以前、このブログで、私自身のテレビ離れぶりと、世の中のテレビ離れぶりを、ざっとご紹介しました(第140回 「テレビ離れ」)。ツマラない番組の垂れ流しは、相も変わらず続いていて、テレビ離れはどんどん進んでいるようです。
その時はご紹介できなかったデータが、目にとまりましたので、ご紹介かたがた、続編をお送りしようと思います。
まずは、日本のデータから。
現在、日本で、唯一、テレビの視聴率調査をしている「ビデオリサーチ社」(以下、「リ社」)のサイトを見ていたら、1996年から、2016年までの年間高視聴率番組ベスト30というのが出てます。
最も古い1996年は、紅白歌合戦の53.9%を最高に、40%台が4番組、30%台が16番組、20%台が9番組で、30位の視聴率は、29.0%
という内訳です。
さて、最新の2016年ですが、トップは、紅白の40.2%で、40%台はこれだけ。
30%台も、2つだけ、20%台が17で、30位の視聴率は、21.3%という結果です。
視聴率の数字そのものの信頼性については、とりあえず脇に置いたとして、両方の数字を並べて比べれば、テレビ離れが、現実のものとなっていることがよく分かります。
さて、アメリカのデータです。
ちょっと古いですけど、3大ネットワーク(ABC、NBC、CBS)の夜のニュースの視聴者数(一日当たり)が、2000年には、3200万人であったのが、2008年には、2300万人へと。3割近くもダウンしているというのです。ネットの影響もあるとはいえ、海のむこうでも、テレビ離れは、着実に進行しているようです。
さて、これだけ「テレビ離れ」が進む中で、テレビ局、スポンサー、広告代理店が、相変わらず、しがみついてる視聴率って、どんなものなんでしょうか?
今どきのことなので、リ社も努力はしているようです。テレビを見るスタイルの変化に対応して、「個人別」の視聴データとか、「録画」で視聴したデータをサンプル調査しています。最近では、サンプルも増やしたりしています。
だけど、なんの断りもなく、単に視聴率と言った場合は、「「世帯」視聴率」を指す、というのが、「業界」の常識なんですね。
分母は、調査用の機械を置いているサンプル「世帯」数(関東地区の場合、ず~っと600世帯でしたが、最近、900世帯に増やしました)で、分子は、ある番組を見た「世帯」数になります。
一家に一台のテレビを、家族が茶の間に集まって見る・・・そんな状況を前提にしてるんですから、いかにも時代遅れ。かつては、これが日常風景でした。
でも、ず~っと、それでやってきてますから、今更、いろんな数字を出して、混乱させたくない(詳しいデータを出せば、数字は下がるに決まってますから)、数字の継続性とかもあるし、、、、という認識を関係者で共有してるんでしょうね。
そんな程度の数字なので、精度とか信頼性を云々するのは、ナンセンスだと分かっていますが、ず~っと抱いている疑念があります。
自分がモニター(調査対象世帯)になったら、と考えた時に浮かぶ疑念なんですけど・・・・
特に見たい番組がない、ほかの用事をしている、時には外出してる・・・そんな時、普通は、テレビを消します。調査用の装置もオフになるはず。
ですけど、「モニターの私」は、「これはいろんなことに使われる大切なデータだとリ社の人から言われてる。おカネも貰ってる」
「だから、テレビを見てない時も、テレビはつけたまま(チャンネルは適当に合わせて)にしておいて、調査に「協力」しておこう」
そんな「忖度」が働いて、視聴率の数字が水増しされるような気がして、仕方がありません。
そんな「忖度」での水増しはどれくらいか?
全く根拠はないですが、5軒や6軒に1軒くらいは、そんないい加減な(協力的な?)家があるとして、15%といっても、せいぜい10%くらいかな、と勝手に想像しています。
ともあれ、止めようがない「テレビ離れ」の中で、いまだに「視聴率」というあやふやな数字に振り回され、一喜一憂してる「業界」の人たち。
「メデイアの王者」「娯楽の王者」というプライドだけは高いのが、どうにも困ったもんですが・・・「裸の王様」という陳腐な言葉を思い出しました。
いかがでしたか?それでは次回をお楽しみに。