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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

将棋の上達法則(35)

2015-06-04 | 将棋上達法則
さて、実戦をして、棋譜をつけて、あなたの次の課題は何でしょう。これは自分に聞くのです。

どうやったらもっと強くなれるだろう?

知らない定跡に持ち込まれるとどうしたらいいかわからなくて困った。というなら、対策となる新しい定跡本を探して並べてみます。今はいろいろな定跡を書いた書籍があります。しっくりくる戦法なら使ってみます。めったにそう指されることはない戦法だとわかったら、概略だけ読んでおけばいいのかもしれません。

定跡の知識が増えていけば、序盤の数手からこのパターンはこういう戦法をする、という戦略が立てられるようになります。自分だけこの定跡に詳しくて、すくなくとも中盤までは有利に進められる、そういうものをいくつか持っていれば心理的にも優位に立てますね。


定跡まではいいけれど、そのあとがわからない、いいはずなのに負ける。というのが課題なら、棋譜並べをしましょう。米長の将棋も覚えたら、ほかのテキストを手に入れます。将棋世界や週刊将棋あるいはネット中継や新聞の将棋欄なら、最新の棋譜が手に入ります。最新ならいいというわけでもなくて、流行がありますから、少し古いもののほうがあなたの目的にはピッタリかもしれません。将棋年鑑なら少し古いものが古本屋で手に入るかもしれません。書籍になった実戦集もあります。気に入った棋士のものが出ているといいのですが。
棋譜を覚えるまで並べてみます。この局面はこういう手がいい、というのが思い浮かぶようになります。正しい手が1手わかるなら読まなくてもいいのです。

指したい手が正しいかどうか判断するために、手の読める人なら先の展開を考えます。手は読めなくても情報検索の得意なあなたは正しそうな手が自然にわかります。知識が蓄積されていけばどんどん強くなります。正しい手をインプットするために棋譜並べをするのです。
そして形勢判断が正しくできるようになれば間違いが少なくなります。




将棋の上達法則、連載が長くなりました。明日はとっておきの訓練方法を書いてひとまず終わりにしますね。



将棋の上達法則(34)

2015-06-03 | 将棋上達法則
さて、実戦です。
注意しておきます。対局中に読める人は読んだだけ強くなるのですが、あなたは実戦だけでは強くなりません。対局前と対局後に強くなるのです。
対局前には知識をインプット(入力)してきました。定跡の勉強と棋譜をなぞる練習です。
対局中は知識をアウトプット(出力)するのですが、それをチェックしなくてはなりません。

棋譜をつけましょう。あなたが指した将棋を思い出して記録するのです。
棋譜ノートを購入してもいいです。道場でも売っているでしょう。
前にも書きましたが、棋譜ソフトが便利です。スマホやタブレットの対局ソフトでも代用できます。あなたは覚えるまで棋譜並べができたのです。自分の棋譜もつけられます。相手の名前や先手後手(案外間違う)はメモしておきましょう。

チェックするのは、
あなたは定跡通り指せましたか?
相手は定跡から外れましたか?
定跡を外されたときに対応できましたか?

この3点です。勝敗は気にしなくていいです。負けると悔しいいいいい、と思うときはもっと弱い人と指しましょう。負けても強くなればいいのです。負けたほうが得られるものが多いのですよ。

これまでに教科書とした本に書いてあった内容なら、その個所を読み返して反省します。全く知らない形にされたのなら仕方ないです。インターネットや大きな本屋でさっと調べてみます。それでもわからない形なら無視していいです。もしかすると新しい定跡本が必要かもしれませんが、欲張らないでゆっくり行きましょう。

形勢判断の方法を身につけましょう。定跡本にも書いてはあるのですが、このブログの「今日の一手」でも毎日解説しています。

駒の損得(終盤になると重要度が下がる)
玉の堅さの比較
攻め駒の枚数(4枚あるかどうか)
この3つを考えて、攻撃力と守備力の比較をするのです。


あなたの指した将棋を並べかえして、形勢がどこで差が付いたのかあるいは逆転したのか振り返ります。最初は駒の損得が多いと思いますが(間違えて駒をとられた)、終盤で駒を取りに行って詰まされたというのは玉の堅さが弱くなったからです。詰将棋は勉強していないのですから、自玉がすぐに詰まないようにだけ気を付けておきます。

