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第509回 気楽に挑戦?数学パズル

2023-02-03 | エッセイ
 中学の時から数学が好きになりました。チマチマした計算が中心の「算数」から脱して、方程式を使えば(ほとんどの)問題がスラスラとパズル感覚で解ける快感に目覚めたのです。今でも数学的なことにはちょっぴり関心があります。そんなわけで、「解きたくなる数学」(佐藤雅彦 岩波書店)に出会って、ビジュアルな問題、解答を十分に堪能しました。
 4問を選んでご紹介します。ヒラメキと(問題によっては)中学時代に習ったことをちょっと思い出しながら、気軽に「挑戦」してみてください。前半に問題を、後半に、画像付きで正解、解法をまとめました。「答え合わせ」だけでも十分にお楽しみいただけるはず。では、さっそく。

★第1問 お得なチョコはどっちだ★
 大、中、小のサイズで、いずれも正方形の板チョコ(厚さは同じ)があります。

 大きな1つ、または、中、小の2つ、のどちらかが選べます。3枚のチョコをうまく配置すれば、どちらが得かわかります。さて、どうすれば?

★第2問 チーズを分ける★
 ご覧の「台形」のチーズを、4人家族で分けることになって、お母さんは、図のように切り分けました。下の大きいのはお父さん、上の小さいのはお母さんの分です。左右の形が違う三角形の面積が同じだということを、2人の子供たちに納得させてください。

★第3問 コイン取りゲーム★
 左から、50円、5円、50円、1円、10円、100円の6枚のコインが並んでいます。

 2人で交互に1つずつ、ただし、右端か左端のコインしか取れません。全部取り終わって、合計金額が多い方の勝ちです。先手の私は、左端の50円を取りました。勝てますか?

★第4問 一刀両断★
 直方体のチョコレートケーキの上に、直方体のチーズが乗っています。

 ナイフで、上から1回だけまっすぐ切って、ケーキもチーズもちょうど半分ずつに切り分けるには、どう切ったらよいでしょうか?

*** それでは、正解と解法編です。***
★★第1問の答えと解法★★
 ピタゴラスの定理というのがあります。直角三角形の3辺で、左図の関係が成り立つというものです。チョコの面積は、辺の2乗ですから、右図のように並べてみます。

 この問題では、3辺で直角三角形にはちょっと足りませんから、大きい1枚を取るのが得、ということになります(もし余れば、2枚取るのが得になります)。懐かしいこの定理を知ってれば、損をしなくて済みますね。

★★第2問の答えと解法★★
 問題の時と同じ画像です。お父さんの分と左上の三角形(子供の分)を合わせた三角形を考えます。そして、お父さんの分と右上の三角形を合わせた三角形も考えます。

 この2つの三角形は、底辺が同じで、高さも(台形なので)同じですから、面積は等しいです。そこからお父さんの分を引いたのが、それぞれ子供たちの分ですから、面積は同じです。小学校低学年以上の子供だったら、「納得」してもらえそうですね。

★★第3問の答えと解法★★
 勝てます。必勝手順があるのです。もう一度、6枚のコインが並んだ図を載せておきます。

 相手の初手は、右端の100円を取るしかありません。次に私が5円を取れば、相手は50円を取って、私の負けですから、右端の10円玉を取ります。さて、相手の2手目は、50円玉の両隣の5円玉か1円玉を取るしかありません。いずれにしても、私は、50円玉をゲットでき、勝ちとなります。
 このコインの並びの場合、先手は、1→5→3枚目(赤丸をつけたコイン)と取るのが最善手で、その場合、相手は、6→2→4枚目(青丸をつけたコイン)と応じざるを得ません。私の合計(110円)の方が、相手(106円)より多い、と気づいたのが勝因ですね。

★★第4問の答えと解法★★
 長方形の中心点(2つの対角線が交わるところ)を通れば、どんな向きの直線で切っても2等分できます。なので、図のように、チョコレートケーキの中心点(図の右の白丸)とチーズの中心点(ちょっと見ずらいですが、左斜め下の白丸)を結ぶ線で切れば、両方を一刀両断できるというわけです。

 実際にやるとなれば、それぞれに対角線の切れ目をうっすらと入れて中心点を決めるズルはOKとする必要はありそうですね。

 私は、第2問と第4問が解けました(←自慢)。皆様はいかがでしたか?パズル感覚の数学に親しみを感じていただければ幸いです。それでは次回をお楽しみに。
 
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