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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

将棋の上達法則(25)

2015-05-23 | 将棋上達法則
今日はモデルを想定して将棋の上達方法を考えてみましょう。

あなたは将棋の初心者で、ルールは覚えました。一応実戦は何局かこなしました。さて次は?

まずは詰将棋をやります。3手詰めまではできるようにしておきます。
1・3・5手実戦型詰将棋
こういう本を書店でも、ブックオフでも、図書館でもいいですから手に入れて解きます。

習慣化するコツは、
必ずできることを毎日やる
・・・最初の1週間は1問だけ。次の週は2問だけ。ステップアップします。いつも本を持ち歩いて電車の中でやるといいですね。毎日どの時間でやるのがいいか決めておきましょう。
報酬を設定する
・・・10問できたらコーヒー一杯とか、カレンダーに○をつけるとか。小さいゴールを作ります。
やらざるを得ない状況を作る
・・・家族に宣言する。友人と将棋大会に行く約束をしてそれまでにこれをやると誓う。
記録をつける
・・・日記でもカレンダーでも手帳でもいいです。本に日付と終了日を書いてもいいです。達成感を味わいましょう。

さて、5手詰めくらいならどうにか解けたでしょうか?楽しく1冊を終えられたなら、あなたはパワー(読み)の才能があります。詰将棋は毎日続けましょう。同じ本を繰り返し解いてもいいですし、もっと難しいものをやってもいいです。

次は基本知識を身につけます。
基本定跡や手筋
形勢判断
終盤の速度計算
です。

あなたがまだ得意戦法を何にするか決めていないなら、振り飛車を指すことを勧めます。
四間飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋塾)
四間飛車を指しこなす本〈2〉 (最強将棋塾)
四間飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋塾)
少し古い本ですが、手に入れてみましょう。これが教科書です。
基本定跡や手筋、形勢判断まではこれでカバーできます。一度目は盤駒で局面を並べながら読みましょう。とても良い訓練になります。振り飛車ではこういうところはこう指すものだという感覚を身につけたいので、実際に並べると手が覚えてくれるのです。
内容を覚えるくらいになったらページをめくって確認するだけでもいいでしょう。
一日3ページとか決めて、詰将棋と同じように毎日やります。

振り飛車を勧めるのはいくつか理由があります。
振り飛車は定跡を間違えても、そんなに悪くなりません。あなたは読む力があります。終盤で逆転できる力があるのです。
単純に長い手数を読むだけではなく、少し先の局面を何通りも読む力を身につけたいので、その訓練に適しています。
基本知識があればあとは実戦の中で読むことで強くなれます。

ここまでできれば、実戦です。あなたが学生なら将棋クラブや将棋部はありませんか?会社に将棋部があるかもしれません。地域の同好会を探してみるのもいいですし、都市部なら将棋道場があるでしょう。
相手とのコミュニケーションは楽しいのですが、もしかすると最初は気後れするかもしれません。(たいていは歓迎されますが。)
将棋クラブ24
81道場
こういうインターネットでの対戦でもいいです。
コンピュータソフトとの対戦でも、ちゃんとやれば強くなります。

長くなったので続きはまた明日。

将棋の上達法則(24)

2015-05-22 | 将棋上達法則
さて、将棋に必要な能力の訓練方法について一通り書きました。どれをやりたいですか?

1 パワー 読み
2 スピード 直感
3 テクニック 知識
4 コントロール 形勢判断、大局観
5 スタミナ 集中力
6 メンタル 心理

あなたの能力をそれぞれの項目について自分なりに評価してみましょう。訓練方法を逆に読み取って、

1 読み は詰将棋が解けるかでだいたいわかるでしょう。
2 直感 は早指しが得意かどうかでわかるでしょう。手筋がすぐに見えますか?
3 知識 はあなたの将棋本の量や読んだ時間を考えましょう。
4 形勢判断 できますか?いつもやっていますか?今日の一手を読んで意味が分かりますか?
5 集中力 集中できない要因はありませんか?
6 メンタル 投げやりになって連敗していませんか?負けると熱くなっていませんか?

