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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20211129

2021-11-29 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

私には見えない両取りの手です。

A 37桂成  B 19竜  C 48銀

 

第2問

 

しっかり守られて攻めにくそうですが、この手が見えていれば。

A 59銀不成  B 59銀成  C 36歩

 

 

 


大山将棋研究(2186);四間飛車に玉頭位取り

2021-11-29 | 大山将棋研究

今日の棋譜20211129

昭和37年10月、花村元司先生と第12回NHK杯です。

大山先生の四間飛車、普通の振り飛車は春の名人戦以来です。早指しなので無難なものを選んだのでしょう。

54歩が早いのは中央位取りを阻止するためですが、

玉頭位取りのほうは避けませんでした。74歩も突くのは少し怖かったのでしょう。

石田流を目指します。

花村先生の46歩は42角に45歩を用意したけん制です。

しばらく様子を見ていましたが、66歩を突いたところで大山先生は42角、

65歩に36歩同歩同飛、

35に引いたのですが、34飛のほうが無難でした。

対して花村先生の47金は指したくない気がするのですが。33桂24歩25飛、飛交換しかなくて

でも飛を先着できるからというか、後手陣の角銀の配置が悪くて先手有利かもしれません。

51角64歩同金までは良いのですが、23飛成というのが変な手でした。単に12飛成か23歩成くらいだったでしょう。

52銀12竜49飛、23歩を取ったばかりに後手に52銀の有効手を与えています。両取りで飛を打ち込まれて

48金29飛成65歩63金45歩。この45歩も違和感がありますね。44角には86桂を気にしたのでしょうが、64香を打って互角ではなかったでしょうか。

67歩を同玉と取った?銀か金で取りそうなところです。

89竜44歩42歩、駒損で後手玉も堅いですから、後手有利になっています。

仕方ないので入玉を意識した粘りで、

45桂に銀を逃げなかったのもその一環かと思ったのですが。

57桂成に同金右なんですよね。危なくても57同玉かと思いましたが。これだと入玉までは遠く見えます。大山先生は桂を成り捨てて

37同竜45桂46竜57桂成、桂2枚で金を削るのでは損な取引でしたが、元が駒得なのでこれでも良いのか。

57同竜に49竜と寄って

金を打ち

47竜の王手。玉を逃げると56金なので

57香に48銀と数を足します。69桂には59銀成~69成銀で2つ57への利きを外すことができます。

花村先生はあっさり46竜同竜95歩、もう駒損がひどいから、形つくりのような端攻めです。

27飛に69桂

69銀成に66角、粘ってはいるけれど、

69成銀同金54桂、角は逃げられません。

それでも銀金を打って粘り、

端だけが楽しみというか、形つくりというか。

角を取られて大駒4枚を失いました。やっと王手をかけて

手を戻します。

大山先生は急ぐと危ないので角を打ち込み

二枚竜を見せ

桂香を打たせてから角を成っておきます。

やっと竜を切り

二枚替えにして85馬の王手。

76桂を取っての王手で、詰みではないですがここまで。

 

