だいこん

　デッサン講座で大根を描いてきた。
野菜としての大根を描くのではなかった。
横たわる円筒に、向こう側の斜め上に光源がある場合、
何処が一番明るくて、一番暗いかのトレーニングであった。
床面からの反射光の読みとりが大きなテーマである。

　モチーフの大根は各人持ち込みであったから、
スーパへ寄って、1本１３０円の山積みの中から選んだが
形の良さそうなものをと、つい一本一本目の高さまで
持ち上げて眺め回していて、ヨソノおばちゃんから見れば、
たかが大根1本買うのにと、馬鹿にされていたことであろう。

　後の処理に、この大根をおろそうかと、１００円ショップへ
寄って、おろし器具を買おうとしたら、これがまた５種類もあり、
ここで又おおげさに検討をすることになってしまった。
　見れば見るほど各商品ともいろんな工夫をしている。
すごいなあと感心した。
　自分が仕事をしていた時に、ここまで慎重に創意工夫を
していただろうかとここでまた思い返すことになってしまった。

　描いたあと、家に帰っておろしたけれど、うまくおろせるものだから
つい調子に乗って半分ほどおろしてしまったけれど、辛くて
ひと口、ふた口しか食べられなかった。
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