10段階でそれぞれ評価した後で、どれを伸ばしましょうか。まんべんなく全部6にするよう頑張るのも方法です。どれか一つ7を10に伸ばすのもいいでしょう。

これを書くとおじさんくさいと言われそうですが、巨人の星というアニメ(漫画は読んでいません)を思い出します。星飛雄馬は大リーグボール養成ギブスなんてつけているから身長が伸びなかったのか、貧乏で栄養事情が悪かったのか、ともかく小柄でパワー(というかこの場合は体格)はないのです。球質が軽いと言われ、速いボールですが、打たれるとホームランになります。大リーグボールという何種類かの魔球を考えてテクニックで勝負します。子供のころからボールがおもちゃですからコントロールはすばらしい。魔球は体力を使うのでスタミナはなかったと思います。メンタルは弱いほうが目立ちます。良く驚くし、泣くし、挫折します。
今のプロ野球でもダルビッシュのように体が大きいとボールに力がありますね。それを生かすための訓練をしているのだろうなあと思います。

私からのアドバイスです。
まずは極端に低いものがあれば、それを訓練する方法を試してください。けれどその訓練自体がどうしてもやりたくないのならそれはあなたの脳の特性に反しているのかもしれませんから、ほかの能力でカバーすることを考えます。

性差別の意図ではありません。男女の脳の構造は(全体の傾向として)違います。その中で個人差があって例外も多くあります。一般的には男性は1のパワー(読み)が得意ではないかと思うのです。理系も男性が多いですし、論理的に考える数学を得意にされることも多いでしょう。将棋を始める女性が、詰将棋をやると難しさを感じるのではないかと思うのです。
女性は2 スピード(直感)が優れているのではないかと思います。一昔前に右脳左脳の話がはやりまして、女性はそれをつなぐ脳梁が太いので論理とイメージをつなぐことができる、同時にいくつものことをやりやすい、という話でした。あなたが(女性かどうかわかりませんが)詰将棋が苦手なら、最低限のところ(3手詰めくらいまで)ができれば、無理にやらなくてもいいです。直感を磨きましょう。(逆に女性で詰将棋が得意ならば、かなり将棋が強くなる可能性があります。)
かくいう私がこれでして、数学は得意でしたが、ぱっと解法をひらめいて解くだけですから、数学科に進まなくてよかったと思っています(これは危ないところでした)。詰将棋は解けません。

話がいろいろ飛んでしまいました。明日はどういう訓練方法の組み合わせを行ったらいいかモデルケースで考えてみたいと思います。

将棋の上達法則(23)

2015-05-21 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力 最後は6 メンタル です。精神力と日本語でいうと少しずれる気がします。

ある意味一番重要なのですが、その重要さに気が付かない能力です。欲望と恐怖のことだという話はしましたね。

訓練方法はメンタル要素を意識して対処することです。これしかありません。

欲望の対策は最悪をを考えることです。

苦労してやっと優勢になりました。勝ちが見えました。攻めても守ってもよさそうなときは迷いますね。優勢な理由が、自分の攻めが速いから、なら最悪なことは躊躇して自陣に手を入れたつもりが堅くなっていなくて手駒を減らしただけです。攻撃力が下がり攻めが遅くなると優勢ではなくなりますね。だから攻めます。攻めが切れないように確実な手がいいか、駒を捨ててでも急ぐか、決断してそれだけ考えます。
優勢な理由が、自玉が堅いから、なら自玉の安全が第一です。もっと安全にする手を考えつつ手堅く攻めます。安心して攻め合ったら相手の好手で頓死筋ができたなんて最悪です。
優勢な理由が駒を得したから、ならばもっと得をしようと欲張ると危ないことが多いです。駒得が速度に負けることがあるのです。得した駒を自玉を固めるほうに使って、局面をゆっくり長期戦の方向にもっていきます。

