撃ってカウンターを狙うか、大きく分ければ2通りの方針です。


△ 実戦を見てみましょう。23桂と打ちました。

筋が悪いなあと思いつつ、角筋を止めました。45歩の筋を緩和する意味と、端攻めを狙っています。後手から清算するのは損なので、45歩で動くしかありません。45歩に33歩

これで33桂を消すのが狙いの手です。銀で取れば11桂成、玉でも取りにくいし角を取るのもまずいので33同金しかありません。それで45金同銀同銀

と進めればよかったのです。35金は同角同歩34歩で楽勝でした。この図は攻め駒は4枚以上です。

それを強引に14歩と攻めてしまいました。

14同歩に11桂成同銀13歩

これで角の取り合い、やや良いのだと思うのですが、そのあとポカがあって最終盤

どう受けるかわかりますか?




ここで受け間違えました。78金の1手と思ったら66桂同銀同馬

が竜に当たっています。ひもは付いていますが、後手玉が全く寄らなくなります。

正解は78銀です。

これなら66桂がありません。馬を取れますね。(あるいは69銀や金でもなんとか受かっています。)


○ 45歩には33歩がある、であれば88玉と待てばどうか。

普通は後手から75歩が厳しくなるのですが、飛車で取れます。65銀には55銀とかわせばよさそう。攻められそうだと思ってろくに考えませんでしたが、たいしたことがないのなら玉を囲うのが一番良いでしょう。
45歩には28角もないことはないですが、33歩同金45金と取って

45同銀同銀35金

35同角同歩で12角の筋が通るのですが、34歩同金同銀同角35飛

清算すれば88玉の効果で飛車を切る攻めも可能です。実戦のように23桂として角筋を止めなくても対応できていました。


△ 28角はおとなしい手で

これなら45歩はありません。逆に44桂を打てますね。24へ利きが無くなるのは少し悔しいのですが、後手からの手が難しく、43金右くらいでしょうか。66歩か88玉以下駒組みを進めることになります。


△ 29飛(あるいは28飛)

と引いておけば、33桂の筋は消えます。それでも45歩としてくれば、今度は36銀がないのでどちらでも取れるのですが、45同銀に35歩

は嫌な感じです。でも34桂51玉35角

と返して、45銀同金33銀に23銀

と攻められます。

また、45歩に金で取って

45同銀同銀35歩に34歩

これでも十分です。

つまり飛車を引けば後手から45歩とできない、ということになります。
そこで75歩同歩65桂

66銀や68銀にはには88歩同玉76桂がありますし、88に引く気にもならないでしょう。76銀にはいつでも77歩があるので、45歩で大決戦です。
形勢が悪いとも思いませんが、何とも言えません。


△ 14歩も突きたくなります。

14同歩に13歩は手にならず、でも突き捨ててほかの手でもいいですが、端を攻めるなら15歩同歩同飛

で13歩に23桂61飛11桂成同飛23香

のように攻められればよさそうです。

でも23桂には21桂と投入されて

端を攻めるのはここまで。25飛と戻せば33桂と跳ねる筋が消えていないので45歩を覚悟しなければいけません。また15歩と合わせたところで45歩

もありますね。多分これは対応できるとは思いますが。
また、15歩と合わせて同歩に14歩と垂らしておくのは歩切れで45歩とされて危ないかも。
変化はいろいろあって、良いような悪いような手です。


× 先手から75歩もやりたくなりますが65桂

の時に困ります。76桂の筋があるし、76銀には75歩があるので逆用された感じです。


☆ まとめ
後手からの45歩の筋、見えましたか?それを迎え撃つ88玉が一番いい手のようです。後手が動かざるを得なくなってきます。後手は88玉のほうが攻めやすいのですが、飛角が目いっぱい受けにも働いているので大丈夫のようです。それで45歩を誘ってカウンターを決める、格好いい勝ち方ですね。

もし45歩が怖ければ、先に28角と引いておけば無難です。

23桂を打ちこむなんて筋はあまり良くないのですが、11香は逃げられないのでまあまあの手でした。端を攻めるから45歩とやってきなさい、と催促したのはいいのですが、33歩まで気が付いていたのなら45歩を取るべきでした。


自玉が堅いとは言えないので、75歩とか考えてはいけません。88玉と入るだけでも怖いのです。安全確認をしてからです。



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