先手の陣形も万全ではなかったですが、角銀が浮いている状態で飛交換を迫るのでは大山先生の指しすぎでした。でも花村先生が冴えないのですよね。自然な手を好まない先生ですが、有利になっても奇をてらい過ぎでは。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/13
手合割:平手  
先手:花村元司8段
後手:大山名人
手数----指手--
   1 2六歩(27)  
   2 3四歩(33)  
   3 7六歩(77)  
   4 4四歩(43)  
   5 4八銀(39)  
   6 3二銀(31)  
   7 5八金(49)  
   8 4二飛(82)  
   9 6八玉(59)  
  10 6二玉(51)  
  11 7八玉(68)  
  12 7二玉(62)  
  13 6八銀(79)  
  14 8二玉(72)  
  15 5六歩(57)  
  16 7二銀(71)  
  17 9六歩(97)  
  18 9四歩(93)  
  19 5七銀(48)  
  20 5四歩(53)  
  21 7七銀(68)  
  22 4三銀(32)  
  23 7五歩(76)  
  24 5二金(41)  
  25 7六銀(77)  
  26 6四歩(63)  
  27 6八金(69)  
  28 6三金(52)  
  29 8六歩(87)  
  30 3五歩(34)  
  31 2五歩(26)  
  32 3三角(22)  
  33 8五歩(86)  
  34 3二飛(42)  
  35 4六歩(47)  
  36 1四歩(13)  
  37 7七角(88)  
  38 1二香(11)  
  39 6六歩(67)  
  40 4二角(33)  
  41 6五歩(66)  
  42 3六歩(35)  
  43 同 歩(37)  
  44 同 飛(32)  
  45 3七歩打    
  46 3五飛(36)  
  47 4七金(58)  
  48 3三桂(21)  
  49 2四歩(25)  
  50 2五飛(35)  
  51 同 飛(28)  
  52 同 桂(33)  
  53 2二飛打    
  54 5一角(42)  
  55 6四歩(65)  
  56 同 金(63)  
  57 2三飛成(22)
  58 5二銀(43)  
  59 1二龍(23)  
  60 4九飛打    
  61 4八金(47)  
  62 2九飛成(49)
  63 6五歩打    
  64 6三金(64)  
  65 4五歩(46)  
  66 6七歩打    
  67 同 玉(78)  
  68 8九龍(29)  
  69 4四歩(45)  
  70 4二歩打    
  71 1四龍(12)  
  72 2九龍(89)  
  73 2三歩成(24)
  74 4五桂打    
  75 3四龍(14)  
  76 5七桂成(45)
  77 同 金(48)  
  78 3七桂成(25)
  79 同 龍(34)  
  80 4五桂打    
  81 4六龍(37)  
  82 5七桂成(45)
  83 同 龍(46)  
  84 4九龍(29)  
  85 3二と(23)  
  86 4六金打    
  87 6六龍(57)  
  88 5五歩(54)  
  89 同 龍(66)  
  90 4七龍(49)  
  91 5七香打    
  92 4八銀打    
  93 4六龍(55)  
  94 同 龍(47)  
  95 9五歩(96)  
  96 2七飛打    
  97 6九桂打    
  98 5九銀成(48)
  99 6六角(77)  
 100 6九成銀(59)
 101 同 金(68)  
 102 5四桂打    
 103 5五銀打    
 104 4九龍(46)  
 105 5九金打    
 106 1九龍(49)  
 107 6四歩(65)  
 108 5三金(63)  
 109 9四歩(95)  
 110 6六桂(54)  
 111 9三歩成(94)
 112 同 香(91)  
 113 同 香成(99)
 114 同 玉(82)  
 115 6六銀(55)  
 116 6五歩打    
 117 同 銀(76)  
 118 8七角打    
 119 7八桂打    
 120 2九飛成(27)
 121 9四歩打    
 122 8二玉(93)  
 123 4九香打    
 124 9六角成(87)
 125 5五歩(56)  
 126 5六歩打    
 127 同 銀(65)  
 128 4九龍(29)  
 129 同 金(59)  
 130 同 龍(19)  
 131 6八金(69)  
 132 8五馬(96)  
 133 7六桂打    
 134 同 馬(85)  
 135 同 玉(67)  
 136 8四桂打    
 137 投了        
まで136手で後手の勝ち


大山将棋問題集20211128

2021-11-28 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

この筋に目を付けました。

A 73銀  B 75歩  C 84歩

 

第2問

 

先手の攻め筋は厳しいですが、反撃を考えて指します。

A 74歩  B 55歩  C 75角

 

第3問

 

さらに圧力をかけられました。

A 42玉  B 64歩  C 75角

 

第4問

 

寄せ合い勝ちになっています。

A 56角  B 46角  C 37歩


大山将棋研究(2185);横歩取り(塚田正夫)

2021-11-28 | 大山将棋研究

今日の棋譜20211128

昭和37年10月、塚田正夫先生と第1期棋聖戦です。棋聖戦は十段戦と同じ年に始まったのか。豆知識です。

塚田先生の先手で76歩34歩96歩。これは3回目でしたか、これはどちらが飛を振るかではなくて

相居飛車にするのが目的です。大山先生は44歩を突かなかったので

横歩取りです。これを研究していたのだろうと推測していました。(手番を譲って)後手番で横歩を取らたとして、96歩(14歩)を突いてあるのがどれだけ得かという比較です。振り飛車の増えていた大山先生に横歩を取らせたので良い作戦のようにも思いますが、大山先生は相振り飛車よりは横歩取りのほうを多く指しているのではないでしょうか。さて何か先手が96歩を生かせる変化が出てくれば良いのですが。

塚田先生も横歩を取ります。

33銀に84飛とできる(95角の王手飛車がない)というのが主張でした。

大山先生の飛も2筋へ。

82歩を打ってから83歩を突くので1手損しているのですが、ここで77銀15歩と進んだら飛の位置の違いだけですね。手の損得はないです。ならば塚田先生は先手の得を生かしたとは言えなさそうですが、もちろん形勢は互角です。

横歩取りは相振り飛車のようになっていますが、どちらも壁銀を作るという感覚が(この戦型を指さない私にとって)理解しにくいところです。まあ端攻めもあるので仕方ないのでしょうけれど。

