名南将棋大会ブログ 名古屋

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20171010今日の一手(その583);受けのテクニック

2017-10-10 | 今日の一手

20171010今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、MさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
仕掛けから見てみます。

アマチュアでも角換わりが流行しています。その前の問題と似ていますが、今回は手損なし、実際の手番の、ままです。後手の飛が82ではなくて62なので45同歩と取らず(前回は45同歩75歩同歩45桂同銀同銀86歩同歩88歩という展開でした)、65歩同歩同銀で問題図。

4筋と6筋の取り込み合いでは飛の応援がある分だけ後手のほうが強力だからと、後から突いた65歩に応接しました。

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同じようなものでも右金の位置の違いでやや後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は65銀と持ち駒角で2枚ですが、62飛も加えてよいでしょう。73桂は跳ねることができれば加えます。

総合すれば後手が指しやすい局面です。

☆ 大局観として
先手が先攻できなかったわけで、このままでは面白くないです。
まずは素直に応じたらどうなるかを考えますが、ちょっと旗色悪し。
後手の攻め駒をさばかせないように考えなくてはなりません。どうにか互角にもっていければ十分とします。


△ 24歩同歩は

この後の変化によっては有効です。1歩渡すので悪くなる変化もあります。
同じような意味ですが、15歩は手抜きもあるので緩手です。


× 65同銀は一番自然な応手ですが

65同桂66銀47銀

47同金に38角は(その時に先手の思わしい手がないので)まずいです。49金にも46角

で受けきれません。後手の右桂が攻め駒になっているのでだめだ、と判断しましょう。


× 44歩と取り込めば

56銀同歩47歩

やはり取れば38角ですし、38金は57角、58金は46角、57金は65桂、どれもまずいです。


× 銀交換がまずいとすればかわすわけですが、67銀と引くと

66歩58銀45歩

1歩補充されると46歩もあるので45同桂44銀46歩くらい。75歩同歩76歩

68銀では55角が厳しく、88銀では形がひどいです。劣勢まではいきませんが、後手の有利が広がっています。


× 47銀と引くと

75歩同歩76歩88銀66銀

67銀よりも悪くなっているかも。

68に銀を引くと66角です。

88角同角成同金66銀なら前の図と同じようなものです。


○ 55銀とかわす手はたまに出現します。

75歩同歩76歩68銀

とされても66銀や66角はありません。

後手は54銀のほうが普通の応手で

54同銀同歩24歩同歩44歩

43銀を見てまあまあ指せます。

後手の54銀に84角

とカウンターを打つのもあります。これには64角と応じられないタイミングです。55銀73角成ならば先手が指せるのかも。


○ 63歩と叩いてみると

63同飛に55銀

歩切れが気になりますが、54銀同銀同歩72角

ここに角を打つのが楽しみです。


△ 64歩と控えて打つと

64同飛55銀62飛44歩

は言い分が通った形です。

後手は56銀と取って

56同歩47銀に63銀

63同金同歩成同飛44歩48銀成43歩成

という攻め合いは、やや心細いものの勝負になります。


○ 実戦は84角で

73桂62飛を狙った角打ちです。これには56銀73角成67銀打62馬

というのが直線的な変化で、78銀成同玉67角88玉78金98玉62金51飛22玉

24歩同歩23歩か24桂か56歩か、難しい寄せ合いです。

他には64角

と打ち返すのもあって、65銀同桂62角成同金

これが案外に大変なのです。飛を打ちこんでも取れるものはなし、66銀とかわしてどうか。

と、84角には難しい応手があったのですが、実戦では72飛

と受けられて、これは大きな利かしになりました。24歩同歩44歩56銀同歩44銀61銀

これはやりたい放題みたいです。46角88玉62飛52銀成同飛47歩64角63金

73桂は守られても、角を追っての両取りを打って笑いが止まりません。82飛に66角なら楽勝でしたが、73角成同角同金42飛69飛62歩

ちょっとしくじった感じでも優勢です。ゆっくり63歩とか、51角とか、26桂とか、どれでもよさそうですが、男らしく62同飛成同飛同金と行って、86歩同歩87歩同金69飛61飛41歩

68歩~52金とか63角とか、受けるなら46角とか、いろいろあるところを大事を取って98玉としたら78銀

いっぺんに敗勢になってしまいました。金を持っていないと受かりません。


○ 46角

とこちらから角を打つ方が多いのですが、84角55銀54銀

46角と84角の打ちあいは46のほうが得だと前に書きましたが、ここでは銀を交換して良しにはならず、55銀とかわすのでは今一つ。
ここで選択肢が多く、64銀65桂73銀不成77桂成ではおもわしくないか。44歩45歩54銀46歩63歩82飛43歩成とか、64歩65桂を入れるとか、なんでもありそうです。
54同銀同歩44歩55銀同角同歩24歩同歩43銀同金右同歩成同金45桂

というのをあげておきます。駒損でも4枚で攻めれば互角です。先に攻めているなら有利なのかも。

なお、46角に56銀73角成67銀打62馬

と進むと、84角の変化と同じになります。


☆ まとめ
素直な応手(65同銀)が思わしくないというのは、少し形勢が悪い(作戦負け)という証拠かもしれません。それは後手玉がやや堅くて攻め駒が多いからです。
後手の攻め駒を増やさないように、銀をかわすのが本線。けん制に角を打つのがそれに続きます。

銀をかわす55銀、その前に歩切れになるけれど63歩あるいは64歩を打つかどうかです。
これは争点をずらすテクニックです。65の地点で戦ってはいけません。


84角あるいは46角と打つのは、単に桂取りを受けて(飛や金で)もらえば得でしょう。
実戦では84角に72飛と受けてもらったので大成功でした。後手を持ったら、先に攻めたのですから引いたら悪くなるのが道理です。

84角には64角、46角には84角が得かどうか、という判断が必要です。

受けずに56銀73角成67銀打以下の変化に自信がなければ指せませんし、相手の顔色をうかがって指すものかもしれません。



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