先手番大山先生の手を考えます。
第1問
早繰り銀の受け方です。
A 75同歩 B 65歩 C 67銀
第2問
後手が少し無理をしている感じですから、受けられるでしょう。
A 88玉 B 88金 C 75銀
第3問
駒得になりました。後手に食いつかれないように受けます。
A 88金 B 75香 C 65銀
第4問
入玉を防いで、この手で投了されます。
A 48桂 B 35桂 C 35歩
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
早繰り銀の受け方です。
A 75同歩 B 65歩 C 67銀
第2問
後手が少し無理をしている感じですから、受けられるでしょう。
A 88玉 B 88金 C 75銀
第3問
駒得になりました。後手に食いつかれないように受けます。
A 88金 B 75香 C 65銀
第4問
入玉を防いで、この手で投了されます。
A 48桂 B 35桂 C 35歩
今日の棋譜20201008
昭和27年11月、升田幸三先生と第2期王将戦被挑戦者決定戦第2局です。
大山先生の先手で矢倉です。
46歩を突くほうが矢倉では旧型で、新旧対抗とは言いませんが、銀矢倉にするのが主なねらいです。
升田先生は囲い合う矢倉よりも急戦矢倉を得意にしていました。
早繰り銀にして手早く仕掛けます。
67銀の受けに31角
少し囲いながら銀をぶつけて交換になります。
後手玉は入城したので攻めたいのですが、自然な73桂は74銀を打たれるのが嫌です。93桂はあるかもしれません。86歩同歩85歩あるいは85歩同銀85桂をねらいます。後手から74歩や74銀を打って桂を跳ねるのではちょっとおかしな感じがします。
桂を使えないのならば91香を使いたくて、51角~95歩同歩同香か、92飛~95歩同歩97歩同香同角成同桂95飛96歩同飛98歩とか。まあ93桂や92飛というのはかなり後に発見された攻め筋です。
あとは64角~55歩同歩同角のような様子見ですが。
升田先生は端攻めでした。もう1歩あれば97同香に98歩なのですが
銀を打つのではもったいない感じはします。とりあえずは89銀成同玉97角成のねらいです。
75銀の受けに55歩同歩95香ではかなり無理をしているような。89銀成同玉83桂も65歩75桂同歩で攻めにくかったか。
95同香に74歩同銀84飛。これは83銀や香の受けを防いでおいて、63銀不成に87銀成同金86歩という攻めです。ずいぶん駒損しているので難しそうではありますが。
75香と受けられて86歩の攻め筋が消えてしまいました。53金は苦肉の策(ということは75香の受けを見落としたか)で、64金~74金のねらいです。
でも97桂の受けがぴったり。89銀成をかわし、85銀と逃げられます。升田先生は銀を逃げされてはだめなので、飛を切ります。
それから金を出ていくのではつらい感じです。
88金55金56歩、どうしようもなさそうですが
96歩55歩87銀成。手はあるものですね。金を犠牲に1歩と1手を稼いで攻めをつなげます。これで87同金に97歩成とすれば桂金を取り返せます。
馬を作って調子が出たようですが、ほぼ飛損しています。
駒得の大山先生は金銀を打って守ります。
43桂に56銀
55桂同銀56歩。56同金は67銀68桂というのが怖い形なので
39角に49金。角は取られてもまだ駒得なので怖くはないです。
24歩同歩23歩同玉を入れて71飛。升田先生は22金が仕方なかったのだと思います。
31銀は手堅いけれど駒損しているので戦力低下は厳しいです。角を逃げられて金と交換しますが、
飛金香と角の交換にしかなりません。それでも57角が勝負手ではあったと思いますが
拠点の56歩を成り捨てて54歩では状況がさらに悪くなっています。
54同銀に64馬と使い
65銀に39角。58飛に65馬同歩49銀では足らなさそうですが
57角成。(私はこういうのが見えないのですが)王手飛車ですね。
ただし飛をただで取れるわけではありません。
67金に68金
78歩同金左57金同歩39飛。この時点で金香損ですが、桂香は拾えるので駒損は解消していきます。
でも寄せ合いは負けでしょうね。桂を打たれて
82馬41飛成22銀引、粘ってはいますが駒損で受ける駒も乏しいです。
53角42桂31桂成。31同銀は43歩を間に合わされるので
31同金に42角成