銀と飛の位置で違いが出てきます。

塚田先生の下段飛車は守勢ですが、攻勢の大山先生は銀を立って、36歩や46歩を突かせないと主張します。

49飛に44飛

塚田先生が壁銀を解消したら、大山先生は75歩で桂頭をねらいます。

36歩74飛、76歩を防ぐには

65角が仕方なかったでしょうか。少し塚田先生が損をしています。24飛に

46歩54銀47角、角はこのラインに置いておけば84歩同歩94歩同歩92歩の攻め筋があります。

55銀に65角と戻るのでは何をやっているのかよくわかりません。

角は左に引きます。遊んでいるわけではないけれど、65歩のねらいだけでは弱いのではないかな。

大山先生は76歩同銀74銀、64銀を助けて7筋方面での反撃をねらいます。

45歩54歩96角、この銀取りは受けにくいから

75銀直くらい。65歩のカウンターをもらいます。

銀を取り合ってどうかですが、とりあえず74歩の「大駒は近づけて受けよ」の手筋です。74同角とされたら、63歩成同金41銀の筋は受けにくいので、受けずに75角なのでしょうか。74同角75角63歩成同金41銀62玉63角成同玉32銀不成57銀、では後手勝ちか。何か57を受ければ64角として十分だと。

ということで69飛でも75角。何か受ければ64角は同じことです。

74角に45桂、63歩成の受けはないから攻め合いです。

63歩成42玉66歩。先手の飛先が止まったのは痛いかな。後手有利でしょう。

55歩(角取り)に44歩

56歩同角57銀、47玉は77銀不成で詰めろですね。後手勝勢になったか。

49玉37歩、金は逃げづらいです。37同桂同桂成同金には66角か66銀成かで後手優勢でしょう。

45角38歩成同玉、駒得で悪いはずはないですが、先手玉は広くなりました。

44飛53銀、これは取るのでしょうが、

53同角同と を同玉としたので35角のピン。これは大山先生が失敗したのでは?形勢はわからなくなりました。

46銀打56桂

35銀不成44桂同銀72角成と進んで、大山先生は飛銀交換の駒損です。逆転したかもしれません。

42玉の早逃げは良いとして、塚田先生の54馬ってぬるい感じがします。76銀を取るねらいでもないでしょう。馬を移動するならば63のほうが厳しそうなのに。大山先生は45桂を打って(46角を打つ)2手すきでしょうか。57銀にひもを付けた攻防の意味もあるかもしれません。

82飛52歩81飛成37歩、28玉には47角とか46角とか。これは痛いですね。塚田先生はどこかで64馬を利かせなければいけなかったようです。

37同桂同桂成同玉45桂、この桂を取ってもだめなので玉を逃げるのですが、

詰めろがかかり、ほとんど必至です。ここまで。

 