やっと優勢になったと思うとそれまでフル活動していた脳は休もうとして気を抜きます。疑問手や悪手を指しやすくなります。ここが持ち時間を使うところなのです。対局相手から見れば、失敗したと思うところで考えられたら、後悔している時間かもしれません。二重に有効です。

こういう心理は後から振り返りやすいように、棋譜をつけてコメントを残しておきます。メンタルは対局でしか訓練しにくいので記録しておくのです。まだ棋譜が付けられないのでしたら、手帳に対局中の気持ちとその時選んだ指し手を書いておきます。
「優勢になったと思ったら甘い受けの手を指してしまった」とか、「勝ちが見えて手堅くいこうと思ったら悪手だった」とか、詳しく書いたほうがいいです。

恐怖の対策は、自分が恐怖していることを意識することです。
恐怖は気が付きにくいのです。実は心の底では気が付いているのですが、それを認めることはもっと怖いので、気が付かないふりをして自分自身をだまします。なのでとても難しい問題です。

名南将棋大会で3連敗したら、4局目のまえに、今日は調子が悪かっただけ、もう歳だから考えられない、強い人には勝てない、など理由を考えだしませんか?だから負けても仕方ない、そう思ったらその通りのことが起きます。まず4連敗しますね。4連敗したらやる気が起きません。逃げたくなります。毎日解いていた詰将棋も今日は休み。負けた棋譜なんてつけたくないから振り返らない。マイナスの方向に考えが向いていることに気が付いてください。
そう、あなたは自分が感じている恐怖に負けているのです。ほとんどは敵前逃亡です。恐怖なんて認めません。だって今日は○○なだけだから。
まず恐怖しているのだと認めましょう。今どういう状況か考えて、まずは応急処置をしておきます。対局中で、頭に血が上っているのならどうにか落ち着かせます。やる気がなくなっているのならもう一回チャンスはないか考えます。方策がないのなら負けを認めてから次の対局に備えます。
その次はどうしたらいいか自分に聞きます。冷静になってからですよ。敗因分析をして、対策を立てて、訓練するのです。歳をとっても脳は成長します。恐怖から逃げたら戻ってこれません。

注意しておきます。
怒りも恐怖とつながっています。自分の恐怖を隠したいので怒り出すのです。病気などで体力がなくなると怒りっぽくなりますね。自分の弱さを他人にも自分にも見せたくないのです。ほんとに強くて恐怖がなければ怒る必要がないのです。いつもにこにこしていられます。不安を怒りにして周りにぶつけている人がいれば、ああこの人は何かにおびえてわめき散らしているのだなあ、と思うとかわいそうですね。
逆に自己否定してしまって、自分をダメだと思い込んでぼやいても、これも恐怖から逃げているのです。恐怖を感じていることを認めて、自分の弱さを認めて、自分の過去のすべてを肯定的に受け入れられるようになってから、やっと恐怖を克服できるのです。
さらには欲望も恐怖とつながっているのですが、あまり言うとややこしくなるのでやめておきます。

幸い私たち(のほとんど)は将棋のアマチュアで、負けても死にませんし、大金を取られることもありません。だからかえってメンタルの問題は気が付きにくいかもしれません。負けたらメンツというか、自分が相手より弱いことも認めることになる、世間(とは誰ですかね)から弱いのだと思われる。悪手を指すとかっとなったり、顔が紅潮したり、ぼやいて自虐的になったり、相手の態度に怒り出したりする。そんなことありませんか?

