飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

レーザ通信のはなし~その5

2007-08-24 04:35:32 | レーザー通信
あおやなぎです。

ねむいです。気がついたらこんな時間になっていました。

最近の深夜の研究室は、ゼミ生とぼくの2人きりということが多いです。

日中は僕の個人部屋と化していますが・・・。


前回の記事ではビットエラー率が大きい!どうにかならないのか?という話を書きましたが,少し勉強しなおしてみました.

レーザドライバへの入力は低電圧差動信号(LVDS)というものを使っていますが,差動信号の2本の信号ラインが非対称だとそれだけでノイズが大きくなってしまうようです。

あと、層を変えたり、まわりのグランドパターンの非対称も影響がでるようです。

ここら辺を踏まえて基板パターンを新しく作り直してみました。

実験はまだですが、いい結果がでるといいなぁ~。

レーザ通信のはなし~その4

2007-08-18 17:11:16 | レーザー通信

連載途中ですが、おじゃまします。
あおやなぎです。

すっかり涼しくなって、過ごしやすくなってきましたね。
この前の暑さがウソのようです。


今週は、レーザ通信の送信・受信回路をいじっていました。
送信データはPN符号(擬似ランダム符号)を使っています。(めんどいのでSH3のソフトウェア上に実装してしまいました。)
受信側では受信したデータをSDカードに書き込んで、あとから読みだしてデータ整合のチェックをしています。
(ロジアナがあればもっと楽にできると思うんですが・・・)

実験環境を整えて、簡易的な実験をしてみたのですが、どうにもうまくないです。
ビットエラー率がだいたい10^-4くらいと結構大きくなってしまいます。
実験は近距離で行っているので、理想的にはビットエラーはほとんどない状態なはずです。
なので、電子回路のノイズの問題というのは明らかなのですが…

手作り基板の限界というのもあるのかなぁ~と思ってしまいます。
今は2層基板しか作れないので、GND層なんて入れられないしなぁ。
外注すればGND層とかを入れられるんだけど、ホントにそれでビットエラーが減るのかどうかわからないし、予算的な問題もあるし・・・

まぁ、とりあえず今の基板で配線を短くしたり、ノイズに関してもう少し勉強してみて改善策を練ってみたりしたいと思います。
送信、受信回路はあともう一息ってところかなぁ~


レーザ通信のはなし~その3

2007-08-14 23:26:32 | レーザー通信

あ つ い!! 


暑い!!

青柳です。

ホントになんだこれは?っていうほど暑いですね。

去年の8月、9月は鹿児島の内之浦にいたけど、あっちは冷房完備なのでそんなに
暑さにやられることはありませんでした。
が・・・
うちの研究室(ついでにうちの家)にはクーラーなんていうものはないのでツライです。

いまは扇風機とキンキンに冷やしたビールがぼくの冷房です。

 

さて本題のレーザ通信のお話をします。

レーザ通信を実現するためには、指向制御というものを行わなければなりません。

これは衛星地上間であろうが、衛星間、地上間でももちろん必要になります。

JAXAが打ち上げたOICETSでは1μrad以下の追尾精度を実現しています。

これは、広範囲に動く2軸ジンバル機構と細かく動くピエゾ(だったかな?)の2段がまえで実現しています。

要するに粗追尾と精追尾の2重制御です。

しかし、このような大型の機構では数十kgの超小型衛星には搭載できません。

そのため、高駆動範囲、高精度、衛星に与える外乱の少ない指向制御機構というものを開発しなければならいわけです。

ぼくたちが今つくっているものは、モータ2個とロッドエンドベアリングを使ってミラーを2軸制御する機構です。

内部に2次元PSDと低出力のLDを使ってフィードバック制御をしています。

ロッドエンドベアリングは角度をつけたまま回転させることができるので、モータを回転系の外側に設置できます。

なので、衛星に与える外乱はジンバルに比べて軽減できます。

制御用のCPUにはSH2/tinyを使用しています。指向精度は300μradを目標値としています。

今は、指向制御機構の動作確認をとり指向精度の評価を行っている最中です。

現状はあまり芳しくなく、モータをもっとトルクの高いものにとりかえようかなぁといった感じです。

お盆中は部品が届かないので、お盆明けにさっそく実験してみる予定です。



それでは、そろそろ冷房の時間なので失礼します。おやすみなさい。

(読み返すとホントわかりずらい文章ですね。まぁ、いいかぁ~)


レーザ通信のはなし~その2

2007-08-10 00:17:33 | レーザー通信

あおやなぎです。

今日からうちの大学も夏休みが始まったようです。

ぼくも土、日、月は休もうかと思っています。

まぁ、休みをとってもどこに行くわけでもなく、誰といるわけでもないですがね。

どこかに一緒に暑い熱い夜 夏を過ごしてくれる人はいないですか??
・・・

 

