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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

11月の予定

2017-09-06 | 名将会
11月の予定が決まりました。

第177回は
9月16日(土)R1600以上
9月17日(日)R1600以下

第178回は
10月22日(日)R1600以上
10月7日(土)R1600以下

第179回は
11月18日(土)R1600以上
10月28日(土)R1600以下



です。11月はほかの大会の日程がばらけてしまったために、日取りに苦労しております。
10月末に(弐)をもう一回行い、11月は なしとします。
ご参加お待ちしております。

大山将棋研究(634);四間飛車に右四間飛車(木下晃)

2017-09-06 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜20170906
昭和57年1月、木下晃先生と第31回NHK杯です。1月のNHK杯ということは木下先生大活躍の年のはず。子供のころにTVで木下先生を見て、知らないけれど強い人がいるものだなあ、と思いました。木下先生の棋歴としては一番に近いものです。これがベストエイトで、勝てば準決勝というところだったようです。


大山先生の四間飛車に、木下先生は右四間飛車を狙っています。関少年はこんな戦法は知らなかったはず。

62飛が遅いので大山先生から仕掛けました。最初のチャンスは見送る、と言っていた人なのですが。

右4間(まだ移動していませんが)としては、自陣角を打てば収まることが多いのですが

大山先生が激しく動くので、木下先生はカウンター狙い。

うまく銀を潜り込みました。大山先生は57に利かせる46角は当然で

でも91角成とはひるみませんね。この攻め合いはどちらが優っていることか。

金銀から飛交換になって

ここに銀を打つようでは少し大山先生が辛そうです。

この攻めもなかなか厳しいのですが

金寄でしのがれては今一つ。65香で反撃が来ます。

62歩成から55馬、というのが好手のように見えてそうではなかったというのがつまづきです。66香を取り切れないのですね。ならばひとつ前の図で64桂など攻め合いのほうが難しかったのです。

25桂に44桂、この交換もあまり得をしていない感じです。

馬を使うべく45馬から銀を取らせて耐え

香で6筋の壁を崩しに行きます。

木下先生は香は食いちぎって寄せに出ました。(単に59金もあるところです。)まだ詰めろではない(2手すきくらい)ですが受けにくいです。

大山先生は33香からスパーク

でも詰めろがかかりません。桂を渡したのでつなぎ桂が詰めろになり

投了図。

振り飛車から見ると右4間が間に合っていなければ65歩と仕掛けたくなります。それが有利にならなかった、というのがそもそもの誤算なのでしょう。弱い方から見ると、こういう直線的な攻め合いのほうが力量差が出にくいもので、かえって助かったのではないでしょうか。
観戦していたら(私も見ていたと思いますが)楽しいでしょうね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:木下晃5段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八銀(39)
12 5二金(61)
13 3九玉(48)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 6四歩(63)
17 6七銀(78)
18 6三銀(62)
19 7七角(88)
20 7四歩(73)
21 5六銀(67)
22 5四銀(63)
23 6五歩(66)
24 7七角成(22)
25 同 桂(89)
26 4四角打
27 7八金(69)
28 6五歩(64)
29 同 銀(56)
30 5五銀(54)
31 5六銀(65)
32 6六銀(55)
33 4六角打
34 6二飛(82)
35 9一角成(46)
36 6七歩打
37 同 金(78)
38 同 銀成(66)
39 同 飛(68)
40 同 飛成(62)
41 同 銀(56)
42 7七角成(44)
43 7八銀打
44 9九馬(77)
45 6一飛打
46 7九飛打
47 6三歩打
48 5一金(41)
49 8一飛成(61)
50 6五香打
51 6二歩成(63)
52 同 金(51)
53 6六歩打
54 同 香(65)
55 5五馬(91)
56 6一歩打
57 2五桂打
58 4四桂打
59 4五馬(55)
60 6七香成(66)
61 同 銀(78)
62 7七馬(99)
63 6六香打
64 同 馬(77)
65 同 銀(67)
66 5八金打
67 3三香打
68 同 桂(21)
69 同 桂成(25)
70 同 玉(32)
71 2五桂打
72 3二玉(33)
73 3四馬(45)
74 3六桂打
75 同 歩(37)
76 同 桂(44)
77 3三桂成(25)
78 4一玉(32)
79 投了
まで78手で後手の勝ち