将棋なんてただのゲームだから、逃げ出してもかまいません。でも将棋でも対応できないのに、仕事上の事とか、人間関係のトラブルとか、避けられないことに対していつも逃げるわけにいきません。そういうことの訓練と思って、メンタルの部分にもとりくんでみませんか。

こう書いている自分が恥ずかしいくらい私もメンタルは弱いのですが、まずは向き合おうと思っているのです。

対局に負けても心の底から相手に感謝してありがとうございましたといいたいですね。

将棋の上達法則(22)

2015-05-20 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力5番目はスタミナでした。集中力の事です。
3つの面があります。

一つは興味を持つことです。

一時期「集中力」という言葉がもてはやされたことがあって、こうやったら鍛えられるという話題がいろいろありました。話題になったのは、勉強とかの好きでも無いことに取り組む(取り組ませる)ために、「集中力」というものを鍛えれば、嫌いなことだって続けられるという幻想です。そんなことはありません。いやなことはできないのです。
単調に思えるあるいは自分には無理に思えることでいやだなあとおもうことはいっぱいありますが、自分の成長を感じたり、ゲームだと思って楽しみを見つけたり、応用したらすごいことに使えるのではないかと空想したり、考え方を変えれば方法はあるのです。
けれど今は私たちがやりたいのは楽しい将棋ですよね。
最初に目標を設定することを書いたのですが、その目標設定を間違えなければいいことです。あなたが自分の力で成し遂げられる目標を決め、取り組んでいるのです。日々自分が成長しているのを実感すればそれだけで楽しいですし、達成したときの自分の姿をイメージしたらワクワクしますね。楽しくない目標なんて変えてしまいましょう。

二つ目は意識をキープし続けることです。

対局の1時間は集中して考え続けられるように意識します。好きなことならより長く続きます。まだ初心者だったり、子供だったり、知識の蓄積がないと続かないかもしれません。ただ私自身苦手なことなのでいい訓練法がわかりません。最近少し改善している気(だけ)はしますが。いい方法はないでしょうか。コメント待っています。

私はすぐに別なことを考えてしまうので、正直3分も同じことを考えていられません。でもなるべく局面のことに集中して、いろいろ考えたいと思うようになりました。生活の隅々までこの調子ですから、一つの事だけやるように、「ながら」でいろいろやらないように心がけて(は)います。ひらめきの力はあるんですけど、順番に積み重ねて考えるのが苦手です。脳の働きの一部が欠損しているのではないかとも思ったりします。論理的に積み重ねて考えるのは苦手なのですが、論理的に組み立てられたものは大好きです。あっちこっち跳びながら抜けたところはないか考えているのですね。別の角度から考えて、同じことに行きついたらととってもうれしいです。理論的な説明になりますから。

最後は生理的なことです。

ずっと考え続けるのは疲れます。生理的にブドウ糖や酸素が不足してくるのかもしれません。少し疲れると歳のせいだからもうだめだと、悪い意味で自分に言い聞かせてしまいます。(次の6メンタルに関係してきます。)
まずはコンディションを整えましょう。健康管理といわれるとそれだけで飽き飽きする方もいらっしゃるかもしれませんが、楽しい将棋のためではありませんか。調子のいい時にいい将棋を指すと自分に自信が付きます。

私のことでいえば、深酒して(昔はウィスキー1本が空きました)次の日に変な将棋を指して負けることが嫌になって、10年以上前に酒をやめてしまいました。それで酒の飲めない女房をもらいましたから、もう飲みたくもありません。間違ってアルコールの入った食べ物を少しでも食べるとふらふらになります。飲まないので夜の時間を有効に使えるようになりました。

対局中には水分やブドウ糖を補います。けれど消化の悪いものは逆効果です。消化に血流を取られて頭に栄養が回らないので、眠くなったり思考が弱くなったりします。
定期的な運動も必要でしょう。運動が必要だといわれてするのはいやだ、将棋している方が楽しい。それはわかりますが、将棋をもっと面白くしたいから運動だってやってみるのだ、と思うほうがいいですね。心肺を鍛えたら脳にも栄養や酸素がいきわたって、素晴らしい一手が見えるかもしれないではないですか。もったいない。