それでは本題のレーザ通信のはなしを。

ぼくが研究しているレーザ通信装置は、

送信側:レーザ送信回路、指向制御系、無線装置(衛星のを兼用)、光学系

受信側:レーザ受信回路、受光用大型望遠鏡、制御系、無線装置(地上局のを兼用)、追尾センサ(CMOSイメージセンサを使用)

こんな感じで構成しています。

今日は、この中からレーザの送信、受信回路に関して紹介します。

送信回路は、レーザダイオード、シリアライザ、レーザドライバで構成しています。

受信回路は、APD、高バイアス電源、トランスインピーダンスアンプ、リミッティングアンプ、デシリアライザで構成しています。

光通信の一般的な回路構成と変わりはないですが。

信号の流れは、シリアライザに10bitのパラレルデータを入力してシリアル情報に変換、その出力電圧でレーザドライバを駆動します。

APDからの出力電流をトランスインピーダンスアンプで電圧に変換し、リミッティングアンプで量子化します。

で、デシリアライザで元のパラレルデータに戻します。

こんな感じです。

今の進捗としては、うまく送受信できることをオシロスコープでは確認しています。

実験では、デシリアライザにくっつけたSH3 + SDカードで値の確認をしていますが、

SH-3では遅くてうまく同期できなくて、データの取り込みもうまくできていません。

もっと速いマイコンを使おうかと思っています。

ロジアナがあれば楽なんだけど・・・

次回は、指向制御に関してのはなしをしようかなと思います。
(こんな内容でいいんだろうか・・・)


あ~ビールのみたい

 


レーザ通信のはなし~その1

2007-08-07 22:42:37 | レーザー通信

あっ,ども。はじめまして。

では、ないですね。久しぶりに書きますあおやなぎです。

うちの研究室では衛星と地上間のレーザ通信に関する研究をやっていますが、
これに関して進捗を報告してちょうだいと言われまして・・・

報告はブログで!とのことなので今日から書き始めます。
(もちろん直接報告したり,MLに出したりっていうのもしてますよ!)

この研究がひと段落つくまで書けたらな~とは思いますが、いかんせんものぐさなので。。。

 

とりあえず、今日は1回目ということでこれがどんな研究かというのをざっくりと紹介しておきます。


『 現在,北海道では産学連携により,重量50kgのリモートセンシング衛星である北海道衛星1号,動画配信衛星である北海道衛星2号の検討を進めている.
これらの衛星が取得した情報は,大容量通信が可能な衛星地上間レーザ通信により伝送する.
 超小型衛星によって,レーザ通信を実現するためには,小型,低消費電力,高駆動範囲,高指向精度のレーザ通信装置を開発する必要がある.
 本研究では,北海道衛星搭載レーザ通信装置の開発を行い,超小型衛星による大容量通信技術の確立を行うことを目的としている.』

な感じです。で、

『本研究で開発を行うレーザ通信装置は,衛星から地上局への片方向レーザ通信である 
これは,衛星側からは大容量の動画,リモートセンシングデータを送信する必要があるのに対して,地上局からはコマンドなどの低容量データの送信のみとなるためである.
 また,片方向通信にすることにより,レーザ通信装置に受光アンテナを搭載する必要がなくなるため,装置の小型化が可能である.衛星と地上の光軸合わせは無線通信による情報によって行う.』

な方法です。まぁ、パイロットビームとかは使わないということです。
(ものぐささが前面に出た文章ですね。)

これが実現できれば、マイクロサテライト級の実験衛星や商用衛星でやれることが色々と多くなりそうですね。

今は、100Mbpsを目標値にしていますが、変調方式のほうにも手を加えられればGbpsの通信とかもできるんではないですかね。


まぁ、開発背景はこんなところです。

次回は、レーザ通信装置を構成するコンポーネント云々のはなしでも書こうかと思います。

ではでは、おやすみなさい。


すんません!!月曜日に書こうと思っていたのですが・・・。

2005-07-06 19:48:47 | レーザー通信
すんません!!月曜日に書こうと思っていたのですが・・・。
忘れていました。



最近のレーザー通信班の動向を書きます。
実験が遅れております。
レーザーを接続する前の段階で詰まっているので大変です。
レーザー通信班なのにレーザーをあまり使っていないのでちょっと悲しいです。




今日はいつも実験を行っていた日なので、実験を行うと思ってゼミ室でVC++
などをいじったりして勉強しながら待っていたのですが、リーダーが「スーツ
を着て疲れたので今日はお休み」と実験は無くなりました。
これからどんどん実験を行い進めていかなくてはならなくなると思うので頑張りたいと思います。


それでは、この辺で終わりたいと思います。