旧前田家 南面 サイズ F4 水彩
旧前田家 北面 サイズ F6 水彩
神戸市北区淡河地区にはまだ茅葺民家が沢山残っている。
暖かくなってスケッチをしたくなった時のための場所探しに車を走らせていて、何度か
スケッチをさせてもらった茅葺の前田家(旧前田家と云うべきだろうが)の近くを通った時に、
少し気になっていたことがあったので農道に分け入った。
初めて訪れた時は老夫婦が住んでおられたが、その後ご主人が亡くなられたことを聞いて
いたので、その後どうされているのだろうかと気になっていたのである。
今までは周辺で人影を見ることは少なかったが、今回は自動車が数台止まっているし、数人の
子供達も家の周りで遊んでいた。
若いご夫婦が旧前田家の一角で「はなとね」を経営していた。
外からはそれとは分からないベーグルを焼く工房ができていて、持ち帰りの他、広縁などで
のんびり食べられるようにしていた。
この日は座敷(カミノマ)にまで上げてもらって、コーヒーを合わせて食べさせてもらうこと
ができた。
貰ったチラシには
なにもないし、なにもしない。
それが私たちのゆたかさです。
空と畑以外になにもないところで、きちんと確かめた素材を使い、あたりまえの手間を慈しんで
つくります。
食べものとして、いらないことはなにもしない。
私たちはそれもゆたかさのひとつだと考えています。
とあった。
住む人のいない家は寂しすぎる。
どうぞ神戸市指定文化財の大事な茅葺屋根の家を、いつまでも生かしてくださいと願うばかり
である。
旧前田家のこと
以前、茅葺屋根を巡るバスツアー(2013)に参加して、神戸市北区にある前田家も見学した
ことがあった。
昔は庄屋を務めていた旧家で、茅葺き入母屋造りの母屋、東面には納屋、北面には閑居や米蔵・
味噌蔵が並び、西面には奥座敷が□の字型に配置されている。
配布資料には、「母屋などの建築は、文化、文政期ころで(約200年前)、屋敷の構え全体
が、江戸時代から近代にかけての農家のありかたをよく伝えているほか、周囲の水田や山林と
相俟って、優れた景観を形成していることから、敷地と一体として保存されるべき重要な民家
として、平成15年3月に神戸市指定文化財に指定されました。」とあった。
見学会以後、何度か寄ってスケッチしたものを掲載した。(既出)
南面、母屋部分 サイズ F4
北面 蔵、閑居など サイズ F6
素敵な瓦葺の家のスケッチ
見入ってしまいます
移り行く時代の流れを感じます
そのすべての民家は、住む人と共に生きて来たのだなあと思えます。
住む人に去られて、朽ちていく古民家を見るのは悲しいものです。
いつまでも残っていて欲しいと思います。
立派な茅葺屋根の家が「はなとね」というベーグルを焼くお店になって生かされていたのですね!
ベーグルは食べたことありませんがいかがでしたか?
チラシに書かれてる言葉が気に入りました。
いつまでも続きますようにと願ってます。
何もないところでゆったりと過ごす幸せもありますね。
「はなとね」とネーミングしたことにもあらわれています。
日々の暮らしの不便さ、地域社会への溶け込みなど、難しいことが
沢山あるでしょうが、乗り越えて欲しいと思います。