対局中にわからなくても、並べ直したら気が付くということが多いでしょう。気が付いたことはコメントを残しておきます。定跡を間違えたのなら本への書き込みも。こういう作業を積み重ねて強くなるのです。


将棋の上達法則(33)

2015-06-02 | 将棋上達法則
矢倉が終わったら、振り飛車対策に移ります。
いろいろな指し方がありますが、急戦で定跡を覚えて優勢な状態で終盤に入るのを目的にします。
最初は棒銀を勧めます。教科書は前にもあげましたが
四間飛車破り【急戦編】 (最強将棋21)
これです。

ツノ銀中飛車にも棒銀でいいのですが、
徹底棒銀 (急戦!振り飛車破り)
古本屋で見つけたら買ってみてください。要点は、35歩と突く前に37銀から38飛または48飛と備えるということです。

三間飛車に棒銀は率が悪いのですが、最初は気にしなくてもいいです。初段が見えてからでかまいません。先手後手も気にしないで、後手番でも棒銀で仕掛けましょう。

教科書の手順を並べて、居飛車がよいと書いてあるところから一人で指してみます。美濃囲いは堅くて攻め方がわからない、というときは、
米長の将棋〈1〉居飛車対振飛車(上) (MYCOM将棋文庫DX)
米長の将棋〈2〉居飛車対振飛車〈下〉 (MYCOM将棋文庫DX)
です。今度は2冊ありますが、急戦で攻めた(攻められた)将棋だけ先に繰り返し並べて覚えてしまいましょう。
この本を読んでみると、いろいろな戦法があるものだとわかります。でも今は手を広げないで、寄せ方の勉強として使います。

ここまでできたら実戦に移ります。

将棋の上達法則(32)

2015-05-31 | 将棋上達法則
さて、教科書とした定跡書を並べるのは楽しくなりましたか?ただ読むより並べるほうがわかりやすいし、面白味があります。欲張らないで毎日少しだけでいいです。変化一つ並べたらその先を自分で指して詰むまでやったら1日分です。

この調子でやるとして、200ページの定跡書、おおきな変化は100くらい、3か月かかります。ゆっくり取り組みましょう。面白すぎてもっとやりたいと思えば1日2局、3局とやってもいいです。
1冊やり切ったら達成感がありますね。
先手矢倉の選択肢で、37銀(加藤流)、46銀37桂、森下システム、と大まかには3つあります。これではないマイナーな形もいくつかあります。でも全部やらなくてもいいです。先手だから1つだけしかやらない権利があります。
反対に後手番ならその主流の3つの戦法に対して、自分の対策は3つだけ用意しておけばことたります。ここでは後手番は矢倉急戦を勧めます。矢倉後手番急戦の定跡書のなかで、気に入った戦法1つ(場合によって2つ)だけでいいのです。ほかの後手番矢倉での対策は必要なくなります。

定跡書の変化を全部暗記しようと思わなくていいです。やはり実戦の中で経験して身に付くということがあるのです。何度か指してみて覚えればいいや、くらいの気持ちで、楽しくやりましょう。

教科書を1冊やり終えるようになったら、少し別の訓練もやってみましょう。
米長の将棋〈3〉矢倉戦法 (MYCOM将棋文庫DX)
この米長の将棋という本は、シリーズであります。昔は単行本ハードカバーで、文庫にもなりましたし、完全版というのもあります。まあ文庫を1冊だけ買ってみましょう。中盤を中心にしっかり解説されていて、読むのも楽しいです。これを並べながら読みましょう。本の最後には、投了までの棋譜が載っています。最後まで並べてみましょう。
自分一人で定跡本の後を並べてもこんな指し方は思いつきません。びっくりする手がいっぱい出てきます。終盤のところは、手の意味なんて分からなくてもいいです。覚えるまで並べてみましょう。覚えるまで、というのは、並べた翌日に本を見なくてもう一回並べられるまで、です。5,6回(ということは5,6日)並べて覚えられれば上出来です。(どれくらい個人差があるのかはわかりません。)

