名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(177); 中飛車に持久戦

2016-06-06 | 大山将棋研究
昭和49年8月、内藤国雄先生と第24期棋聖戦第4局です。


内藤先生が中飛車を選択し

角で5筋の歩を交換

手順に角を引いて54銀の形を作って、作戦勝ちです。

大山先生は5筋が薄くなるので玉頭位取りにはできません。つまりここまでは内藤先生がよいのです。

でも44歩と止めたらだめです。角筋は通したまま高美濃にすべきです。居飛車から24歩同歩65歩はどうにでも対応できます。

この歩を突くのが大山先生の好みなのですが、この場合は58の金を右に使う含みもあるのでわかりやすいでしょうか。

4筋を交換されてもおとなしく謝って

3筋の歩を交換すればいいでしょう。

右桂を使うのが大山先生の好きな手です。これで45桂があるので4筋の歩交換は逆用できました。

そして後手の歩がない5筋に回る。ここまでの手順がうますぎます。これでやや有利です。

この歩を突くのは角を使う自然な手です。65同歩には66歩のつもりだったか、44歩同銀45歩のつもりだったか、あるいは54歩から決戦か、どれもありそうですが66歩でしょうか。

内藤先生は65歩を取れず桂馬をさばきますが、これは大山先生としては歓迎です。

銀を立って拠点が大きく有利。

さらに進んで厚みが違いすぎます。

あとはどう寄せるかだけなのですが、継歩から素朴な王手。

金を取れば詰めろですから74の桂を取る暇がありません。

73歩が無くなれば銀をぶつけに行くだけ。

歩を垂らしてやりたい放題。笑いが止まりません。

銀を放り込んで

角を切って詰みがあります。

内藤先生の44歩以降は見るところがありません。カド番で堅くなっていたのでしょう、安全にと思っても悪くなるだけでした。大山先生の快勝譜です。楽しく棋譜並べができますね。
これで棋聖を奪取して2冠です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:内藤国雄棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4二銀(31)
5 6八銀(79)
6 5四歩(53)
7 6七銀(68)
8 5三銀(42)
9 5六歩(57)
10 5二飛(82)
11 4八銀(39)
12 5五歩(54)
13 同 歩(56)
14 同 角(22)
15 5七銀(48)
16 3三角(55)
17 5六歩打
18 5四銀(53)
19 6八玉(59)
20 6二玉(51)
21 7八玉(68)
22 7二玉(62)
23 5八金(49)
24 8二玉(72)
25 9六歩(97)
26 9四歩(93)
27 2六歩(27)
28 7二銀(71)
29 2五歩(26)
30 6四歩(63)
31 6八金(69)
32 4四歩(43)
33 3六歩(37)
34 4二金(41)
35 4六歩(47)
36 5三金(42)
37 3八飛(28)
38 4五歩(44)
39 同 歩(46)
40 同 銀(54)
41 4六歩打
42 5四銀(45)
43 3五歩(36)
44 同 歩(34)
45 同 飛(38)
46 3二飛(52)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 3七桂(29)
50 4四歩打
51 4五歩(46)
52 4三銀(54)
53 5五歩(56)
54 3四歩打
55 3六飛(35)
56 5一角(33)
57 5六飛(36)
58 5二飛(32)
59 6五歩(66)
60 3三桂(21)
61 6六銀(57)
62 4五桂(33)
63 同 桂(37)
64 同 歩(44)
65 6四歩(65)
66 3三角(51)
67 6五銀(66)
68 4四金(53)
69 6六銀(67)
70 5一飛(52)
71 7五歩(76)
72 6二歩打
73 6七金(58)
74 2五歩(24)
75 7四歩(75)
76 同 歩(73)
77 7五歩打
78 同 歩(74)
79 7四桂打
80 7一玉(82)
81 5四歩(55)
82 5二歩打
83 7五銀(66)
84 7三銀(72)
85 6三歩成(64)
86 同 歩(62)
87 6四歩打
88 同 歩(63)
89 同 銀(65)
90 7二金(61)
91 6三歩打
92 6一歩打
93 7三銀成(64)
94 同 桂(81)
95 6二銀打
96 同 歩(61)
97 同 歩成(63)
98 同 金(72)
99 4四角(88)
100 同 角(33)
101 8二金打
102 投了
まで101手で先手の勝ち



コメント
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