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一人のバイオリニストが死んだ。人生に絶望し、死ぬと決めた8日後。彼の死を悼んで、多くの人が悲しむ。なぜに彼は死を選んだのか?8日間の中で、彼の人生がめくるめく。
子供のころからちょいとユニークだったナセル・アリ。学校でも、家でも一風変わってて、先生からは吊し上げの対象となっていた。できのいい弟の引き立て役。(うーん、今の日本だったら、すぐさま「精神的体罰だ!!」とか言って、それこそ吊し上げられそうな先生のいじめ方・・・)
彼はバイオリンの才能が有り、音楽家となるが、技巧は見事。しかし、その紡ぎだす音はまるで駄目・・と、師匠に言われる。何をどうやったら音が生きるのか。人を感動させる音になるのか?何をどうしてもわからない。
そんな時にであった一人の女性。時計屋の娘さん、イラーヌ。彼が大好きなソフィア・ローレンに似た、ゴージャスな感じ・・・かな。彼女に会いたいがために高い時計を買い、わざと壊してはまたお店に行く。主人には呆れらるが、イラーヌの心は見事に射止める。勇んでプロポーズし、彼女と添い遂げたい!と父親に願い出る。しかし、先の知れないしがない音楽家に大事な娘をやるわけにはいかない!!すっぱり断られる。
生涯、ただ一度の恋、そしてそれはもろくも打ち砕かれる。しかし、彼は至高の音を手に入れる。最高の恋と、夢破れた愛は詩情あふれた素晴らしいバイオリンの音を作り出す。そして師匠から譲り受けたバイオリン。
名声と素晴らしい音を手に、彼は故郷に帰ってきた。心は空っぽだったのか。。。。周りから結婚を勧められ、妻としたのがファランギースという女性だった。決して美しくもなく、性格もきつい。「甲斐性なしの子供の面倒も見れないのか!!」と言われるばかり。しかし、ファランギースはナセル・アリを愛していた。でも、夫の心は空洞のまま。ファランギースがかわいそ過ぎる。
そして決定的な出来事が。。。ナセル・アリを絶望の淵に追い込み、生きる気力をなくさせた邂逅。いや、その前にナセル・アリの心は死んでいたのかもしれない。でも、彼は至高の音を生み出した。。。。
なんとも不思議な味わいで、イランが舞台なのだが、セリフはもちろんフランス語。セピアがかった色合いが、映画にまた独特の味わいを醸し出していた。芸術家ってことで、ナセル・アリの奔放で、頑固で、扱いづらいのはわかっていたこと。もし、イラーヌと一緒になっていても、結局はどうなっただろう・・・・なんて、考えてしまう。
複雑な心情を抱えた芸術家という雰囲気が見事にピッタリのマチューの独壇場だ。いつもお目目パッチリで、疲れないのか???恋がいつも報われるとは限らない。いろんな障害があって、成就しない恋など、山のようにある。でも、その思いは大事に大事に守りたい。ずっと守ってきた思いを壊されてしまったら、人はそれ以上は生きることはできないかもなあ。。。そんなさびしい男と女の物語だった。
全体を包むファンタジー色が、悲恋な物語をポップにしてたけど、考えてみるまでもなくすさまじい悲しいお話だ。でも、なぜか気持ちよく終われたのはなんでだろうな~。できるなら、もっと料理をちゃんと映してほしかったかも。それがメインじゃなくても。題名になってるくらいだから。
◎◎◎○
「チキンとプラム」
監督 マルジャン・サトラピ ヴァンサン・パロノー
出演 マチュー・アマルリック マリア・デ・メディロス イザベラ・ロッセリーニ キアラ・マストロヤンニ
子供のころからちょいとユニークだったナセル・アリ。学校でも、家でも一風変わってて、先生からは吊し上げの対象となっていた。できのいい弟の引き立て役。(うーん、今の日本だったら、すぐさま「精神的体罰だ!!」とか言って、それこそ吊し上げられそうな先生のいじめ方・・・)
彼はバイオリンの才能が有り、音楽家となるが、技巧は見事。しかし、その紡ぎだす音はまるで駄目・・と、師匠に言われる。何をどうやったら音が生きるのか。人を感動させる音になるのか?何をどうしてもわからない。
そんな時にであった一人の女性。時計屋の娘さん、イラーヌ。彼が大好きなソフィア・ローレンに似た、ゴージャスな感じ・・・かな。彼女に会いたいがために高い時計を買い、わざと壊してはまたお店に行く。主人には呆れらるが、イラーヌの心は見事に射止める。勇んでプロポーズし、彼女と添い遂げたい!と父親に願い出る。しかし、先の知れないしがない音楽家に大事な娘をやるわけにはいかない!!すっぱり断られる。
