誰にでも多かれ少なかれ心の傷や
トラウマのような物は在るだろう
そして音楽にはそれを癒す力が在る
ところが
癒す力があるが故に
無意識のうちに
自分の内部の傷みを音楽の治癒力に依存していることになる
音楽が麻薬のような痛み止めとして作用する時間が
積み重なる程に
それを手放せなくなる
麻薬である「自分の音楽」という存在を
手放すことが出来ないために
人間関係をも犠牲にしたりする
しかし、こうなると
音楽が善か悪かすら判らなくなる
ほとんど詳しくもないが
古代から語り継がれる神話
に出て来る神々が
全能でありながら
嫉妬深かったり
争いを止めなかったり
するのと同じ真理かと思う
所詮この世界の真理は
全てが陰陽の摂理に属する
自分がしっかりと根を降ろしたと感じていたものも
一瞬で消えてしまう
命の営みとは
泡沫なのだ
こんな時、私は
無性に人恋しくなり
そして同時に
誰とも関わりたくなくなるのだ