終盤が難しいのですが、大山先生のほうが押しています。だけど塚田先生にもチャンスはあったのですが、生かしきれなかったです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/11
手合割:平手  
先手:塚田正夫9段
後手:大山名人
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 3四歩(33)  
   3 9六歩(97)  
   4 8四歩(83)  
   5 2六歩(27)  
   6 8五歩(84)  
   7 2五歩(26)  
   8 3二金(41)  
   9 7八金(69)  
  10 8六歩(85)  
  11 同 歩(87)  
  12 同 飛(82)  
  13 2四歩(25)  
  14 同 歩(23)  
  15 同 飛(28)  
  16 7六飛(86)  
  17 2二角成(88)
  18 同 銀(31)  
  19 3四飛(24)  
  20 3三銀(22)  
  21 8四飛(34)  
  22 8二歩打    
  23 8八飛(84)  
  24 7二金(61)  
  25 3八金(49)  
  26 2六飛(76)  
  27 2七歩打    
  28 2四飛(26)  
  29 5八玉(59)  
  30 5二玉(51)  
  31 6八銀(79)  
  32 1四歩(13)  
  33 9五歩(96)  
  34 8三歩(82)  
  35 6六歩(67)  
  36 1五歩(14)  
  37 2八銀(39)  
  38 8二銀(71)  
  39 6七銀(68)  
  40 4四銀(33)  
  41 7七桂(89)  
  42 3三桂(21)  
  43 8九飛(88)  
  44 4五銀(44)  
  45 4九飛(89)  
  46 4四飛(24)  
  47 2六歩(27)  
  48 7四歩(73)  
  49 2七銀(28)  
  50 7五歩(74)  
  51 3六歩(37)  
  52 7四飛(44)  
  53 6五角打    
  54 2四飛(74)  
  55 4六歩(47)  
  56 5四銀(45)  
  57 4七角(65)  
  58 5五銀(54)  
  59 6五角(47)  
  60 7三銀(82)  
  61 5六歩(57)  
  62 6四銀(55)  
  63 8七角(65)  
  64 7六歩(75)  
  65 同 銀(67)  
  66 7四銀(73)  
  67 4五歩(46)  
  68 5四歩(53)  
  69 9六角(87)  
  70 7五銀(74)  
  71 6五歩(66)  
  72 7六銀(75)  
  73 6四歩(65)  
  74 7四歩打    
  75 6九飛(49)  
  76 7五角打    
  77 7四角(96)  
  78 4五桂(33)  
  79 6三歩成(64)
  80 4二玉(52)  
  81 6六歩打    
  82 5五歩(54)  
  83 4四歩打    
  84 5六歩(55)  
  85 同 角(74)  
  86 5七銀打    
  87 4九玉(58)  
  88 3七歩打    
  89 4五角(56)  
  90 3八歩成(37)
  91 同 玉(49)  
  92 4四飛(24)  
  93 5三銀打    
  94 同 角(75)  
  95 同 と(63)  
  96 同 玉(42)  
  97 3五角打    
  98 4六銀打    
  99 5六桂打    
 100 3五銀(46)  
 101 4四桂(56)  
 102 同 銀(35)  
 103 7二角成(45)
 104 4二玉(53)  
 105 5四馬(72)  
 106 4五桂打    
 107 8二飛打    
 108 5二歩打    
 109 8一飛成(82)
 110 3七歩打    
 111 同 桂(29)  
 112 同 桂成(45)
 113 同 玉(38)  
 114 4五桂打    
 115 3八玉(37)  
 116 3七金打    
 117 2九玉(38)  
 118 2七金(37)  
 119 投了        
まで118手で後手の勝ち


大山将棋研究(2184);陽動向い飛車(升田幸三)

2021-11-27 | 大山将棋研究

今日の棋譜20211127

昭和37年10月、升田幸三先生と第1期十段戦です。

大山先生の先手で矢倉です。

升田先生は矢倉ではありませんね。

雁木でもなくて陽動向い飛車でした。

大山先生は玉頭位取りへ。後手の84歩が甘いので先手の作戦勝ちになるでしょうか。

升田先生は24歩を突いて

2筋から攻めます。

大山先生は飛交換に応じてしまいました。ここから21飛28飛と進めば後手有利になるでしょう。

こういう場合の手筋は自陣飛車です。28飛ではなくて27飛に24歩。ここで26歩を打てば桂を取れるのですが、17桂成から1筋の歩を伸ばされるのは嫌です。また38飛の打ち込みもあるので

48銀に14歩。後手は15歩~16歩同歩同香同香19飛という攻め筋もあります。38飛は47銀39飛成66角49竜59金寄となれば捕獲できるのですが、66角の時に37桂成がありそうです。35歩同歩38飛というのもあるでしょう。してみると大山先生の27飛では28飛のほうが正しかったのか? とりあえずこの図のあたりは互角です。

22歩15歩21歩成、升田先生には選択肢があって、13香などと逃げておくか、35歩同歩38飛か、単に38飛か。

16歩11と

17歩成同桂18歩、取れば19飛です。

25桂19歩成

13桂成18飛。これは先に桂損なので後手がちょっと悪そうです。

123成桂14飛成というのは粘っている感じです。これで互角かと言えば

45歩23竜44歩、気持ちよく取り込んで先手が指しやすいでしょう。

32銀17飛。升田先生は歩切れが痛いです。

25歩に12飛成ではなくて12と ですか。この意味は

14香22と

22同竜43歩成が両取りです。

43同銀22角成17香成。駒の損得は同等なのですが、攻め駒の数は4対2くらいで先手有利です。(後手は17成香が遊んでいるのと42角が攻めに使えていない。)先手からは47香がある、けれど44歩同香66桂も気になるということで

57銀53角

41飛42飛から

飛を交換して打ち合います。やはり攻め駒の数が違うから先手有利でしょう。

45桂に44角は升田先生の勝負手。

44同馬同銀のところで42竜とできたのですが、24角で勝負しようということでした。大山先生はそれには乗らずに66角の攻防手です。金銀取りなので

53銀同桂成同金と進み、次の先手83香は詰めろでした。取れないので升田先生は82桂ですが、

62銀同金82香成

82同玉62飛成と進み、53金を守っているわけにもいかないので61香。

53竜に94角は升田先生らしい攻防の自陣角でしたが、大山先生は駒得が大きいので67金打。もう負けようがありません。

升田先生はやっと17の成香を使いますが、

ずいぶん手数がかかります。

大山先生の寄せは74歩同歩86桂

83角に75歩。62桂や73銀打と受けられても好きなように攻めることができます。

47成香74桂同歩58成香で形つくり。後手玉は

角を打ち込んで詰んでいました。ここまで。

 