矢倉の教科書やり終えたら米長の将棋に切り替えて、1日1局並べます。覚えるまでは前の日と同じものを並べます。30局くらいあるので、また何か月か楽しめそうですね。
棋譜並べで終盤が強くなります。手が読めなくてもいいです。こういう時はこういう手筋、というのが思い浮かぶようになります。長手数で詰ますなんて読まないとできないのですが、こうやって詰むのか、と感心して並べるだけでどうにかなるものです。詰みそうな手順というのがわかってきます。

これで先手矢倉攻略です。

将棋の上達法則(31)

2015-05-29 | 将棋上達法則
元に戻って、矢倉の定跡本をもとに、なぞって並べつつ、これで先手優勢とか書いてある局面から自分だけで指し継いで見る、という訓練をする話でした。

どの戦法を選ぶかはあなたの自由にしてよいのですが、自分から攻められることを基準に選んでください。なので居飛車のほうがいいです。(攻める振り飛車の定跡というのもあるのですが。)持久戦よりは急戦のほうがいいです。先手番ならどうする、後手番ならどうする、飛車を振られたらどうする、と序盤の分岐があるので、戦法の選択の組み合わせも考えます。

すべての戦法を研究する必要はありません。また、最新の戦法よりは、少し古い戦法のほうがやりやすいです。明らかな欠陥があって指されなくなる戦法もあるのですが、そうでなければ時代の流行というだけです。いつか流行は繰り返しますし、少し古いほうが対戦相手も程よく忘れていて、うまく自分が有利な方に誘導できる気がします(笑)。

また、同じ系統の戦法というと誤解を招くかもしれませんが、感覚の共通する戦法を組み合わせたほうが早く上達します。矢倉と横歩取りはまるで感覚が違います。矢倉の中でもしっかり囲ってから攻める定跡、囲う前に攻める定跡、小競り合いがあってから玉を囲ってまた攻め合うとか、受け一方攻め一方になるとか、攻め合いの定跡とかみんな違うので、知識が増えてきたら組み合わせを考えましょう。こういう戦略を練るのも将棋の楽しさです。

時々B級戦法とか必殺戦法とか、変わった戦法の定跡本が出てきます。これをやるのも楽しいのですが、はずれも多いです。やってみたけど使えないとがっかりします。それを含めて楽しむのならいいのですが、最初はやめておきましょう。必勝戦法は存在しないのです。

こういうことを考えて教科書となる定跡本を決めたら、その通り盤駒で並べてください。その途中でほかの手が浮かんだら(自分と)やってみます。これはいけそうと思ったら本にメモしておきましょう。大きめのポストイットを使うといいです。解説の終わっているところから自分と指してみて、よくわからないとか、確かに先手がよくなったとか、結論が間違っているのではないかとか、そういうことも書き込みます。

知識が増えるにしたがって、いろいろなことがひらめきませんか?このページとあのページは同じ手筋だとか、少し違うだけで結論が変わるのだとか、そういう気づきがあるでしょう。先にこの手をやってから本手順にはいればよりよくなるなあとか、別の教科書を引っ張り出したり、あっちこっち跳びながら考える、それがあなたの能力です。最初に頭の中にデータベースを作らないとこの能力は発揮されません。データベースから必要な知識を検索し、さらにはそれを結び付けて新しいものを作ります。頭の中だけだと忘れてしまいますから、教科書となる定跡本も同じ使い方をして訓練し、ひらめきを記録していきます。

将棋の上達法則(30)

