名南将棋大会ブログ 名古屋

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SS1-2 四間飛車に左46銀急戦(3)

2023-04-08 | 基本定跡の研究

昨日の変化は後手有利のようなのですが、従来指されていた後手の工夫(こちらが先に指された)を見ていきます。

仕掛けの図から、54歩34歩同銀24歩同歩38飛

45歩33角成同飛66角(22角は失敗)・・・という展開でしたが、ここで37歩を入れたらどうなるか。37同銀上などもありますが、37同飛と取るのが最善です。

もう1回36歩同飛とするのは、最初からたたかずに36歩を打っても36同飛なので(変化があるし、後で書きます)歩切れで1歩損するだけ。ここで45歩33角成同飛と進んで、66角46歩33角成36歩

と進めば、手順前後で昨日の変化に合流します。34馬37歩成同桂47歩成同銀39飛・・・は後手有利でした。

先手には選択肢があって、角を打たずに57銀引と引くことができます。

43銀と飛をぶつけられたときに、37飛にはひもが付いているので66角か22角と打って

評価値は+477、先手有利なので銀を逃げる余裕があるというわけでした。

戻って43銀とは引けないので28角22角

角を打ち合うことになります。後手から見ると、37歩同飛を入れてあるので28角を打てたということになりますが。ここから37歩成同銀39飛

18角と打って、評価値はほぼ0、互角です。先手はこれではつまらないから、37角成を同桂と取って36歩11角成

こちらを選びます。37歩成同銀39飛48銀右19飛成39香

この局面で評価値は+416、先手有利です。今は飛桂と角歩の交換で駒損ですが、21桂は取れるし、いつでも(後手が歩切れなので)34香同飛と取れるから、実質は角香と飛銀歩の交換になる、先手の駒得だというわけです。玉の堅さは美濃囲いのほうが堅く見えるかもしれませんが、金銀4枚の舟囲いに耐久性があります。ということで後手が先に37歩同飛を入れる工夫は失敗なのでした。

では角を交換する前の36歩はどうか。

AIに聞くと、55歩45歩36飛46歩34飛

見たことのない変化も示してくれます。41銀の割打ちがあるので後手の最善手は42飛ですが、底からの変化はいろいろあるようです。評価値は+104、先手ペースではあるけれど、先手有利まではいきません。

さて従来は36歩に同飛しか考えられていませんでした。そこで45歩を突いて

55歩46歩34飛は、またAI指摘の変化に戻るのですが、ここで33角成同飛66角46歩33角成45銀35飛33桂・・・は後手のねらいにはまるのでしたね。一昨日書いた後手の目標の図でした。

よって33角成同飛57銀引

と進行します。ここは35銀38飛64角とか、43銀33飛成同桂34歩同銀31飛も見えますが、先手有利のようです。後手の最善は35歩で、39飛32飛

と進行します。後手としては32飛のところで22角の辛抱もあるようですが。さてこの図で一段落。AIの評価値は+53ほどで互角です。進行例としては、23歩同銀22歩同飛35飛32飛

あるいは66角33桂22歩28角

どれも良い勝負です。つまり振り飛車としては、昨日の変化で後手有利の終盤勝負を選ぶか、今日の変化(36歩のほう)でもう少し長い中終盤を選ぶかの権利があるということになります。先手番で急戦を仕掛けた居飛車としては不満が残るのではないでしょうか。ということはAIが示した55歩を突く変化のほうが良いかもしれません。

今日はここまで。

 


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