20170906今日の一手(その566);玉の堅さ

2017-09-06 | 今日の一手

20170906今日の一手

7月8日の名南将棋大会から、YさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は48飛、57銀や86角も数えても良さそうで、3枚に近いです。
後手の攻め駒は46銀、41飛や13角も数えても良さそうで、3枚に近いです。

総合すればやや先手が指しやすいか。

☆ 大局観として
違いは玉の堅さだけです。居飛車の銀冠は金銀4枚ならば金銀3枚の穴熊よりも堅いのです。ですから振り飛車穴熊と居飛車銀冠の戦いは居飛車のほうが勝率が良いです。
後手から4筋で大さばきを狙われました。交換に応じますか?


× 実戦は素直に46同銀と応じて、同飛同飛同角

当然のようなのですが、ここでは玉の堅さは逆転しているかもしれません。(穴熊でも73金が中途半端なので同程度かも。)自然に41飛48飛65桂で寄せ合い、と思ったら79角成

が詰めろ飛取りで終わってしまいました。この筋はうっかりすることがあります。88玉の形ならすぐにわかるのですが、98玉でも成立することがあるのです。

これに気が付いて65桂ではなく21飛成でも79角成

は厳しいです。89銀69銀88金同馬同銀78金

と食いつかれたら穴熊の遠さが生きます。

他には89銀

と受けておけばまだ持つのですが、66歩同金37角成くらいで少し悪いです。

もっと戻って飛を打つ前に65桂

と跳ねて、72金引53桂成62歩41飛

と進めば先手よしですが

65桂には69飛

89銀72金引53桂成66歩

桂を跳ねると銀冠が薄くなるので堅さ負けしています。


○ 前の変化は苦しいので66銀とかわすほうが良いです。(角筋を避ける、66歩のたたきを消す、ので68銀よりも66銀のほうが良い)

これなら玉の堅さが上回っています。47銀成28飛35角65桂72金24歩同歩

これくらいまでは進みそうで、先手に選択肢があります。
36歩46角27飛

で成銀取り。19角成に24飛は先手が指せるでしょう。

他には44歩とか


68角とか。

角交換になると63歩成同金52角という筋が残ります。


△ 後手からすぐに57銀成とはできないので、65桂

も考えられます。47歩73桂成57銀成

と激しく斬り合えば、82成桂同金28飛67成銀同金

というのは形勢不明です。先手が良いようにも思えますが。

また、47歩に58飛

として、57銀成同飛同角成同金72金引53桂成

というのも良い勝負です。
どちらの変化も後手の47歩が邪魔な駒なのです。


× 49飛もありますが

47銀成66銀48成銀89飛47飛成

では飛の働きに差があるのでやや後手よしです。


△か× 24歩は入るかどうか。

24同角66銀47銀成28飛

と進めば角が質駒ですし、65桂~53桂成が残る、というのが突き捨ての意味です。

でも手抜いて47銀成28飛57成銀

57同金49飛成というのが思わしくないです。


☆ まとめ
駒をぶつけられたら、一番激しい順を先に考えて、駒損でないならやってしまえ、と考えがちなのですが、応じないほうが良い場合もあります。
この時に関係するのは(駒の損得が無いとして)玉の堅さです。私は3枚穴熊と3枚銀冠なら同等だと思っているのですが、振り飛車穴熊居飛車銀冠の場合は右銀が守りについているなら銀冠のほうが金銀4枚で堅いのです。
振り飛車で4枚穴熊や4枚美濃や4枚銀冠になることは少なくて、居飛車は4枚穴熊や4枚美濃や4枚銀冠になることが多いです。25歩を突いているので攻勢を取りやすい、と言われるほかに堅さに関する優劣がある場合も多いので、居飛車の持久戦は好まれるのでしょうね。