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第161回 「日本式」パーティー

2016-04-15 | エッセイ

 「日本式」パーティーが、苦手というか、いつも時間のムダだと思う。で、私にとっての「日本式」パーティーというのは、だいたいこんな感じ。



 1.会社、団体、サークルなどが主催で、ある程度(数十名以上)以上の人数が集まる。中には、「集める」こと自体が目的みたいなものが多く、場所もしかるべき会場が選ばれる。だから、挨拶、乾杯の音頭など、セレモニーがつきもので、煩わしい。

 2.講演会、発表会など本来の目的たる行事のあとの、「おまけ」(参加への見返り)として催されるもの。それゆえ、飲食メニューの質と量が勝負になる。会費を払った参加者も、モトを取るため、飲食に集中しがち。たまたま来合わせた数少ない顔見知りと旧交を暖めるのがぜいぜい。新たな交流は求める参加者はほとんどいない。

 リタイヤして、この種のパーティーに出る機会はうんと減ったが、参加している会の例会が、年に数回ある。事務局の一員として、その後のパーティーに、なかば義務的に参加しているが、いつもながらの「日本式」に気が重い。

 本来の交流の場とすべく、個人的には、努力しているつもり。顔見知りがいるテーブルに寄って、友だちの輪を広げる工夫はしている。また、ゲストスピーカーとして、結構メジャーな人も来たりするので、手持ち無沙汰にしている人には、「ゲストの人と、お話ししましょうよ」と誘ってみたりもする。

 つい最近は、結構売れっ子の作家が、ゲストとして来ていたので、誘って来てくれた知人に「ねぇ、せっかくだから、ゲストの方と話ししようよ」と誘ったのだが、「いや~、ボクはいいから・・」と遠慮している。もったいない・・・・

 友だちの輪も思うようには広がりませんね。年配の人が多いせいかもしれないが、いまさら、交流を広げたり、深めてもなぁ~、商売につながる訳でもないし・・・みたいな空気が流れている。こちらもろいろ話題を振ってみるが、盛り上がらない、つながらない。私の努力も足りないのだが・・・・

 事務局の会合でも、パーティーのあり方が、テーマにのぼる。「事務局メンバーが率先して、参加者とゲストスピーカとの橋渡しをするとかしたらどうですか」などと提案してみる。「そうねぇ」残念ながら、反応は鈍い。それより、次の企画とか、パーティー予算のほうの議論が熱い。

 数少ない経験からだけど、英語圏でのパーティーは、自宅(日本との住宅事情が違いますからねぇ)で開かれるのが多いが、まったく様相が違う。飲食は従で、参加者同士の交流があくまで主。

 だから、ホスト役が、積極的に交流の仲介をしてまわる。「こちら、だれだれ。どこどこの会社勤務」その程度の紹介で、あとは、お二人で、交流を、というわけだ。

 もちろん、参加者も積極的に動く。日本でのように、親しい相手だけと長々と話しをするということはまずない。適当なところで切り上げて、話し相手を探す。他人の話しに割って入るのも、それなりのマナーは必要だが、そう失礼ではない感じ。割り込まれたほうも、当たり前のように、新しい交流相手を探す。

 結局、パーティーの目的を共有しているから、ごく当たり前に交流の輪が広がっていくし、それ相応の話術が、普段から身に付いているということなのだろう。

 飲食と、モトを取る、という目的だけを共有しがちな「日本式」パーティー。なんとかならないかな~、といつも思います。

 いかがでしたか?次回をお楽しみに。