20171030今日の一手
7月16日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
少し前から。
先手の石田流に対して後手が棒金で仕掛けたのですが、これが危険な手です。棒金で攻める前に64の地点を手厚くしておきたいですし、72飛~74歩同歩同金75歩~95歩同歩96歩、と1歩持って96歩を狙うべき。単純に95同金で良くなるというのはまれなケースです。
さて、95同歩同金74歩同歩というのが問題図です。
☆ 形勢判断をします。
後手の1歩得ですが、先手に持ち歩があるのでカウントせず。損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は76飛97角で2枚。99香も働きそうで3枚に近いです。
後手の攻め駒は95金ではありますが、今は先手陣に届いていないです。現状は0枚か91香の方を数えて1枚か。
総合すれば先手が指しやすいです。
☆ 大局観として
後手の95歩同歩同金というのは攻め駒を増やそうということなのですが、金が離れて行くのが不安です。96歩79角86歩同歩同金というのが狙いではあります。
先手はその前に飛角プラス左桂をさばきたいところです。残念なのは67銀で、56歩を突いていなければ56に出て使えた(逃げられた)かもしれなかったのですが。
○ 一番自然なのは65歩です。石田流本組ならばこれが攻めの筋。
65同歩には42角成同玉65桂
角桂をさばきました。金の質駒はあるし、53金や64歩同銀74飛と攻められますから先手優勢です。
後手は96歩なら64角
64同銀同歩と進み、63歩成や65桂や74飛を狙って先手有利です。
64歩と取り込んで
52銀右79角
でも悪くありませんし、
63歩成と踏み込んで
97歩成に64歩が好手、74飛を見ているので84飛52と同銀63銀
という攻め方もあります。
後手としては86歩が最善で
86同角同金同飛同飛同歩99香成61飛
52銀右に81飛成くらい。左桂は85~73と使うことになるでしょう。角香と金桂の交換で玉が堅くて攻め駒は将来4枚にすることができます。後手にどれだけの攻めがあるかですが、先手有利です。
× 実戦は64角と捨てて
64同銀95香同香74飛
とさばきました。角香と金の交換でもこの飛がうまくさばけた感じがするのです。でも73銀と引かれて、94飛には93香で失敗。76飛と引いたら
75歩同飛74香85飛84銀
65飛77香成61飛成73銀
飛を成れても67銀を取られる形が嫌です。これはうまくいかず。銀が逃げられる形ならばまあまあだったのですが。
ということで実戦は73同飛成
と切りました。73同桂74歩で桂馬を取れます。64角と打たれて37銀打
は長期戦で頑張ろうということですが、桂を取っても飛角香と金銀桂の交換で駒損です。銀を打たずに73歩成と突っ張るほうが優りましたが、それでも少し苦しいでしょう。
72歩73歩成同歩65桂79飛
55歩同歩53歩98香成63金97角成64桂51香73桂成
という進行です。大駒はないけれど攻めが続きそう、でも先手玉も安泰ではないです。実戦は馬と飛で受けられて攻めが細くなり、王手で駒を取られる展開になり、後手玉を(後手の)右翼に逃げ出されて負けました。
上の図はまだ難しいのですが後手のほうが良いのでしょう。
△ 74同飛と飛を切ると
74同銀64角73歩95香同香65桂
飛(というか香というか)角桂をさばけます。65同銀同歩61香
42角成同玉72歩同飛64歩
大駒が無くなってしまうのは同じでも、後手玉が薄くなって馬も作られていませんから、実戦の順よりも優ります。攻め駒3枚ですがうまく歩を使って食いつけば良くなるかもしれません。
この図は互角でしょう。
後手は64角に92飛
とかわすことができます。これは95香と取られにくいわけです。93歩同飛42角成同玉84金
この図の形勢判断が難しいですが、飛を取れば金も取れるということになります。92飛74金という進行は後手を持っても嫌でしょう。これも互角に近い(どちらかが良いのでしょうが)です。
× 75歩と合わせると
75同歩同角74歩に95香同香
までは入ります。結局64角しかなさそうで、それは最初に64角としたのと同じことになります。後手よしでした。
○ あとは角を転回する順で、79角
96歩に65歩同歩57角
これは56歩の形を生かしました。64歩同銀74飛を防ぐには72飛しかないか。84角に64銀
と返されて、73歩同銀同角成同飛65桂
と進みそうです。71飛には62銀~53桂成があるので、72飛に63銀82飛、74飛か73歩か。結構先手が指せそうですね。後手の95金が遊んでいるのが大きいです。
△ 88角だと
96歩(まだ86歩は無理か)65歩同歩64歩同銀74飛
73銀76飛75歩同飛74歩76飛45歩
先に角筋を通されると少し失敗ですが、79角と引いておけば悪くもないです。
☆ まとめ
飛角桂をさばく(この場合は99香をさばくというのも入っているかもしれません)順を見つけられたでしょうか。
石田流本組では当然の65歩が本筋で(後手としてはこれが怖すぎるので95同金と出る手が指しにくいのです)、65同歩は角を切れば圧勝です。
96歩の時には64歩か64角か悩みますが、どちらも指せるようです。後手は95金が遊んでしまうのが痛いです。
金が遊ばないように86歩で後手も飛金をさばくのですが、駒損でも玉の堅い先手の方が指しやすいです。
実戦の64角と捨てるよりは74飛と捨てるほうが優りそうですが、どちらも少し焦りすぎか。もう一手後手に指させておいて切りたい感じです。ただ74同飛と捨てるのは先手も結構指せました。角を使うと42角成と切る手があるためです。
先手陣を見ると、97の角が57にあったら楽だなあ、と思いませんか。79角~57角の転回はかなり有力です。後手の6筋がかなり手薄なので、97角の利きがなくなっても飛をさばけました。
振り飛車党にもいろいろな棋風、指し方がありますが、石田流にするなら大駒を切ってでもさばく感覚が必要です。駒損になるわけですから、その分だけ読みの精度が必要になりますが。
この形は攻めが切れる、この形は攻めが続く、という判断が素早くできれば手助けになります。そのためには棋譜並べが一番有効でしょう。
後手の棒金はなかなか勝ちにくいんですよね。先に書きましたが、6筋を手厚く構えること、角筋を通しておくこと、金を遊ばせないこと(さばくよりは守りに使う)が必要です。問題図の後手陣にはいろいろおかしなところがありました。
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