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第558回 パズルで固い頭を柔らかく

2024-01-12 | エッセイ
 手軽なパズルを解くのが好きです。高校生の頃、「頭の体操」(多湖輝(たご・あきら) カッパ・ブックス)というパズル本のシリーズがベストセラーになり、私も父が買ってきた何冊かに挑戦しました。著者は、千葉大学の心理学教授(当時)で、発想の転換が必要だったり、心理トリックが仕掛けられていたりする問題を(出来はともかく)楽しみました。
 先日、新古書店で、その新装版が何冊か並んでいたので、「BEST」という選り抜き版を購入し、再チャレンジしました。問題、回答を覚えているものもあり、成績はまあまあ、といったところでしょうか。皆様にも楽しく挑戦していただけそうな5つの問題を選び、お届けします。問題は前半に、回答は後半にまとめました。なお、以前お届けした数学パズルへのリンクを文末に貼っています。合わせてトライしていただければ幸いです。それではどうぞ。

★第1問
 形の違うコップが2つだけあり、いっぽう(図の左)に酒が入っています。この酒を二人で分けて飲もうということになりました。両方からぜったいに文句の出ないように分けるにはどうすればよいでしょうか。

★第2問
 ある細菌は、1分たつと、2個に分裂し、また1分たつと、そのそれぞれが分裂し、合計4個になります。こうして、1個の細菌が瓶(びん)にいっぱいになるのに、1時間かかるとします。
同じ細菌を、最初2個から始めると、瓶にいっぱいになるまでに何分かかるでしょうか。

★第3問
 100チームが出場する野球のトーナメント(勝ち抜き戦)で、優勝決定までに、最低、何試合必要でしょうか。

★第4問
 ジョーカーを除いた52枚の1組のトランプがあります。これをよく切って、26枚ずつの2つの山(A、B)に分けます。このとき、Aの山の黒のカードの枚数と、Bの山の赤のカードの枚数が、ぴったり同じになるのは、1000回のうち、何回ぐらいでしょうか。
★第5問
 図のように半径1メートルの円が4つ、ぴったりくっついて並んでいます。濃い色の部分(4つの円に囲まれた部分と、1つの円の合計)の面積を、円周率を使わずに求めてください。


回答編です。
☆第1問の答え
 まず一人が、自分がどっちを取っても文句がないと思うまでじっくりと酒を二つに分けます。その上で、もう一人に好きな方を選ばせます。こうすれば、文句の出ようがありません。
<芦坊コメント:量的にきっちり分けることをつい考えてしまいます。この方法なら、文句の出ようがありません。子供にオヤツを分ける時などに応用ができそうです。>
☆第2問の答
 59分です。最初の1個が2個になるのに1分かかります。2個からスタートするのは、この1分が短縮されるだけ、と考えればいいのですね。
<芦坊コメント:だいぶ短縮されそう、とつい錯覚しそうです。>
☆第3問の答え 
 99試合です。1試合するごとに1チームが消えていきます。優勝の1チームだけが残るためには、99試合必要です。<芦坊コメント:引き分け再試合がなければ、この通りです。問題には「最低」何試合、と断ってありました。ヒントがここにあった気がします。>
☆第4問の答え
 枚数は常に同じです。赤と黒のカードが各26枚、2つの山も26枚ずつというのがポイントです。
 まず、Aの山を考えます。黒のカードを「X 」枚とすると、この山の赤のカードは、(26ーX)枚です(26枚の山なので)。
 Bの山です。黒のカードは(26ーX)枚(黒は全部で26枚なので)です。赤のカードはX枚(Bも26枚の山なので)になります。結局、「Aの黒」と「Bの赤」は、常に同じ枚数です(「Aの赤」と「Bの黒」も)。<芦坊コメント:52枚という数に惑わされ、加えて、問題に、1000回のうち、何回」といかにも稀な現象のごとく「心理的ひっかけ」が仕組んであり、私もひっかかりました。>
☆第5問の答え
 ご覧のように並べ替えれば、1辺が2メートルの正方形ですから、4平方メートルです。

<芦坊コメント:「円周率を使わずに」というのがヒントになってましたね。>

 いかがでしたか?冒頭でご紹介した記事は<第509回 気楽に挑戦?数学パズル>です。是非、挑戦してみてください。それでは次回をお楽しみに。