スタミナが(3つの要素のどれかで)無くなると、早い勝負を選んでしまいます。無理な攻めで自滅することが多くなります。升田先生と大山先生を思い出しましょう。同じような正反対のような才能を持った2人でしたが、対戦成績は大山先生が圧倒しています。升田先生は戦争で体を壊して体力が無くなりました。
短かったけれど升田先生の黄金時代はありました。名人に香車を引いたのです。体力はなかったのですが、コンディションには気を配り、スタミナさらにはメンタルでも自分に負けませんでした。
明日はメンタルについて考えます。

将棋の上達法則(21)

2015-05-19 | 将棋上達法則
少しそれますが、棋譜をつける方法について書いておきます。

テクニック(知識)やコントロール(形勢判断、大局観)を訓練するためには、棋譜をつける習慣を身につけましょう。また、自分がどれだけ強くなったかも振り返ることができます。

単に棋譜をつけろと言っても、すぐにすべての人ができるわけではありません。先崎先生が奨励会級位者のころは帰ってから並べられなかったと聞きます。周りの人に聞いてみると、棋力に比例してできるようになるわけでもありませんでした。記憶力の問題でもないような気はします。

どうしても棋譜並べができない人だったとして、人間は才能が欠如しているとその近くの能力でカバーするものなので、別のすごい才能があるのかもしれませんから、悲観することではないのですが、代替の方法はあります。
名南将棋大会に参加される方でも、手帳に対戦相手や、レーティング点数、先手後手、をつけている方は意外におおいです。だからもう少し膨らませて、戦型や勝因敗因も書いてみたらどうでしょうか。図面用紙に気になる局面を書いておくとより進化しますね。相手に断わって携帯で写真を撮っておくのもいいと思います。
対局しながら棋譜をつけていらっしゃる方がいて、いつも感心します。

棋譜がなぜつけられるのか、つけられないのか、ずっと疑問に思っていたのですが、昨日思い当りました(ひらめきですね)。棋譜並べをすれば棋譜が付けられるようになると。
記憶の才能ではなく、棋譜並べの習慣があるかどうかで決まるのではないでしょうか。
プロの棋譜(新聞とか将棋年鑑とか専門誌とかにあります)を少し考えながら並べて、終わったら最初からできるだけ見ないで並べます。これができるようになれば自分の棋譜はつけられるようになります。一日4局とか指して、全部は難しいかもしれませんが(10年以上やっているので私はほとんどできます)1局はつけられるように、手帳に覚えを書いておいて家で清書すればいいのです。

私の棋譜は2002年からあります。この時にパソコンの将棋ソフト(柿木将棋IV)を買って、これが棋譜をつけるのに便利だったのです。家に帰ってから棋譜をつける時は、時に先手後手を間違ってみたり、変化を間違ってみたりします。手書きの棋譜は修正するのが面倒で嫌になるのですが、ソフトなら(慣れれば)すぐに修正できます。印刷すれば手書きよりきれいです。さらにその時に考えたことをコメントで書いておくことができます。変化を棋譜の中に枝分かれさせることもできます。さらにはソフトに検討させることもできるのです。やりだすとどんどん訓練の効率が上がりそうです。

将棋アンテナ棒銀くん
にまとめがありますが、
Kifu for Windows
が柿木さんのHPから無料でダウンロードできますし、
柿木将棋IX
は1080円です。

将棋ソフトはもちろん大学の後輩の山下君が作った
AI将棋 Version 18 for Windows
を勧めますが、
激指は廉価版が手に入れやすいのでこっちでもいいです。

携帯やスマホで棋譜をつけるアプリもあるようですが、残念ながら私は詳しくありません。方法を検索してみてください。そういえば対局が終わったらスマホやタブレットで棋譜をつけている方もみえました。

将棋の上達法則(19)

