Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

『日々のアンサンブル』

2008-07-29 | 過去のライブ後記
昔からの知り合いであるドラマーの板垣正美氏の主宰するドラム教室が、
毎年夏に発表会を行う
その発表会で、ドラムを叩く子供達の伴奏をする仕事に呼んでいただいて
かれこれ5年目くらいになるだろうか

今日、その発表会だった

子供との演奏が好きだし、いつも興味深いものがある

だからこそ、子供と演奏する時
「手加減」したくないと、いつも思う自分がいる

子供を子供扱いすることにより
大人の価値観からの目線となり
彼等から発せられるピュアな信号を見落とすのが
もったいないのだ

子供たちは、自分の技量の未熟など意識もしていない
「プレイしたい」という、ただそれだけの想いが
十人十色の輝きを発する

それは本当に微笑ましい光景を生む



そんな子供たちの中で
毎年、一人か二人くらい
こちらが本当に気持ちよくさせられてしまう演奏をする子がいる

それは
「相手の音を聞いている」子なのだ

「聞こえてる」から、自然に「合わせる」意識が働く

合わせることは、調和を生む
アンサンブルの基本なのだ

技量の未熟から、乱れる場面もあるが
またすぐに、立て直す

何十年ギターを弾いている、大人の僕がしているのと
まったく同じことをしている

今年は、小学2年の小さな男の子が、
ドラムセットに埋もれるように、そんなプレイをしていたのが印象に残った

彼は、ドラムを叩かない普段の時間の中でも
きっと相手からの信号を「聞く」人だろう

なんだか嬉しい




まずは「聞く」だけで良いんだよな

それだけで、日々のアンサンブルは自然に生まれてゆく

僕も忘れないようにしよう

コメント
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