陽動振り飛車はなかなかうまくいきません。升田先生もいくつか新しい指し方を開発していくのですが、戦法(定跡)として残ったものはないです。本譜の飛交換は後手番だということも加味すれば成功したと言えるのですが、結局負けてしまいました。84歩71玉の形が83歩82玉だったら終盤はかなり違ったでしょう。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/10/08
手合割:平手  
先手:大山名人
後手:升田幸三9段
手数----指手--
   1 7六歩(77)  
   2 8四歩(83)  
   3 6八銀(79)  
   4 3四歩(33)  
   5 7七銀(68)  
   6 4二銀(31)  
   7 4八銀(39)  
   8 5四歩(53)  
   9 5六歩(57)  
  10 4四歩(43)  
  11 2六歩(27)  
  12 4三銀(42)  
  13 5八金(49)  
  14 3三角(22)  
  15 6八玉(59)  
  16 2二飛(82)  
  17 7八玉(68)  
  18 6二玉(51)  
  19 7五歩(76)  
  20 7二銀(71)  
  21 6六歩(67)  
  22 4二角(33)  
  23 7六銀(77)  
  24 7一玉(62)  
  25 5七銀(48)  
  26 2四歩(23)  
  27 6五歩(66)  
  28 5二金(41)  
  29 4六歩(47)  
  30 3三桂(21)  
  31 3六歩(37)  
  32 2五歩(24)  
  33 同 歩(26)  
  34 同 飛(22)  
  35 同 飛(28)  
  36 同 桂(33)  
  37 2七飛打    
  38 2四歩打    
  39 4八銀(57)  
  40 1四歩(13)  
  41 2二歩打    
  42 1五歩(14)  
  43 2一歩成(22)
  44 1六歩(15)  
  45 1一と(21)  
  46 1七歩成(16)
  47 同 桂(29)  
  48 1八歩打    
  49 2五桂(17)  
  50 1九歩成(18)
  51 1三桂成(25)
  52 1八飛打    
  53 2三成桂(13)
  54 1四飛成(18)
  55 4五歩(46)  
  56 2三龍(14)  
  57 4四歩(45)  
  58 3二銀(43)  
  59 1七飛(27)  
  60 2五歩(24)  
  61 1二と(11)  
  62 1四香打    
  63 2二と(12)  
  64 同 龍(23)  
  65 4三歩成(44)
  66 同 銀(32)  
  67 2二角成(88)
  68 1七香成(14)
  69 5七銀(48)  
  70 5三角(42)  
  71 4一飛打    
  72 4二飛打    
  73 同 飛成(41)
  74 同 金(52)  
  75 1二飛打    
  76 1八飛打    
  77 4五桂打    
  78 4四角(53)  
  79 同 馬(22)  
  80 同 銀(43)  
  81 6六角打    
  82 5三銀(44)  
  83 同 桂成(45)
  84 同 金(42)  
  85 8三香打    
  86 8二桂打    
  87 6二銀打    
  88 同 金(61)  
  89 8二香成(83)
  90 同 玉(71)  
  91 6二飛成(12)
  92 6一香打    
  93 5三龍(62)  
  94 9四角打    
  95 6七金打    
  96 4六歩打    
  97 4八歩打    
  98 4七歩成(46)
  99 同 歩(48)  
 100 2七成香(17)
 101 6八銀(57)  
 102 3七成香(27)
 103 4二龍(53)  
 104 4一歩打    
 105 5二龍(42)  
 106 3八飛成(18)
 107 7四歩(75)  
 108 同 歩(73)  
 109 8六桂打    
 110 8三角(94)  
 111 7五歩打    
 112 4七成香(37)
 113 7四桂(86)  
 114 同 角(83)  
 115 同 歩(75)  
 116 5八成香(47)
 117 7三角打    
 118 投了        
まで117手で先手の勝ち


大山将棋問題集20211126

2021-11-26 | 大山将棋研究

先手番二上先生の手を考えます。

第1問

 

有力な手が多いです。後手に勝負手を与えないように指します。

A 55歩  B 44歩  C 25桂

 

第2問

 

寄せの構想があります。

A 43歩成  B 46角  C 77桂

 

第3問

 

