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第224回 時計を止める

2017-07-07 | エッセイ

 久しぶりに、スポーツの話題をお届けします。

 決められた時間の中での得点を競う球技は、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボールなどいろいろあります。なかでも世界的に人気のある球技と言えば、サッカーでしょう。

 日本代表の試合を、テレビ観戦する程度のファンですが、いつも不思議に思うのは、「なぜ時計を止めないのだろう」ということ。サッカー場の時計です。



 かつてよく観戦していたアメリカンフットボールの場合、15分のクォーター制ですから、正味プレイ時間は60分です。

 でも、タイムアウトを取れば(前後半各3回まで)、当然時計は止まります。そのほかに、パスを失敗した時とか、ボールを持った選手がサイドラインを割った時など、時計を止めるためのルールが、きっちりと決められていて、じつにこまめに時計が止まります。なので、「観戦時間」としては、ハーフタイムの休憩を除いて、倍の2時間くらいになるのが普通です。

 大学の試合で、秒単位の表示装置がないスタジアムで行われる場合は、専用の表示装置をフィールドに置くなどして、時間管理をしっかり行います。
 選手も、観客も、秒単位の残り時間を「共有」しながら、選手はプレーを組み立て、観客は、ドキドキ、ハラハラ成り行きを見つめます。
 試合の終盤、逆転を狙う攻撃側は、いかに時間を有効に使うか(うまく時計を止めるか)、守備側は、いかに時計を進めるか(時間を消費させるか)の知恵競べが、極めてフェアに出来、球趣を盛り上げる仕組みです。

 翻って、馴染みのあるサッカーの場合、ということになるのですが・・・・

 90分の試合時間の内、実際にプレーが行われている(ボールが動いている)時間は、40分程度だというデータがあるんですね。約半分というわけで、アメリカンフットボールの場合の経験値とよく合う。

 ラインやゴールの外に出たボールを取りに行く、ボールを入れる、レフェリーの判定にクレームを付ける、強い当たりで選手が倒れる、ゴールの後のお祭り騒ぎ、そして、乱闘、小競り合いなどなど。実に雑多な「ムダな時間」があります。

 だから、前後半にアディショナルタイムというのがあって、各ハーフの試合終了直前になると、主審が、3分とか5分とか決めて、ボードで表示するんですけど、これがよく分からない。
 
 どうも3分ぐらいを基準に、ケガ人が出て、小競り合いがあったから、5分かな、とか、特に何もなかったから、2分とか、ホームチームが負けてるから6分(実際、8分というのを見たことがある)とか、「ええ加減に」、「勘で」決めてるような気がして仕方がない。
 しかも、アディショナルタイムが何分が表示されるのが、各ハーフの終了間際というのも不可解。接戦で終盤まで試合がもつれた場合、3分と5分では、戦い方も違ってくるはずで、フェアとは思えない。

 時計を止めることのメリットはいろいろ考えられます。

 残り時間をきちんと「共有」しながら、フェアに戦える、というのが一番ですが、最近では日本のプロ野球でも導入されてる「ビデオ判定」の導入が可能になる、というのも大きいメリットではないでしょうか。審判も、時間を気にせず、じっくり判定できますからね。

 で、デメリットですが、あまり考えられません。あえて言えば、審判に、時計を止める、進めるの指揮(コントロール)をするという「余計な仕事」がひとつ増えるくらいのことでしょうか。

 いっそ、フットサルの公式戦ルールみたいに、前後半各20分にして、「時間を止める」(ボールがピッチを出た時、ファウルがあった時など)ことにしたらどうでしょうか。「試合時間」がえらく短くなるみたいですけど、他の球技の例からしても、半分くらいは、ムダな時間ですから、「観戦時間」は、実質的に今と大して変わらないはずですし・・・

 「それもこれも含めてサッカーというゲームだ」と、ゴクウさんあたりに言われるのは、百も承知の上での、ど素人の「大胆なご意見」ですけど・・・いかがでしょうか?

 それでは次回をお楽しみに。