後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手陣の欠陥は？
A 75歩 B 44歩 C 24銀
第2問
大駒を使って動きます。
A 75歩 B 65歩 C 54銀
第3問
先手の34歩備えます。
A 63銀 B 16角成 C 44歩
今日の棋譜20210115
昭和30年7月、五十嵐豊一先生と第3回王座戦です。
五十嵐先生の先手で相掛りです。
新旧対抗になりましたが、すでに五十嵐先生が失敗していまして
28飛と戻してから中央位取りです。受け身になる旧型の56歩と攻撃的な浮き飛車の組み合わせが悪かったというわけです。
銀を出て後手の33銀を強要する指し方ですが
66歩が早かったということでしょう。大山先生は44歩を突いて駒組にするのではなくて24銀。これが意表を突く好手です。56銀は54歩同歩同銀とできるので
57銀55角67金右22角34銀、歩を取り合います。
75歩は同歩65歩が銀取りになっているという仕組みです。五十嵐先生は居玉なので25銀とはぶつけにくかったのでしょう、45銀では手損だけ残ります。
65歩に55歩は手筋で
55同角56銀引33角65歩
88角成同金33桂。後手陣は安定していて、飛の横利きがあるので動きやすいです。五十嵐先生は陣形をまとめたいのですが、68玉76歩78金として、後手に攻めさせるくらいだったと思います。
78飛は奇抜な感じですが、壁金を生かしました。74銀には76飛とできなければおかしいのですが、38角や28角を嫌ったか。
36歩に68歩。68同飛は65銀同銀右同桂同銀66歩と強攻されても自信なし。68同玉28角17香19角成79飛など、開き直った方が良かったでしょう。
35歩(桂頭をねらった)38角
17桂44歩34歩45桂。46歩には56角成同金67銀でもまずいです。
46角62金を入れて
25歩13銀76金、ではまだしも76飛でした。
36歩68飛37歩成、47と が受からないので投了してしまいました。
五十嵐先生の不出来な将棋ですが、42手目大山先生の24銀というのが好手だったのですね。過去にも類似局があるのですが、初めて出てきました。先手は手厚い陣形を作り直そうとしたのですが、角を交換しているのでうまくいきませんでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時：1955/07/15
手合割：平手
先手：五十嵐豊一8段
後手：大山名人
先手省略名：五十嵐
手数----指手--
1 ７六歩(77)
2 ８四歩(83)
3 ２六歩(27)
4 ８五歩(84)
5 ２五歩(26)
6 ３二金(41)
7 ２四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 ２三歩打
11 ２六飛(24)
12 ８六歩(85)
13 同 歩(87)
14 同 飛(82)
15 ７八金(69)
16 ８四飛(86)
17 ８七歩打
18 ３四歩(33)
19 ４八銀(39)
20 ６二銀(71)
21 １六歩(17)
22 １四歩(13)
23 ５六歩(57)
24 ９四歩(93)
25 ９六歩(97)
26 ６四歩(63)
27 ２八飛(26)
28 ６三銀(62)
29 ５七銀(48)
30 ５二金(61)
31 ５五歩(56)
32 ４二銀(31)
33 ５六銀(57)
34 ４一玉(51)
35 ６八銀(79)
36 ７四歩(73)
37 ５八金(49)
38 ７三桂(81)
39 ４五銀(56)
40 ３三銀(42)
41 ６六歩(67)
42 ２四銀(33)
43 ５七銀(68)
44 ５五角(22)
45 ６七金(58)
46 ２二角(55)
47 ３四銀(45)
48 ７五歩(74)
49 ４五銀(34)
50 ６五歩(64)
51 ５五歩打
52 同 角(22)
53 ５六銀(45)
54 ３三角(55)
55 ６五歩(66)
56 ８八角成(33)
57 同 金(78)
58 ３三桂(21)
59 ６六銀(57)
60 ７六歩(75)
61 ７八飛(28)
62 ７四銀(63)
63 ３六歩(37)
64 ６八歩打
65 ３五歩(36)
66 ３八角打
67 １七桂(29)
68 ４四歩(43)
69 ３四歩(35)
70 ４五桂(33)
71 ４六角打
72 ６二金(52)
73 ２五歩打
74 １三銀(24)
75 ７六金(67)
76 ３六歩打
77 ６八飛(78)
78 ３七歩成(36)
79 投了
まで78手で後手の勝ち
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