平凡でも良いのですが、格好いい手があります。

A 73桂成  B 83桂  C 54銀

 

 


大山将棋研究(2183);陽動向い飛車(二上達也)

2021-11-26 | 大山将棋研究

今日の棋譜20211126

昭和37年9月、二上達也先生と第1期十段戦です。

大山先生の振り飛車模様からの84歩は王位戦と同じ流れです。

二上先生は矢倉で受けます。この77銀のタイミングが早いと見たか、

大山先生は陽動向い飛車へ。その前に74歩を突いているのは、玉頭位取りを避けたのでしょう。

二上先生は77銀を生かして急戦です。すると後手の74歩や84歩が甘いので、先手の作戦勝ちになりそうです。

55歩からの仕掛けです。55同歩には45歩同歩同桂~55銀で十分。

なので大山先生は52飛(その前の62金寄は準備)と受けたのですが、24歩同歩54歩、飛で取れば55銀や22歩なので

54同銀44歩。55歩~43歩成を食らってはまずいから

44同角24飛。仕掛けが成功して、先手有利としても良いでしょう。

65歩77銀22歩に34飛

33角に44歩(打たないで25桂だと55角の変化がある)、また55歩~43歩成のねらいです。

42飛に68銀、二上先生は自然な手を指して攻めが続きます。55歩には25桂もあるし、43歩成同銀33飛成同桂55角~33角成だって利きそうです。

66歩同角65銀

55角73桂45桂、飛角桂だけの攻めですが切れません。

15角31飛成54銀、この両取りを回避できれば優勢に近づきます。

64角52飛53歩。平凡に21竜45銀43歩成でも良かったのですが、より安全な指し方です。

51飛35竜、竜のできた駒得ですから、ゆっくり攻めたほうが確実です。この角取りも受けにくくて、

14歩16歩34歩同竜45銀、後手は銀桂交換して

角を逃げるくらいです。先手の駒得で玉が堅いので、あとは寄せの構想をどうするかということになります。

77桂は4枚目の攻め駒にするという意図でした。つまりこの図で角を逃げるのではなく

73角成同桂65桂、これで攻め駒は4枚。

63金に54銀、この銀を取ると73桂成が詰めろになるという気持ちよい攻めが続きます。

72金63銀成同金55桂

62金73桂成同金63金

62銀73金同銀63桂成。駒得しながら攻めているので先手優勢です。先手の攻撃力が上がり、後手玉は薄くなっていくのです。

62金に83銀も詰めろ。もう勝勢の領域に入っています。

81角に73成桂同金82銀打

62玉に65竜。後手が詰みを避けるには63金しかないですが、73金から追いかけても43歩成でも良いでしょう。ここまで。

 

陽動振り飛車では、まず玉を囲いきるまでに攻められないこと。次に玉の囲い合いで負けないこと。結構ハードルが高くて、序盤で欲張ってしまうからうまくいかないのでしょうね。大山先生に良いところがなく、二上先生の快勝で終わりました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/09/17
手合割:平手  
先手:二上達也8段
後手:大山名人
手数----指手--
   1 2六歩(27)  
   2 3四歩(33)  
   3 7六歩(77)  
   4 4四歩(43)  
   5 2五歩(26)  
   6 3三角(22)  
   7 4八銀(39)  
   8 3二銀(31)  
   9 5八金(49)  
  10 4三銀(32)  
  11 6八玉(59)  
  12 8四歩(83)  
  13 7八銀(79)  
  14 5四歩(53)  
  15 7七銀(78)  
  16 7四歩(73)  
  17 5六歩(57)  
  18 2二飛(82)  
  19 7八玉(68)  
  20 7二銀(71)  
  21 3六歩(37)  
  22 6二玉(51)  
  23 6六銀(77)  
  24 5二金(41)  
  25 4六歩(47)  
  26 7一玉(62)  
  27 3七桂(29)  
  28 6二金(52)  
  29 5五歩(56)  
  30 5二飛(22)  
  31 4五歩(46)  
  32 6四歩(63)  
  33 2四歩(25)  
  34 同 歩(23)  
  35 5四歩(55)  
  36 同 銀(43)  
  37 4四歩(45)  
  38 同 角(33)  
  39 2四飛(28)  
  40 6五歩(64)  
  41 7七銀(66)  
  42 2二歩打    
  43 3四飛(24)  
  44 3三角(44)  
  45 4四歩打    
  46 4二飛(52)  
  47 6八銀(77)  
  48 6六歩(65)  
  49 同 角(88)  
  50 6五銀(54)  
  51 5五角(66)  
  52 7三桂(81)  
  53 4五桂(37)  
  54 1五角(33)  
  55 3一飛成(34)
  56 5四銀(65)  
  57 6四角(55)  
  58 5二飛(42)  
  59 5三歩打    
  60 5一飛(52)  
  61 3五龍(31)  
  62 1四歩(13)  
  63 1六歩(17)  
  64 3四歩打    
  65 同 龍(35)  
  66 4五銀(54)  
  67 同 龍(34)  
  68 3三角(15)  
  69 7七桂(89)  
  70 5三金(62)  
  71 7三角成(64)
  72 同 銀(72)  
  73 6五桂(77)  
  74 6三金(53)  
  75 5四銀打    
  76 7二金(61)  
  77 6三銀成(54)
  78 同 金(72)  
  79 5五桂打    
  80 6二金(63)  
  81 7三桂成(65)
  82 同 金(62)  
  83 6三金打    
  84 6二銀打    
  85 7三金(63)  
  86 同 銀(62)  
  87 6三桂成(55)
  88 6二金打    
  89 8三銀打    
  90 8一角打    
  91 7三成桂(63)
  92 同 金(62)  
  93 8二銀打    
  94 6二玉(71)  
  95 6五龍(45)  
  96 投了        
まで95手で先手の勝ち