生涯、ただ一度の恋、そしてそれはもろくも打ち砕かれる。しかし、彼は至高の音を手に入れる。最高の恋と、夢破れた愛は詩情あふれた素晴らしいバイオリンの音を作り出す。そして師匠から譲り受けたバイオリン。
名声と素晴らしい音を手に、彼は故郷に帰ってきた。心は空っぽだったのか。。。。周りから結婚を勧められ、妻としたのがファランギースという女性だった。決して美しくもなく、性格もきつい。「甲斐性なしの子供の面倒も見れないのか!!」と言われるばかり。しかし、ファランギースはナセル・アリを愛していた。でも、夫の心は空洞のまま。ファランギースがかわいそ過ぎる。
そして決定的な出来事が。。。ナセル・アリを絶望の淵に追い込み、生きる気力をなくさせた邂逅。いや、その前にナセル・アリの心は死んでいたのかもしれない。でも、彼は至高の音を生み出した。。。。
なんとも不思議な味わいで、イランが舞台なのだが、セリフはもちろんフランス語。セピアがかった色合いが、映画にまた独特の味わいを醸し出していた。芸術家ってことで、ナセル・アリの奔放で、頑固で、扱いづらいのはわかっていたこと。もし、イラーヌと一緒になっていても、結局はどうなっただろう・・・・なんて、考えてしまう。
複雑な心情を抱えた芸術家という雰囲気が見事にピッタリのマチューの独壇場だ。いつもお目目パッチリで、疲れないのか???恋がいつも報われるとは限らない。いろんな障害があって、成就しない恋など、山のようにある。でも、その思いは大事に大事に守りたい。ずっと守ってきた思いを壊されてしまったら、人はそれ以上は生きることはできないかもなあ。。。そんなさびしい男と女の物語だった。
全体を包むファンタジー色が、悲恋な物語をポップにしてたけど、考えてみるまでもなくすさまじい悲しいお話だ。でも、なぜか気持ちよく終われたのはなんでだろうな~。できるなら、もっと料理をちゃんと映してほしかったかも。それがメインじゃなくても。題名になってるくらいだから。
◎◎◎○
「チキンとプラム」
監督 マルジャン・サトラピ ヴァンサン・パロノー
出演 マチュー・アマルリック マリア・デ・メディロス イザベラ・ロッセリーニ キアラ・マストロヤンニ
マチュー大好きな者としては、彼のラブストーリーってだけでたまりません。
とっても悲しいお話でしたが、どこかユーモラスでチャーミングで、ちゃんと
キャラクターそれぞれの心情も理解できて、良かった。
イラーヌのあの一言、女として痛いほどわかります。
いろんなものを守るためああ言わないわけにはいかなかった。
ナセル・アリがどうしても望んでいたとしても。
そして、夫の演奏を聴いて涙を流しつつ、文句を言いに行くファランギースも心に残りました。
芸術と生活は相容れぬものなのかなあ。なんて考えてしまう。
マチュー・・はまり役ですね。思いがけずハンカチ必須でした。
こういうのをみると芸術家というのは常人ではないですね。
マルジャン・サトラピの濃厚なファンタスチックな世界が好きでたまりません。
繊細なようで結構図太く描かれる世界は僕らとは異質やなーと感嘆するばかり。
タイトルの《チキンとプラム》、はぐらかされたような感じでした。
なんだかアタシは奥様がかわいそ過ぎて。
おまけに考えてみなくてもひどい話で、それをなにか別のもので包み込んでしまった気がして。
100%もろ手を挙げて、同調とはならなかったかも。
イラーヌの言葉もわからないのでないですが、あら!お久しぶり!!元気でやってた?幸せ?くらいの言葉をかわす優しさが欲しかったなあ。
最後に、ぐぐっとキマしたが、同時になんとも釈然としないものも残ったです。
だって、ひどい話ですよね。
出てくるのはみんな自己ちゅうで、わがままな奴ばっかり。
相手の気持ちを推し量ったり、思やるなんてない。。。
それでもなんかすごい作品になってしまうってのが、また面白いです。
だから映画はやめられない。
何故かタイトルは、嫁の得意料理。
だったら、最初かっら結婚なんかしない方が。
でも、嫁も芸術家の妻の覚悟はなかったのかな。
でも、料理は食べてほしかったなあ。
合わないものが合わさった化学反応みたいな・・という意味でしょうか。よくわかりませんわ。