2015-05-28 | 将棋上達法則
昨日の記事を見て、詰将棋が解ける解けないで全然訓練方法が違うのだなあと理解していただけたでしょうか。
いい加減にいえば、人間の半分は詰将棋が得意で、半分は不得意。将棋がひとりでに強くなるのは詰将棋が得意な方の人たちで、指導者も当然得意な方に分類される。なのでこの傾向がさらに強化される。そんな想像をしています。男女の脳の働きの違いもあるのかもしれません。もちろんどっちが良い悪いではなくどっちも個性です。

ベテランになると、詰将棋を解く、手を読む、という力は衰えます。でもこれも一般論です。定年過ぎて昔やった将棋を再開しよう、という方などは、その時点で昔より詰将棋ができるなんてことはありませんが、毎日解いてみたら若いころより得意になるということは十分あり得ます。
反対に単なる衰えではなく、長い間違う能力を磨いていたために、読めないように変わっているかもしれません。読めないというより、ひらめきの力が強くなったといいたいのですが。

歳をとった、もう若者には勝てないと言い出すと、本当に勝てなくなります。(私も言ってしまいます。やめましょう。)成長をあきらめなければまだ強くなるのです。自分に言い訳をせわずに、毎日少しずつ訓練しましょう。

さて、回り道をしました。

定跡で矢倉を選ぶのは、局面をリードするためです。相居飛車なら先手が少し指しやすくなるはずです。後手番でも急戦を研究して、少しでもリードしたいのです。対振り飛車には急戦を選びたいです。
相手は自分より先のことを考えられる人です。ですから60手くらい、終盤の入り口までリードしておきたい。少し優勢であれば、自然な手が正解になる確率が高く、そのあとの手も選びやすいのです。
持久戦を選択すると、手数が伸びます。平均すれば自分のほうが最善手を指していない確率が高く、手数が伸びればその回数も増えますね。だから逆転されやすい。穴熊などは終盤の得意な、読む能力の高いひとが指すべき戦法です。(といいつつ、私は駒組みのセンスも楽しみたいので穴熊で無い持久戦もやるのですが。穴熊は苦手です。)

すぐわき道にそれますが、読む能力が衰えてきたら、持久戦を選択しては駄目ですよ。名南将棋大会でも下の方のクラスで穴熊の採用率が高いのが気になります。勝ちたいと思うなら穴熊ではなく序中盤の研究です。
中原先生も米長先生も、晩年になってから序中盤の研究に力を入れたではないですか。(そのために終盤の衰えが早くなったという人もいるので難しいですが。)

余計な事ばかり書いて長くなったのでまた明日。

将棋の上達法則(29)

2015-05-27 | 将棋上達法則
今度は逆のモデルです。

詰将棋がなかなか解けなくて嫌になる人(私のことですかね)、まあ3手詰めくらいはできるほうがいいのですが、嫌なことはやめましょう。
あなたは順番に考えていくというのが苦手なのかもしれません。一つのことに集中するのが苦手かもしれません。でも苦手なことがあっても、ほかの能力でカバーできればいいのです。5手先のことがわからなくても、1手を間違えなければいいのです。そういう訓練をします。

最初にやるのは定跡を覚えることです。3 テクニック(知識)を増やします。ついでに4 コントロール(形勢判断や大局観)も学ぶことができます。
まだ始めたばかりなら初心者用の本を買うのですが、まあこのブログを見ていただいている人ならここは省略します。もう少し難しい定跡本を買います。
あなたが習得するのは居飛車戦法です。

矢倉、特に加藤流と呼ばれる37銀を習得しましょう。46銀37桂の形もいいのですが、流行して定跡が変わりつつありますから後回しです。
こういう「初段」とか書いてある本を図書館や古本屋で見つけましょう。あとからはいらなくなると思います。
初段に勝つ矢倉戦法 (将棋必勝シリーズ)

教科書にできるのはこれ。古い本ですが、アマゾンでも安く買えます。
現代矢倉の基礎知識〈上〉 (将棋の定跡)
習得できたらこっちが読みたくなります。
矢倉の急所〈2〉 (最強将棋21)