大山将棋問題集20211125

2021-11-25 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

先手から見ると気になる手です。

A 65銀  b 36銀  c 74歩

 

第2問

 

つぶされていてもおかしくないところですが、受けの手としてはこれくらいでしょう。

A 32玉  B 52金  C 34角

 

第3問

 

実質二択ですが、正解は一つだけ。

A 42同飛  B 42同玉  C 62馬


大山将棋研究(2182);相居飛車力戦(花村元司)

2021-11-25 | 大山将棋研究

今日の棋譜20211125

昭和37年9月、花村元司先生と第3期王位戦第4局です。

花村先生の先手で、角換わりもあったのですが、交換しなかったので

大山先生は振り飛車、ではなくて居飛車です。このシリーズは同じようなテーマで進んでいます。

花村先生は左美濃ではなくて78玉型です。

矢倉に向けて動くのですが、大山先生は3筋の位を取ります。

花村先生は中央から動きます。現代ならば68角45歩46歩と動いて十分だと考える人のほうが多いでしょう。仕掛けの前後で58金右や77銀と固められますし。

55同歩66銀52金右

55銀43金58飛、中飛車にしましたが、中央を重視するのは(この時代でもおそらく)古い考え方になっています。

でも中央を押さえてしまえば先手の作戦勝ちでしょうか。

大山先生は25歩をパクリ

1歩得を主張します。でも花村先生は3筋の歩を交換できるので困りません。

大山先生は力ずくで53歩の合わせ。53同歩成同銀54歩64銀同銀同歩53銀63金では攻め切れないので、

47金に54歩

54同銀に53銀ですか。金銀交換は少し先手のほうが良さそうですが。

花村先生はちょっとひねって銀交換でした。桂を跳ねると桂頭が気になるのですが、

54歩28飛36銀、さっそく嫌なところに銀を打たれました。

48金64金45桂、桂を捨てるのは非常手段っぽいですが。

45同歩33角成同玉37歩

25銀引23歩。22角があるし、23同銀は71角なので玉で取るくらい。

23同玉45歩同銀44歩、攻めが細いですが、手はつながったでしょうか。後手の64金が遊んでしまっているからでしょう。

42金43角、これは取れなくて、受け方に悩むところですが

大山先生は12角61角成33玉、怖そうな受け方です。43銀44玉71馬はだめなので、43銀に41金なのか。

77銀に56銀、受けないで攻めるのですね。これなら12角が使えたということになるのですが。

58金寄65桂68金上46歩、攻めとしては確実です。後手玉は大丈夫でしょうか?今度は43銀41金25飛同歩34銀打24玉25銀同玉42銀成とか。

15銀(24銀同玉25馬ねらい)に34角。これは25飛同歩24銀打44玉71馬とか。

花村先生は24銀同玉25飛、駒を捨て過ぎでは?

