三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月14日 需要がなければ・・・

2011-01-14 | メンテナンスお気楽日記
絹撚糸を3度30分の紙管に捲くのにベストのドラムがあります。
糸管とおなじ角度をしたテーパー型ドラムで、S方向専用となります。

20年ほど前、絹撚糸屋さんはこぞって、それまでのベークライト製を
アルマイトの金属ドラムに変えました。一本17000円のドラムです。

ところが仕事が多様化してくると、テーパードラムの一方向性が欠点となり、
S方向・Z方向どちらにも対応する為、0度0分のパラレルドラムが主流になりました。

当然の結果として、中古市場にはテーパードラムがあふれ、人気もなく価格はどんどん低下。
もちろん、品質は好景気時代に交換しているので、けっして見劣りのしない品物。

薦める方とすれば、糸密度がピッタリで仕上がりもきれいなテーパードラムを推薦したいのだが、
いかんせん、S方向・Z方向の仕事のためには、二台の機械が必要となると、ユーザーは二の足を踏む。

そんなわけで、絹産地でもテーパードラムがのこり、パラレルドラムが品不足です。

メンテお気楽日記 1月13日 ばあちゃんはやめたいのに・・・

2011-01-13 | メンテナンスお気楽日記
                   水撚糸時代に使っていた?四つ枠の綛繰り機
機屋のじいちゃんを十数年前に亡くし、機を整理したアキ工場で綛揚げの内職を続けてけた。
さいわい今でも、三軒の撚糸工場の依頼があり仕事は忙しい。

しかし、83歳。身体もガタがきているし、子供たちからも「やめてくれ」と言われている。
正直自分でも「もうそろそろ辞めよう」と思っている。

そのことを撚糸屋のおやじに言うと、だれひとり「ごくろうさまでした」なんて言わない。
反対に「たのみます・おがみます」の状態。「辞めてもらったら困る」とまで言われる。

撚糸屋の外注工場、特に高齢者職人は宝物。
仕事は確実だし、手も早い。それになにより工賃にこだわらない。
「身体のため、ボケ防止のため」とおだて「年金のたしに」なんてすかして・・・

ところが現状も変わってきた。たとえ工賃を上げても、仕事をしてくれる職人がいない。
何年も低賃金で依頼していた為、次の世代が育っていない、見放されているといってイイくらい。

たとえ、もし高賃金を出せるとしても、仕事を一から覚えてもらわないと・・・大変なことに。
それにメンテの意見を言わせてもらえば「機械もガタがきている。修理部品もないョ」

こんなわけで、ばあちゃんはブツブツ言いながらも仕事を続けています。

メンテお気楽日記 1月10日 中古機価格

2011-01-11 | メンテナンスお気楽日記
                   三筋倉庫に不釣り合いな?マッハミニが鎮座まし
自分の機械倉庫には、同じタイプの機台が何台も入っている。
お客の注文仕様に合わせて、組み替えることは意外と簡単。これが「三筋の甘さ」の原因だそうだ。

機料店に言わせると、客注不足部品などをそろえるだけでも手間と時間と経費がかかる。
それを販売価格に換算すれば、当然、相場価格があって当たり前。

もともと中古機価格とは、欲しい人にとっては何十万出しても必要な機械。
しかし売り手にとっては、少しでも高く換金できればの思惑。
どうしても買い手が見つからず、処分の運命の機械も何台も見てきた。

処分された機械は二度と仕事はできず、機料店にとってもメンテとっても無縁の鉄くず。
そんなことがあって、「機械が欲しい」なんて言われると、ついガンバリ過ぎてしまうらしい。

中古機械は「ツラを見て」なんてよく言われるけれど、嫁に出す親としては少しでも見栄えのする
顔にしたい。持参金を付けなければいけない娘もいるけれど、手間と時間をかけてコツコツと・・・

メンテお気楽日記 1月8日 遠方からのお客様?

2011-01-10 | メンテナンスお気楽日記
                          中古機整備のペンキ塗りの翌日、雪でした。
なんか変です。遠方からの問い合わせばかりです。
大阪・京都・山梨・東京・福岡など新規のお客さんからの電話が続きました。

ブログ記事を見てでの問い合わせだと思うけれども、
大は120錘の機械から小は1錘機までさまざま、各地にも機料店はあるはずなのに・・

中古機械情報は各店が持っていても、意外と出し惜しみの傾向があり、機料店から売り込みもしない。
また、お客の希望とヒットしないと、そのまま埋もれてしまうことが多い。

機料店がお客様の注文機械を探す場合でも、せいぜい4~5軒に問い合わせする程度
だから、お客様にとっての中古探しはクジ引きみたいなもの。当たればラッキー。

遠方のお客様の場合、三つの問題点が発生します。

それはまず、仕事の仕様が把握しにくいこと、これで機械仕様が大きく違います。
次に、運搬費。据え付け希望になると機械代金より出張費が高くなったこともありました。
最後に中古機械相場、いくら安く出来るにしても、その地方の繊維産業を壊すこともできません。

北陸の繊維機械の様子は、またおいおいブログに書いていくつもりです。ヨロシク。


メンテお気楽日記 1月7日 温暖化だけか・・?

2011-01-10 | メンテナンスお気楽日記
                   北陸の町中の道路には融雪設備があります。
毎年、仕事始めは村田・神津ワインダーの回転不良のメンテから始まっていた。
ところが、2年続けて依頼がない。

故障の原因は、正月休みでの機台整備のやり過ぎ?(グリースの入れ過ぎ)と
正月明けの工場内の低温。何回注意しても必ず何件かの依頼がかかった。

確かに、地球温暖化の影響?で氷の張る様な寒い日は少なくなったこともある。
それ以上に考えられるのは、正月休みの意識も無くなり、2日から灯りの点いてる工場も何軒か見た。

もっと言わせてもらえば、機械に感謝する気持ちも無くなっている。当然正月整備も無し。
昔のはなしで笑われるかもしれないが、機台の上にはお鏡もちが飾られていた。

機械が生活の糧だった頃のはなしを、今の仕事状況の中ですること自体間違っている?
通常整備のメンテ経費も難しい仕事内容では、機械はただの道具、動けばいい?。

そんな訳で今年も壊れた時だけのメンテナンスが続きそう。
設備投資までとは言わないが、部品交換ぐらいは悩まないで出来る状態になってほしい。

今年の春ごろには、繊維業界に大波が来ることは確か。
機械を使いこなす技術を持った工場しか生き残れない。価格競争はもう限界に来ている。