居飛車は後手番でどうするかも問題で、
藤森流急戦矢倉 (マイナビ将棋BOOKS)
これも教科書にします。

対振り飛車も考えなくてはなりませんね。
四間飛車破り【急戦編】 (最強将棋21)
四間飛車だけではないし、角交換する振り飛車がはやっているし、と参考書だけでもいっぱいになるのでとりあえずこれだけ。

居飛車を研究するとやることがいっぱいになります。でも気にしないでください。1冊だけから始めます。どれからでもいいです。
本を読んで、盤駒で並べます。これにて先手よし。とか書いてあるところから、その先は自分で両方の指し手を考えて玉を詰ますまで指してみます。

実戦は後回しです。
あなたはまずは知識を手に入れないといけません。ほかの人とどうしてもやりたい、試したいと思ったら、自分より弱い人を見つけてください。
将棋教室に通おうとかは考えないほうがいいです。先生はあなたの才能に気が付いてくれません。嫌いな詰将棋を宿題にされて、嫌になるだけでしょう。駒落ちを教えられてもあなたにはあまり役に立ちません。
平手で適当にゆるめて互角の局面にしてくれて、最後には負けてくれる先生がいるといいのですが、多分そんな先生はいません。(私に依頼があれば考えますが。)

あなたの相手は本と盤駒だけでいいです。しっかり覚えられたら力試しに弱い人と指してください。弱そうに見えても終盤でやられることがあるので、悔しくてやめたくなるかもしれないのでほどほどに。

将棋の上達法則(28)

2015-05-26 | 将棋上達法則
毎日詰将棋と棋譜並べをやっています。楽しいですか?
少しやり方を工夫してみましょう。

実戦で考えることは大事なのですが、まだ知識が少なく、詰む詰まないでもない局面ではどう考えたらいいかもわからない。だから最初は目につく手を指すのでだいぶ早指しだと思います。30分持ち時間があっても10分かからずに終わっていませんか?才能があるあなたの読みが速いので仕方ないかもしれませんが、それで終わると強くはなりません。
相手の手も考えてみましょう。そのため、詰将棋を上下ひっくり返して受け手側から見て解きます。詰将棋の手数だけではなくて、変化の多い問題を解くのもいいです。必至問題があればやってみましょう。
棋譜並べを一回やったら反対側からもう一回並べてみます。相手の最善手を考える訓練です。
これが苦も無くできるようになれば、実戦で2倍考えることができます。あなたは2倍の速さで強くなるのです。
実戦では自分の指した手に対して、相手が素直に応じてくれるとは限りません。また、相手からみたらこうやられるといやだろうなあ、という手がわかれば、逆転勝ちしやすくなります。



ここから後は、もっと読みの訓練を続けるか、ほかの能力を磨くかはあなたがやりたいと思う方向に進みましょう。試行錯誤も楽しいものです。少し行き詰ったら、どうしたらもっと強くなれるだろうか?と自分にたずねます。

さて、明日は別のモデル、読みが得意ではない人の場合を考えてみます。

将棋の上達法則(27)

2015-05-25 | 将棋上達法則
さて、定跡を覚えて実戦もやってみたのでしたね。
実戦は詰将棋とは違います。相手の指し手によって状況が変わります。なので毎回ああでもないこうでもないと考えるのを楽しめるわけです。その考えるという作業の訓練として毎日詰将棋に取り組んでいるのです。
実戦と詰将棋の落差を埋めるのが棋譜並べです。簡単に言えば、主にプロ棋士が指した将棋をなぞるわけですが、そのデータが必要ですね。
あなたの家で新聞をとっていれば、将棋欄を見れば詳しい解説が付いた棋譜が手に入ります。でも年に50局くらいしかないし、あなたの指す振り飛車対居飛車は10局くらいでしょうか。あれば切り抜いておきます。
専門誌(将棋世界や週刊将棋)にも載っています。
手軽なのは久保振り飛車実戦集を勧めておきます。大山先生の実戦集がバイブルのように言われるのですが、ちょっと高すぎます。
将棋年鑑は毎年発行されていて500局もあります。ただ、価格が高めですし、実は覚えたばかりの(普通の)四間飛車は今は流行っていなくて、局数が少ないのです。だから教科書の定跡書が少し古くてもよい、ということはあるのですが。ですから、古本屋などのぞいて、10年くらい前でいいです、古い将棋年鑑が安ければ1冊買ってみましょう。

