迷宮映画館

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メトロ42

2014年09月15日 | ま行 外国映画
去年まで、毎月毎月、都合47作品も見てしまったロシア映画。4年間、まるで苦行のように、いや、講義でも受けるかのように、毎月ロシア映画を見ておりました。と言っても、最近のではなく、ソ連時代の作品がほとんど。で分かったこと、大仰で難解で、とことんこだわりの極地のようなもんがうさうさ。そして、採算度外視。国制に合致さえすれば、これで儲けようとか、制作費の回収をしなければ・・・・みたいな呪縛がない。これって、作る方としては夢のようなことかもです。ただし、国制に沿わなければならないのは必須。さ、どうする?

そこから見えてきたのは、見せるところは徹底的に半端なく見せる。もしかしたら、人命なんか二の次かもしれないです。(ちょっと言い過ぎ、、、ですが、「戦争と平和」なんか見てると、何人かは死んだんじゃないの?と思うくらいの迫力です。)と、エイゼンシュテインからのモンタージュ的人物の撮り方。しつこいまでのアップ。粘っこいひき。こんなことを感じているのですが、そのテイストがそこここに散らばってて、それなりに楽しませていただきました。

ソ連時代の遺物。いかにもありそうな、古いいまにも事故が起きそうな地下鉄。見回りをしている作業員は、このままじゃやばい!と言ってるのに、聞く耳も持たないってのも、いかにもな話。そこに集まってしまったのが、それぞれ事情を抱えた人たち。妻に浮気されてる医者、その浮気相手、医者の娘に、あとはお話の添え物のにわかカップルに、自己中ビジネスマンとか。

その他、とんでもない人数が乗った地下鉄が、突如あふれ出した地下水に飲み込まれ、列車が濁流に流されていく~!!!!さあ、絶体絶命の危機の中、彼らは助かることができるのか!!!!というお話。ちょっとざっくりすぎますが、話は簡単。

押し寄せる水はなかなかの迫力。急ブレーキによって、乗客たちがいっせいに一方方向に飛ばされ、とんでもな状況になるのですが、容赦ないのは相変わらず。そこで終わらず、列車が動いたり、感電したり、はたまた水の流れで押し寄せる列車と、次から次へと容赦ない危機が押し寄せます。らしくていい。

で、都度都度はいるのが、対応のまずさと、まずいものには蓋してしまえ!という変わらない体質を見せます。こういう地下鉄のダイヤとか、事故とかを見ると、日本の電車事情の整備され方の見事さをつくづく感じます。

取り残された彼らが助かるか、どうかは見てのお楽しみですが、最初の方にいろいろと布石を置いて、このおいた石は、どう関連して、どうやって収まるんだろうかなあ・・・と思ったのが、ほとんど置きっぱなし。最初の作業員も、すご技の医者の腕も、ほぼ見せ場なし。この辺の脚本の適当さもロシア流っちゃ、そうなのかもです。

ぜひとも地下鉄はきちっと整備していただいて、よその国に行っても、安心して移動したいもんです。主人公の妻の綺麗さが半端なかった。スラブ系の美人って、本当に美しいい。

◎◎◎

「メトロ42」

監督 アントン・メゲルディチェフ
出演 セルゲイ・プスケパリス アナトーリー・ベリィ スベトラーナ・コドチェンコワ


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