三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 7月25日 オニ綾防止装置(リボンブレーカー)

2016-07-26 | メンテナンスお気楽日記
今日は「オニ綾防止装置」の話です。オニ綾とは、巻き玉に発生する「帯状の綾跡」で、巻き糸が重なり
ハチ巻きを巻いた様な形態になります。それを「リボン巻き」とも言い、不良巻きです。

弊害は、糸の重なりのため接触面が一点に集中し、「糸のへたり」が発生します。又、巻き玉解除の際
糸の重なりのため、「ズボ抜け」解除の原因ともなります。

発生原因は、巻き糸径が、トラバースドラムの直径と一対一・一対二になった際、ドラム溝の位置と同調し
ドラム溝と同じ個所に、ハチ巻き状の綾目が集中して出来ます。1㎏巻きの場合、約2回発生します。

ドラムトラバースで巻き糸を加工する際は、避けられない現象の一つです。


対策の一つとして「スリップ方法」があります。これはツインタイマーを使用して、モーターの動きを
ON・OFFを繰り返し、ドラムと巻き玉の綾目にスリップを発生させる方法です。

綾糸の同調期を拡散させるのが目的で、OFF時間(一秒?)の設定が調整ポイントとなります。
以前は、女工さんの目と動作で対応していたが、今は、機械まかせが必然機器となっています。


今、なぜ、こんな記事を書かなきゃいけないのか?それは、作業工場の変化です。
当然の?技術が「伝承」されずに、機械だけが設備として移動します。教えを乞う環境がないのです。

「機械があれば仕事ができる」なんて事もゼッタイありません。それを使いこなす「人間」が必要です。
たとえ、ボタン操作であろうと、タイミング・確認・見極めは人間でしか出来ないのです。

「技術の伝承」があればこそ、機械は機械としての働きを発揮します。使いこなしての機械です。


リボンブレーカーに話をもどします。以前はモーターのON・OFFをマグネットスィッチで操作していました。
その為、接点摩耗の寿命があり、動作騒音もありました。それがソリッドステート(無接点リレー)を使う事に
よって、長寿命と静音作業が実現しました。

「技術の発展」とは、そういうことです。問題を一つ一つ解決していくのが、人間の知恵でしか出来ない。
20年前10万以上といわれた機器が、2万3万で解決。これも人間の知識です。

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