この1ヶ月以上
昼も夜もなく暮らしている
自分があまりに疲れてしまい
先生を少し泣かせておいても大丈夫かな、と放って様子をみる時もあるが
喉が張り裂けそうな泣き方をするので結局、抱っこしてしまう
出来る仕事は抱っこしながらやる
その連続
昨日から今朝までかかって仕事の仕込みをして明け方眠った
昼近くに起きて授乳とオムツして
そのあと僅かにご機嫌な時間が来るのだが
その僅かな隙に妻が気絶入眠した
僕が寝ていた間にも数度の授乳で起きていたはずの妻が
授乳クッションを背もたれに、上半身壁にもたせたまま
少し左に傾き、傾いた頬に前髪がかかる
口は半開きにして眠っている
気付くとその姿を、やはり口半開きの自分が朦朧と見ていた
急に可笑しさが込み上げて来て
えへへへ、と笑ったら妻が充血した目を開いた
「ヒヒャヒャヒャ...我々は関ヶ原で破れた、大阪方の落ち武者だ」
「ふひゃひゃひゃ」
「泥まみれの戦場跡でオレ等はもうダメだが
足をピョコタンピョコタンしてるこの小さな生き物だけが
元気に命の喜びを表している
気付けばこの光景、大いに愉快だとは思わないか?」
生後6週間経った
大変だといわれている3ヶ月の約半分過ぎたところ
竹斎先生の泣き声にも自分が大分慣れてしまい、鈍感になってきた
生まれたばかりの時、
よーし!先生からの信号は全部、判るようになってやるぞ~
と意気込んだ自分だったが
泣き方での判断は、僕にはまだわからない
しかし妻には判るらしい
「あと2分で泣くよ」とか言う
本当にそれくらいで泣いたりする
母親という生き物は本当に凄かった
最近、多少泣いても
しばらく放っとかれがちになってきた竹斎先生
抱っこされてる間も
いつ下に降ろされないかと警戒している
抱かれて落ちついている時も
目線だけは妙に懐疑的にこちらを見詰めている
お茶を飲むのに片手抱っこして、カップをとると、もう泣く
先生からカップに目を移す、ということは
先生にとっては、抱っこから降ろされる気配がする、ということで
いってみれば「油断するとイヤな目に遭う」というシナプスを繋げてしまっている
こういうシナプスは、なるべく繋げずにおいてやりたいものだ
やはり出来るだけ泣かさない方が良いように感じる
親は大変だが...
だが、本人がどんな尺度で決めてるのかは知らないが
抱っこが「十分足りる」と、僅かな時間だが一人でご機嫌に振る舞う
最近、泣き顔ばかりだった竹斎先生の、僅かな間のご機嫌顔