パッチン...パッチン...パッチン
指を鳴らす音
2ndステージの1曲目の手前
指パッチンで会場をあおるアキノリ君の指先は
実は既にシワシワになっている
1stステージの冒頭で客席を
指パッチんであおりすぎて指の皮が剥ける寸前で
それでシワシワになっているのである
なのに
1stより更に強い指パッチンで客席をあおっている...
...これだな...やはり...
中川晃教という人の特質は...
さっき楽屋で「指が痛い;;」とベソをかいていたではないか
それをもう忘れてる
のか
越えようとしているのか
多分、後者
ステージ上の彼の辞書に「引く」という言葉は無いのだ
指パッチンは会場に広がり
僕は生まれて始めて
会場中から聴こえてくる指パッチンの手拍子(指拍子?)に乗って
フレーズを弾き始める
この予想外の展開にウケている自分が居る
ウケながら自分のアイドリングの回転数が上がってゆくのが解る
「さっき楽屋で見たアキノリ君のシワシワは
そろそろ今頃、ズル剥けているかな...」と頭を一瞬よぎる
今まで生きて来たことの全てを注ぎ来んだ(つもりの)第1音を弾いたら
会場の誰かが驚いたような声を上げた...ような気がした
「ごめんなさい、いきなり過ぎたかな...
だけど今は緩められない
もう始まってしまってるから」と思う
だってこの1音で、この後の全てが決まってしまうから
ピアノのフレーズと絡ませながらジャムセッションが展開してゆくと
その上に声のフェイクを乗せて来る
試しに強い音を仕掛けてやろう
すると声は、更にその上にかぶさって来る
じゃ、弱い音を弾いてやろう
すると声が止まり「間」が広く取られる
声は止まっているがアイドリングはむしろどんどん上がっている
彼の中に『焦れったい待ち切れないガス』が溜まるから
次のスパークが寄り激しくなる
声は一気に信じられないハイトーンに駆け上り
「名古屋~~名古屋~~Ha~~~~~~~~~~~~~~~」とか叫んでいたら
そのうち
「敏~~~感~~~~~~~~~~~~~っっ!!!」
と長く叫んだ
(ように僕には聴こえた...)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
鬼のようだった数日間のリハの最後の日
アキノリ君がこう言った
あき「ユニット名、センシティビィティーズにしましょうよ」
さか「何?」
あ「僕らって、音に敏感でしょ だから」
さ「あぁ...敏感、てことね
でもやだよ
最後に『ズ』が付くのは恥ずかしい」
あ「じゃ、『エアー』は?」
さ「それの方がいいな
『中川晃教 with Air』みたいになるわけでしょ?」
おおつぼ
「いっそ敏感ボーイズでいいんじゃないですかね?」
(ボーイズ...って...林女史はどうなる...大坪さん...)
。。。。。。。。。。。。。。
名古屋 Blue Note
1stステージ直前のステージ袖で
あ「じゃ、全員で気合い入れましょうか」
(全員で手を重ねる)
あ「かけ声は何にします?」
さ「『びんか~ん、、、、、おぉぅ!』でいいんじゃないの?」
あ「じゃ、いきますよ
びんか~~~~~~~~ん、、、、、おぉぅ!」
お「あぁっっっ。。。完全に入った。。。スイッチ入った。。。」
そしてステージへ...
そして(あ)は指パッチンでシワシワに
僕は、、、と言えば
2曲目終わりで右手の人差し指の爪が割れ
6曲目で左手がこむら返り
右足の薬指が内側に吊り始め
おまけにホテルに帰って左足も吊った
その後、次々にリハの打ち合わせと違うプレイが続出
メンバー全員、回転数が上がっていて
普段の3割増しでお届けしてるのだとわかった1st
2nd、Pf弾き語りで(あ)は鼻血
(これも3割増)
歌う表情をクシャクシャしながら鼻血が垂れるのだけは
なんとか防いだそうだ
。。。。。。。。。。。。。。
因みに2nd冒頭で(あ)のフェイクが
「敏~~感~~~~~~~~~っっっっっっっ!!!」
と叫んだように聴こえたのは僕だけ
(あ)は
「そんなこと歌うわけないじゃないですか...」
だから僕だけの幻聴だったようです
幻聴もまた3割増だったってこと...
。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。
今回
全てが3割増だったと思える名古屋
アキノリ君と関わらせていただき10年目
膿む
飽きる
惰性など
が一つも無い
奇跡的な関係性が10年かけてやっと生み出した3割増です
他では絶対に生まれない
全てを思い出し、全てを書き記したら
とんでもない量になってしまいます
僕が
見て、聴いたほんの1部を記させていただきました
そして昨夜
お客様の数だけの
3割増のストーリーが生まれてくれていたら
と願うばかりです
このメンバーで次回があることを信じていますし
次回は更にパワーアップする、とも信じています
皆さんにまたお会い出来るのを楽しみにしております
ココロより感謝しています
ありがとうございました
(打ち上げで皆同じハーフビールを頂きました)
打ち上げでも(あ)は、また鼻血
どれだけ歌ったんだろう、彼は^^
お疲れさま
アキノリ君