2015-05-16 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力の訓練法です。

今日は 3 テクニック(知識) について考えましょう。

テクニックはスピードと関連するということを書きました。知識と直感です。定跡とか手筋とかセオリーとかがテクニック(知識)ですね。これは直感(ひらめきの一種)を言語化したものです。
知識を増やすには、書籍などの言語化したまとまりを暗記するだけでも得られそうですが、実戦で使えないと意味がありませんね。本に書いてあることを記憶(インプット:入力)しただけでは不十分で、それを検索できるようにしておかなくてはいけません。(多くはそのままの形ではなく、近いものを探し出して当てはめます。)検索して出てきたもの(アウトプット:出力)が直感です。

本を読んで定跡を覚える、手筋を覚える。そこから盤駒で並べてみる、実戦で使う。こういう流れです。インプットした知識をアウトプットするわけです。

実戦でやってみたけどうまくいかなかった、定跡本で見て間違った記憶を修正する、新しい変化を書き込む、という方向の訓練も有効です。アウトプットで得られたことを修正してインプットしておきます。

新しいことがわかったら(間違いの記録でもいいです)、定跡本に書き込みましょう。付箋に書いたほうがごちゃごちゃしないかもしれません。(別のノートに書くと、参照しにくいので工夫が必要です。○○本の△△ページに、と書いておいてもいいですが、本を読んだ時にわかるように、直接書き込みか付箋なら読めば1回で参照できるので、少なくとも最初は便利です。)蔵書が増えて、同じ戦法なのに書き込む本が何冊にもなってしまうようになったら、何か別のデータベースを考えたほうがよくて、定跡ノートや棋譜ソフトでのまとめが必要になってくるかもしれません。

手筋だけ書いた本もいろいろあるのですが、どの本のどこに書いてあったかということが検索しにくく、また、書き込むにも実際の局面を書くにはスペースが足りません。なのでこれは今のところいい解決方法がわかりません。データベースがうまく作れればいいのですが。棋譜を記録して良い手筋だと思ったらコメントを書き込んでおくのがいい、としておきます。基本手筋だと何度も出てくるのでもう頭の中の知識というよりは手が覚えているくらいになってしまうので、必要性を感じなくなってしまうのかもしれません。

将棋の上達法則(18)

2015-05-15 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力
2 スピード(直感)
の訓練方法を考えます。

将棋の局面は定跡の先や、定跡を外れ、あるいは定跡を知らなければ、見たことのない局面になります。初心者を脱出すれば、それでも直感でこの手が正しそうだという手がわかるようになりますね。(わかったつもりで外れていることも頻繁ですが。)

直感とはひらめきです。ひらめきの本質は、情報を結び付けることです。目の前の局面と過去の部分的でも似た局面を探して結び付ければひらめきになります。あいまい検索をしているようなものですね。脳の中では一瞬で記憶を検索して一番近いものを探してくるのかもしれません。

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)
なんていう本がはやったこともありますね。思い付きだけではだめで、精度を上げたり、検証したり、という作業が必要なのはもちろんですが、好手をひらめいた時の喜びは格別です。

ただの検索ではなくて、知らない人が見ると全く違うように見える2つあるいは3つのことをうまく結び付けるといいアイデアになります。天才のひらめきだ、といわれますね。

横歩取りと中原囲い、さらに85飛を結び付けると新しい戦法になりました。
振り飛車の序盤に、従来は終盤で考えていた玉頭からの戦いを結び付けて藤井システムに作り上げました。
これらは直感がさらに進化したものです。(直感を言語化すると知識になるという例でもあります。)

直感は 3 テクニック(知識) と関連が深いという話を書きましたが、直感を鍛えるためには、知識量を増やすことが必要です。でもこの部分は分けて考えますね。

直感、ひらめきを鍛えるには、ひらめきを習慣化することです。検索の能力を鍛えるのですから検索してみるのです。これに近いものは何かなかったかと記憶をたどります。

直感を強化するためには短時間で将棋を指すことです。みなさんいつも実践しているかもしれません。でも間違った習慣を積み重ねてはいけません。短時間で指しても、時間をかけて検証します。悪い手を何度も指して記憶に残り、その記憶を検索してまた悪い手を指したら、検索の能力は上がるかもしれませんが、悪い手しか指せませんね。
感想戦を大切にしてください。感想戦で教えてもらえる人に感謝しましょう。