25同玉26歩24玉25銀

25同銀同馬33玉。飛銀桂と角の交換では駒損だし、攻め駒は2枚だけです。

24角44玉35馬

43玉44歩53玉42角成。42同玉は34馬で危ないかな。

42同飛に43金でしたが、34馬とか34金とか(飛が逃げられないので最善か)43歩成同玉53金とかの選択肢もありました。

飛を取って41飛

桂を取れば銀歩損だけになったのですが、この49飛には桂を打たねばならないでしょう。

59桂47歩成、これは取れないので、さらに駒損です。

88玉58と25馬、と金を払って粘ろうというのですが、駒損がひどいので望みはないです。

先手玉は堅くても、駒損がひどすぎます。

大山先生は55桂を成り込んで攻めることができます。

59桂を取って

成桂を引いて

86桂まで。大山先生のストレート防衛です。

 

3筋の位取りは後手がずいぶん無理をしているので、花村先生が指しやすいはずですが。でも安易に駒組をしていると作戦勝ちにはなりません。本譜は先手が良さそうではあったのですが、いくつか選択肢のある手順で、少しずつ損をしていった感じがします。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.46 棋譜ファイル ----
開始日時:1962/09/10
手合割:平手  
先手:花村元司8段
後手:大山王位
手数----指手--
   1 2六歩(27)  
   2 3四歩(33)  
   3 2五歩(26)  
   4 3三角(22)  
   5 7六歩(77)  
   6 4二銀(31)  
   7 4八銀(39)  
   8 4四歩(43)  
   9 5六歩(57)  
  10 4三銀(42)  
  11 6八玉(59)  
  12 8四歩(83)  
  13 7八玉(68)  
  14 8五歩(84)  
  15 7七角(88)  
  16 5四歩(53)  
  17 8八銀(79)  
  18 3五歩(34)  
  19 5七銀(48)  
  20 3四銀(43)  
  21 5五歩(56)  
  22 同 歩(54)  
  23 6六銀(57)  
  24 5二金(61)  
  25 5五銀(66)  
  26 4三金(52)  
  27 5八飛(28)  
  28 5二金(41)  
  29 5四歩打    
  30 4一玉(51)  
  31 4八金(49)  
  32 6二銀(71)  
  33 4六歩(47)  
  34 3二玉(41)  
  35 4七金(48)  
  36 2五銀(34)  
  37 1六歩(17)  
  38 2四歩(23)  
  39 9六歩(97)  
  40 3四銀(25)  
  41 3六歩(37)  
  42 同 歩(35)  
  43 同 金(47)  
  44 3五歩打    
  45 3七金(36)  
  46 5三歩打    
  47 4七金(37)  
  48 5四歩(53)  
  49 同 銀(55)  
  50 5三銀(62)  
  51 同 銀成(54)
  52 同 金(52)  
  53 3七桂(29)  
  54 5四歩打    
  55 2八飛(58)  
  56 3六銀打    
  57 4八金(47)  
  58 6四金(53)  
  59 4五桂(37)  
  60 同 歩(44)  
  61 3三角成(77)
  62 同 玉(32)  
  63 3七歩打    
  64 2五銀(36)  
  65 2三歩打    
  66 同 玉(33)  
  67 4五歩(46)  
  68 同 銀(34)  
  69 4四歩打    
  70 4二金(43)  
  71 4三角打    
  72 1二角打    
  73 6一角成(43)
  74 3三玉(23)  
  75 7七銀(88)  
  76 5六銀(45)  
  77 5八金(48)  
  78 5五桂打    
  79 6八金(69)  
  80 4六歩打    
  81 1五銀打    
  82 3四角(12)  
  83 2四銀(15)  
  84 同 玉(33)  
  85 2五飛(28)  
  86 同 玉(24)  
  87 2六歩打    
  88 2四玉(25)  
  89 2五銀打    
  90 同 角(34)  
  91 同 馬(61)  
  92 3三玉(24)  
  93 2四角打    
  94 4四玉(33)  
  95 3五馬(25)  
  96 4三玉(44)  
  97 4四歩打    
  98 5三玉(43)  
  99 4二角成(24)
 100 同 飛(82)  
 101 4三金打    
 102 同 飛(42)  
 103 同 歩成(44)
 104 同 玉(53)  
 105 4一飛打    
 106 4二銀打    
 107 2一飛成(41)
 108 4九飛打    
 109 5九桂打    
 110 4七歩成(46)
 111 8八玉(78)  
 112 5八と(47)  
 113 2五馬(35)  
 114 3四歩打    
 115 5八馬(25)  
 116 1九飛成(49)
 117 1一龍(21)  
 118 4七桂成(55)
 119 6九馬(58)  
 120 4八成桂(47)
 121 1三龍(11)  
 122 2三歩打    
 123 4五歩打    
 124 同 銀(56)  
 125 2三龍(13)  
 126 3三金打    
 127 1二龍(23)  
 128 5九成桂(48)
 129 1四馬(69)  
 130 2二歩打    
 131 4四歩打    
 132 5三玉(43)  
 133 2二龍(12)  
 134 5八成桂(59)
 135 7八金(68)  
 136 8六桂打    
 137 投了        
まで136手で後手の勝ち