マルセイユ沖で操業していた漁船が1人の男を救い上げた。背中に弾丸を受け、皮膚に銀行の口座番号が埋め込まれていた。只者ではない。しかし、彼は自分が何者なのか記憶を失っていた。唯一の手がかりの銀行に行くと、そこの貸し金庫には数冊の自分のパスポートと多額のお金、そして銃。ますます、自分が何者なのかわからなくなっていく。
見ている方は彼が何者なのか、おぼろげながらわかっているのだが、なぜ彼が記憶を失って . . . 本文を読む
阿蘇山近辺のある地域で、突然死んだ人たちが蘇ってしまった。最近死んだ友人、50年も前に死んでしまった息子、会いたいと願っていた人の前に、生前の姿で。喜びに満ちる人、突然のことに戸惑う人、自分の罪をさいなまされる人。しかし、おおむね、二度と会えなかったはずの人との再会になんともいえない喜びを感じていた。
その奇妙な現象を解明しようと厚生労働省から派遣されてきたのが地元出身の川田平太。蘇った人々から . . . 本文を読む
ダイナーで働くウェイトレスのスリム、忙しくパタパタとした毎日を送っている。そこにお客にきた男性。言い寄るごろつきを颯爽と追い出してくれて、ハートをつかんでしまった。そのままゴールイン。リッチな夫、あふれるような愛を注いでくれる。一生守ってくれるとの約束を何が何でも実行してくれそう。
かわいい娘とゴージャスな家、何一つ問題はないと思っていた家庭に、突然暴力が降り注いでくる。実は夫は愛情が深いという . . . 本文を読む
大連にすむチャオおじさん、どう見ても風采が上がらない。18回目の見合いに人生をかけていた。相手はとってもふくよかな女性で、好みではないのだが、この際贅沢は言っていられない。リストラされて、現在無職なんて口が裂けてもいえない。すぐにばれそうな嘘八百を並べて、何とかしのごうとするのだ。
見合いの彼女には母親そっくりの小皇帝を見まごう息子と、別れた元の夫の連れ子がいた。この目の見えない娘がどうにも邪魔 . . . 本文を読む
さえないサラリーマン、モーガン・サリバン。押しの強い妻にも、ぱっとしない仕事にもうんざりしていた彼は、多国籍企業にスパイとして雇われることを決意。デジコープ社に入社することとなった。いつもと違う今日の私。当然妻にも絶対に秘密。やたら出張の多い仕事に対して、妻は文句たらたら。でも今日の自分は違う。妻に対して、大見得まで切ってしまった。
スパイとしての名はジャック・サースビー。その名で、企業のイベン . . . 本文を読む
幕末、京都壬生は新撰組の屯所。南部藩を脱藩してきた吉村貫一郎。北辰一刀流の免許という事で、早速その腕前を試されていた。相手は使い手、永倉新八。十分にその腕前を披露した吉村はどんどんと重要な役柄に取り立てられていった。しかし、この吉村、とにかく金に執着する。命知らずの組の中で、ひたすら吝嗇に励む吉村は奇異な目で見られていた。その中でも特に目の仇にしていたのが斎藤一。自分を殺すものがいないので生きてい . . . 本文を読む
20世紀初頭の上海、食い詰めた外国人や一旗もくろむ山師、夢を求めた人々がうごめいていた頃。詐欺師伊沢は、今日も悪徳武器商人、黄をペテンにかけていた。貧しいその他大勢のエキストラを使って。彼らに分け前を与えたあと、革命家関に目をつけられる。
黄が復讐のために放った殺し屋から身を守ってもらった伊沢は、武器を必要としている革命運動のために何とか調達しなければならない羽目に陥る。断れば、革命家達につるし . . . 本文を読む
初老のごく普通の夫婦、会話は少ないがツーカーの様子が長い年月の夫婦生活を感じさせる。バカンスにやってきた海辺の別荘、椅子にかけられた布1枚取る様子まで、夫婦の間合いがわかる。そんなゆったりした日々を送ろうとした矢先に事件は起こった。人気のいない海岸を選んだジャンとマリー、しかし、マリーがまどろんでいる間にジャンが行方不明になってしまう。
溺れたのか、自殺?そんなことはない。失踪、ありえない。夫が . . . 本文を読む
1976年11月25日アメリカ、サンフランシスコで行なわれたザ・バンドのファイナル・コンサート。その最後の舞台に奇蹟のようなミュージシャンが集い、彼らとザ・バンドのセッションが行なわれた。その様子と、ザ・バンドのメンバーに対する監督自身のインタビューから構成されているのがこの映画だ。
私がロックに狂っていたのは中学生から高校生にかけて。愛読書は「ミュージック・ライフ」。渋谷陽一氏のロック講座を聞 . . . 本文を読む
高校生のドニー・ダーコはちょっと危ない奴。放火歴もあれば、逮捕もされている。車の運転も21歳まで禁止。精神科医に通い、薬を飲んでいる。頭は悪くないのだが、感受性が強すぎるのか・・。不気味な理解不能の息子を母親は、懸命に守ろうとしている。
夢遊病癖もあるドニーは、外で目覚めるなどと言う事もままあった。そして、その日も外で目覚めた彼は、腕に世界の終末までのカウントダウンの数字が書かれていたのに戸惑う . . . 本文を読む
ゴム会社に勤めるピニョンはごく普通の平凡な男。未練たらたらの妻には愛想をつかされ、高校生の息子は会ってもくれない。会社からはリストラを告げられ、いよいよ断崖絶壁に立たされた。世をはかなんで自殺を図ろうとしたとき、隣に引っ越してきたという老人に止められる。そして、窮地を救ってやるという。
老人の計画とはごくノーマルなピニョンをゲイに仕立て上げる事。同性愛者を敵に回すといまや恐ろしいと言う事を逆手に . . . 本文を読む
「アンダーグラウンド」で全世界を制覇したエミール・クストリッツア。その後、「映画は撮らない!」なんてあまりに悲しい事を言ってたくせに、ちゃんと「黒猫・白猫」を撮って安心させてくれた。そして、フランス映画に出演までしてしまって、そのタレントを十分に見せてくれたと思ったら、実は彼はミュージシャンだったという。
「アンダーグラウンド」でも「ジプシーの時」、「黒猫・白猫」でも一度聞いたら耳について離れな . . . 本文を読む