最近はコンピュータソフトが強くなりましたから、将棋ソフト相手にやってみるのもいいでしょう。局後に好手悪手を指摘してくれるソフトを使いましょう。負けると熱くなってもう一番、と後先考えないでただ指してしまうことが多いのですが、これではだめです。(自戒)
最初から並べ直して、コンピュータと感想戦をするのです。盤面をひっくり返して相手の側で考えなおすのもいいですね。

ひらめきは一瞬でのことですが、思いもかけないタイミングでひらめくことがありますね。うんうん唸って考えても駄目なときがあります。対局中に気が付かなくても、帰り道とか、布団に入ってからとか、後から好手に気が付くことが(私は)よくあります。こういう経験を積み重ねるのも有効だと思います。後からでも思いついたらメモしておいて、盤に並べて検証しておきます。ひらめきが来たら、忘れないように記録しておくのです。

いつも同じことをしないで、新しいことをすると、思いもかけない結果が得られ、いい手が発見できることもあります。いつもこう指すのだけれど、違う手はないか、今日はこうやってみたい、と別のルートを検索することもいいですね。
私は定跡書を読んで、こういう手はないの?と考えるのが大好きです。


将棋の上達法則(17)

2015-05-14 | 将棋上達法則
1パワー(読み)の訓練方法 続きです。

中盤の読みは広く浅く読むことです。訓練方法を考えましょう。

昨日触れた必至問題はこの目的に有用です。寄せの手筋200 (最強将棋レクチャーブックス)を挙げておきます。「長い詰みより短い必至」というのは狭く深く読むことが不得意な人のためにあるような気もします。

手数が短くて変化の多い詰将棋ならば広く浅く読むことの訓練になりますね。

棋譜並べなら中盤の手の広いところで止めて、変化を考えます。
自分の指した将棋のほうがよりよいです。こういう指し方があった、ああいうのもあった、というのをしっかり検討します。

このブログで今日の一手を出題していますが、なるべく手の広い局面を選んでいます。お勧めしておきます。

昨日、詰将棋は時間制限をして、解けなければ袋小路に入ったのでやめたほうがいいというように書きましたが、中盤の訓練としては、必至問題、棋譜並べ、次の一手を含めて(考えられるなら)一つの問題を時間をかけて解いてもいいでしょう。同じところを行ったり来たり繰り返し考えるのも、広く浅く考えることの訓練なのです。いやになったらやめましょう。

ボクシングでいえば、狭く深い読みを鍛えるのは破壊力のあるストレートで、広く浅い読みは軽いジャブ。拳を戻す動作に使う筋肉を鍛えすぎると、拳を打ち出す力が弱くなる、という感じです。共通する筋肉もあるのですが、まずはどちらを鍛えるか考えて訓練します。先週のベイビーステップでは強いサーブを打つための筋トレの話がありましたね。筋トレのときには鍛えている筋肉を意識すると効果が上がります。

この訓練は将棋のどの能力を上げるためかを意識するとよいです。強くなった自分もイメージするとやる気が出ます。



将棋の上達法則(16)

2015-05-13 | 将棋上達法則
では、将棋に必要な能力について、訓練方法を考えましょう。

1パワー(読み)です。

終盤の読みと中盤の読みを区別します。例外はあるものの、

終盤は詰むか詰まないか、という直線で読んで結論を出せばいいことです。狭く深く読んで、また別の筋を狭く深く読んで、という繰り返しで成立します。
中盤は相手の手を限定できないことが多いですから、広く浅く読んで、そのいくつかの局面を比較検討することになります。(この話は明日)