教材がそろったら、定跡書を並べていたのと同じように盤駒で並べてみます。最初は四間飛車と居飛車の棋譜だけでいいです。記号を追いながら間違いのないように最後まで並べます。振り飛車が自分の側のほうがいいですね。慣れてくれば反対側から並べられるようになります。一回並べたらもう一回、なるべく本を見ないで並べます。最初は意味が分からなくてもいいです。丸暗記するつもりで。

いろいろな手筋が覚えられます。また、終盤に相手玉を詰ます前にどうやって迫るか、やり方がわかってきます。解説が付いていますね。これを理解するのはまだ難しいかもしれません。ああそうなんだ、くらいでいいです。悪い手だと書いてあればなぜか考えてみます。好手と書いてあれば何回かその手を指してみましょう。

一日一局、並べてみましょう。次の日になって忘れていたらもう一回前の日の分を並べ直します。多分最初は面倒です。でも毎日少しでもやるようになれば、いつの間にか強くなっています。

ついでに。毎日詰将棋と棋譜並べをやります。少しでも。やったらカレンダーか手帳か日記に丸を付けましょう。何回も見直すものがいいですね。丸が増えればここまでやったんだなあとおもいます。
誰かに勝った時ではなく自分が定めたものを達成できた時に満足できる
イチロー選手の言葉です。

将棋の上達法則(26)

2015-05-24 | 将棋上達法則
さて、詰将棋や定跡を覚えてからの実戦はどうだったでしょうか。前より強くなったと思えたら大成功です。

何局かやれば、あれ?何か違うなあと思うことがあるでしょう。

1 相手が振り飛車をやってきた。
2 いきなり角交換された。
3 定跡通り進めたはずだが知らない局面になった。
4 詰みだと思ったら逃げられた。

1 のときどう対応しましたか?覚えた定跡の逆をもって、あなたが居飛車側で進められたなら構いません。居飛車を持っても指せるように本を見直しておきます。
相手の陣形なんて気にしないで両方とも振り飛車になったら、これは相振り飛車と言う形です。指し方はあまりにも多く、教科書にしていた藤井先生も
相振り飛車を指しこなす本〈1〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈2〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋21)
相振り飛車を指しこなす本〈4〉 (最強将棋21)
と4冊も出しています。教科書を増やしてもいいのですが、1冊だけなら4間飛車で対応する
これからの相振り飛車 (マイナビ将棋BOOKS)
を勧めておきます。
あなたは自分で考える力を持っています。定跡をあまり気にしないで、実戦的な訓練時間を増やしましょう。

2 は見たこともない形になって困ったかもしれません。角を交換してきて歩を取られて、筋違い角というやつです。ほかにも定跡書ではみないような戦法に出会うかもしれませんが、あまり気にしないでその時に考えましょう。終わってからネットで調べてもいいし、強い人に聞いてみてもいいです。その相手に、初めて見たのですが、なんという戦法ですか?と聞けば、名前くらいは教えてくれるでしょう。

3 は先手後手の違いか、あなたか相手が間違えたか、わかっていて変化されたのかもしれません。こういうことは覚えておいて(すぐにメモしておきます)、教科書に書いておきます。何回も書き込めばあなただけの定跡書、教科書になるのです。

4 は詰将棋を中心にやっていたから王手ばかり考えてしまうためですが、これは次の訓練で対応します。棋譜並べというやつです。

詰将棋は毎日やりましょう。1問だけでも習慣にします。もっと難しい本を探すのもいいです。
並行してやっていた、4間飛車の定跡書、教科書を覚えたら、棋譜並べに移りますよ。あなたは考える力があるのですから、実戦に近い訓練をすれば強くなります。