41同金同馬32桂、先手玉は一瞬詰めろになるのですが、桂を埋められては何もありません。
19馬~31香と受けてみますが、物量で攻められて受けがないです。
25歩32金、上に逃げ出せたらもう一波乱あるのですが、24金22金26歩は17桂がぴったりです。
36飛成に35歩もぴったり。投了です。
升田先生の攻めがうまくいかなかったのですが、いろいろな攻め筋が発見されていくのは現代将棋になってからです。その前の時代に新しい戦法を開拓していくのが升田先生です。
大山先生は駒得で受けているので、少し余裕がありました。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.44 棋譜ファイル ----
開始日時:1952/11/08
手合割:平手
先手:大山名人
後手:升田幸三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 5二金(61)
11 3六歩(37)
12 5四歩(53)
13 4六歩(47)
14 3二金(41)
15 4七銀(48)
16 4一玉(51)
17 7八金(69)
18 8五歩(84)
19 5八金(49)
20 7四歩(73)
21 6九玉(59)
22 7三銀(62)
23 5六銀(47)
24 3三銀(42)
25 7九角(88)
26 6四銀(73)
27 6六歩(67)
28 7五歩(74)
29 6七銀(56)
30 3一角(22)
31 5六歩(57)
32 4四歩(43)
33 4七金(58)
34 7六歩(75)
35 同 銀(67)
36 7五銀(64)
37 同 銀(76)
38 同 角(31)
39 5七角(79)
40 4二角(75)
41 7六歩打
42 3一玉(41)
43 3七桂(29)
44 4三金(52)
45 2五歩(26)
46 2二玉(31)
47 7九玉(69)
48 9四歩(93)
49 9六歩(97)
50 1四歩(13)
51 1六歩(17)
52 9五歩(94)
53 同 歩(96)
54 9七歩打
55 同 香(99)
56 9八銀打
57 7五銀打
58 5五歩(54)
59 同 歩(56)
60 9五香(91)
61 同 香(97)
62 7四歩打
63 同 銀(75)
64 8四飛(82)
65 7五香打
66 5三金(43)
67 9七桂(89)
68 7四飛(84)
69 同 香(75)
70 6四金(53)
71 8八金(78)
72 5五金(64)
73 5六歩打
74 9六歩打
75 5五歩(56)
76 8七銀成(98)
77 同 金(88)
78 9七歩成(96)
79 同 金(87)
80 同 角成(42)
81 8八金打
82 4二馬(97)
83 6七銀打
84 4三桂打
85 5六銀(67)
86 5五桂(43)
87 同 銀(56)
88 5六歩打
89 3九角(57)
90 4九金打
91 2四歩(25)
92 同 歩(23)
93 2三歩打
94 同 玉(22)
95 7一飛打
96 3一銀打
97 4八角(39)
98 同 金(49)
99 同 飛(28)
100 9六歩打
101 9八歩打
102 5七歩成(56)
103 同 金(47)
104 5四歩打
105 同 銀(55)
106 6四馬(42)
107 6五銀(54)
108 3九角打
109 5八飛(48)
110 5七角成(39)
111 同 飛(58)
112 4六馬(64)
113 5八歩打
114 6七金打
115 6八金打
116 7八歩打
117 同 金(88)
118 5七金(67)
119 同 歩(58)
120 3九飛打
121 8八玉(79)
122 3七馬(46)
123 4三桂打
124 8二馬(37)
125 4一飛成(71)
126 2二銀(33)
127 5三角打
128 4二桂打
129 3一桂成(43)
130 同 金(32)
131 4二角成(53)
132 4一金(31)
133 同 馬(42)
134 3二桂打
135 6九桂打
136 1九馬(82)
137 4三銀打
138 3一香打
139 4二金打
140 2五歩(24)
141 3二金(42)
142 3六飛成(39)
143 3五歩打
144 投了
まで143手で先手の勝ち