Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

『何故、僕が音楽で泣くのか』~僕の中のセンチメンタリズム~

2008-07-18 | ギターの栄養
昔から、音楽を「色」や「絵」のように感じる


メロディー、音色、和音、和音の流れ等から受ける印象を
色彩的に感じるのだが
色彩として感じる感覚は、音以外のもの
日常の出来事なんかに対しても元々ある


人間同士や、動物、植物や自然現象等から感じられる信号が
僕に与える「風通し感」「温度」「摩擦感」「圧迫感」等に対しても
色彩的に捉える感覚を持っている


この、日常と音楽にまたがる感覚が僕の中では、
どちらとも区別のつかないひとつの「色彩映画」
のようなものになって毎日繰り広げられている





この観念的な「色彩映画」は、リアルタイムにいくらでも形を変えるし
時空も、難なく飛び越えてしまう


過去の記憶にも「色というマーキング」がされていて
瞬時に、そこへ飛んだりする





「今」という感触と
「過去」という記憶の中の感触が
「色」という共通感覚で重なり合うことにより生れ出る
その「観念世界」に自分が包まれる時
現実では得られない、自由で風通しの良い世界に浮遊することが出来る


喜びの感覚だけに留まらず
「過去」の悲しい記憶や
「今」の息苦しさ等
ともすれば現実ではマイナス要素と扱われがちなものの一つ一つまで
綺麗な色彩を放ち
その映画を彩る大切な素材となる


そこに身を置くことから
美しい色達、一つ一つへの愛しさが生まれ
哀しみや苦しみという感情に対しても
「微笑む気持ち」が生まれる


過去の涙はこうして
「微笑みながらの涙」へと昇華する

現在の涙も
次の瞬間には過去のものとなり
いずれは昇華されてゆくのだ、と知ることで
「微笑みの涙」だと感じることが出来る




こうして僕の音楽は
今までも、この先も
愛しさという感覚を伴いながら
涙が止まらなそうなのだ

コメント
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