終盤の読みを訓練するなら、まず詰将棋ですね。
なるべく枝葉の少ない、手筋でさっと詰ますことができる問題を選びます。紛れが多くて、相手の応手を全部検討しないといけないというものは避けておきます。手の長さはあなたの習熟度で調整すればいいのですが、手数が短いからと言って、実は手が広くてこの目的に合わない問題に注意してください。実戦型で力ずくで詰ます問題があってもいいかもしれません。

詰むか詰まないかを判断するのですから、詰まない問題(詰むかどうかわからない問題)もよさそうです。そんな問題は市販されているわけではないのですが(詰むや詰まざるやというのはありましたね)詰むや詰まざるや―将棋無双・将棋図巧 (東洋文庫 282)
これをやれなんて言いません。難しすぎます。先ほどの程よい問題の持ち駒を変えたり配置を変えたりして、詰む詰まないを考えればいいのです。やってみていいものができれば、これはいい訓練方法だと思えるなら、コピーして修正しておくとか、PCソフトで印刷しておくとかでストックすれば繰り返しが楽です。

必至問題を解くというのは、直線的に狭く深く読もうということから少しずれます。広く浅く読むことを要求されることが多いでしょう。(前にも書きましたが、私はこの直線的に狭く深く読もうというのが特に苦手で、詰将棋は解けないのですぐに飽きるのですが、必至は少しやる気が出ます。)

より実戦を意識して、上下をひっくり返して受け手の方から見て解くのもいいですね。自玉の詰みを読めるようになります。時間をおいて逆から解いてもいいですし、最初に受け手側から見て解いたら、元に戻して攻め手側から確認するのでもいいでしょう。


将棋の実戦は時間制限があります。すぐに解けないものはさっとあきらめて次の問題にかかるほうがよいような気がします。性格によるのでしょうが、解けないものをうんうん唸って考えるのは疲れます。詰将棋を楽しむというなら別なのですが。

詰将棋を解くのに、やさしい順から言えば、盤駒を使って考える、問題をにらんで考える、問題を記憶して頭の中だけで考える、という順番です。いまは直線の読みを鍛えるのが課題ですから、盤駒は使いません。(問題を選択するところで調整してください。)時々でも問題を記憶してやってみてください。

棋譜並べをしていても、これは詰みそうだなと思ったら詰ましてみる、自玉の詰みも確認する、ということを心がけるといいでしょう。実戦に近い訓練になりますね。

私は詰将棋が解けないので、棋譜を読んで頭の中で並べたら、直線の読みを鍛えることにならないかとやっています。(そのあとで面白いものは実際に並べます。)いやなことは続けられませんから、詰将棋はなかなか習慣になりません。



将棋の上達法則(15)

2015-05-12 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力について、訓練方法を考えましょう。



それぞれの能力について、訓練方法の例を挙げていきますが、あなたが思いついたり、改良したりした方法があればベターです。それはあなたが行うことですから、あなたが考えて始めたことは持続しやすいのです。

それぞれの能力について、イメージしてみましょう。どんな時に発揮される能力ですか。

どうやったらそれに近い状況になりますか?

なるべく再現しやすい方法で訓練してみましょう。

それはしっくりした感じが残りますか? 楽しいですか? 充実していますか?

「どうやったらもっとうまくできるだろう」と自分にたずねてみてください。改善するのです。


私もこれに従って訓練方法を想像してみます。あなたがさらに工夫できるように。

もったいつけないですぐに書けよ、なんて言わないでください。押し付けられたらつまらないでしょう。ちょっとやってうまくできなかったり飽きてしまったりしたら、あいつがつまらないことを言ったのさ、とやらないための言い訳にしてしまいます。あなたの状況に合わせた最善の訓練方法はどんどん変わっていくのです。それはあなたが上達していった証拠かもしれません。

でも始めることです。継続することです。そしたらもっといい方法が見つかります。難易度や練習量だって最適な質や量は変化するのです。