A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記577 「社会科学系のための「優秀論文」作成術」

2012-01-06 22:16:26 | 書物
タイトル:社会科学系のための「優秀論文」作成術―プロの学術論文から卒論まで
著者:川崎剛
発行日:2010年4月15日
発行:勁草書房
内容:
A5判・196ページ

はじめに
第Ⅰ部 社会科学論文の「型」をマスターする
第1章 まずは3つのPを念頭におく
第2章 論文の骨格をつくる
 1 目的
 2 中心命題
 3 「問題と解決」の枠組み
 4 中心命題が持つ含意
 5 まとめ
第3章 論文の細部を仕上げる
 1 中心命題の説得力を最大限にする
 2 表現法で説得力を増強する
 3 まとめ

第Ⅱ部 学位・卒業論文攻略法
第4章 博士論文攻略法
 1 博士論文の基本的性格
 2 研究計画書作成段階での注意点
 3 研究計画書執行段階での注意点
 4 おわりに
第5章 修士論文攻略法
 1 修士論文の基本的性格
 2 修士論文の基本タイプ
 3 修士論文作成上の注意点
 4 おわりに
第6章 卒業論文攻略法
 1 卒業論文の基本的性格
 2 「古い仮説・新しいデータ」型論文のすすめ
 3 卒業論文の骨格
 4 おわりに

第Ⅲ部 学術雑誌攻略法
第7章 学問の「実戦」を理解する
 1 論文草稿が学術雑誌に掲載されるまでの過程
 2 審査員が求めているもの
 3 まとめ
第8章 投稿してつぎに備える
 1 学術雑誌を選び,投稿する
 2 論文生産システムを構築する
 3 おわりに──システム思考の大切さ

あとがき
付録1 研究計画書の作成術
付録2 主なる問題発見法の一覧表
付録3 論文用・研究計画書用チェックリスト
付録4 参考文献ガイド
引用文献
索引
執筆者紹介
(目次より)

購入日:2012年1月6日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 才能のない私が藁をもすがる思いで手にしたのが本書。平易明快な文章で、力強く勇気づけてくれる。これまで数多くの論文指南書を呼んだが、本書はこの類の書では金字塔ではないだろうか。「優秀論文」はまだ書けてないが、いい本かどうかわかるのが読者というものである。オススメ。
 さて、「優秀論文」でも書くとするか・・。


【ご案内】「東京アートギャラリー巡り+東京五美術大学連合卒業・修了展バスツアー」

2012-01-05 23:52:17 | お知らせ
企画に参加させて頂きました。
申込み締切間近!

・・のはずでしたが、急遽締め切りを27日に延長しました!

「2日間で約35箇所!KALONSNETが選ぶ東京アートギャラリー巡り+東京五美術大学連合卒業・修了展バスツアー」
http://www.kalons.net/index.php?option=com_content&view=article&id=7718&catid=0&lang=ja
日程:2012年2月22日(水)~2月25日(土)
   *京都駅発着、往復夜行バス利用の場合。
申し込み締め切り:2012年1月27日(金)(延長しました)
旅行取扱い:近畿日本ツーリスト 京都支店
企画:Gallery Ort Project

・参加資格は、美術への好奇心と少しのお金と体力だけ!
・年齢・性別・国籍・経験・知識は一切問いません。お誘い合わせの上、お気軽にお申込みください。
「バスツアー」となっていますが、オプションで片道新幹線プラン、往復新幹線プラン、現地集合プランもありますので(それぞれ金額が異なります)、ご予定に合わせてお選びください。
・チラシに書かれているギャラリー・美術館名は予定です。当日の天候・交通・参加者数・要望等の都合により、記載されていなギャラリーにも行くかも?
・ちなみに、私はKALONSNETを退職しておりますが、この企画のみ関わっています。


memorandum 040 序

2012-01-03 23:18:48 | ことば

若い読者へのアドバイス……
(これは、ずっと自分自身に言いきかせているアドバイスでもある)

 人の生き方はその人の心の傾注(アテンション)がいかに形成され、また歪められてきたかの軌跡です。注意力(アテンション)の形成は教育の、また文化そのもののまごうかたなきあらわれです。人はつねに成長します。注意力を増大させ高めるものは、人が異質なものごとに対して示す礼節です。新しい刺激を受けとめること、挑戦を受けることに一生懸命になってください。
 検閲を警戒すること。しかし忘れないこと──社会においても個々人の生活においてももっとも強力で深層にひそむ検閲は、自己検閲です。
 本をたくさん読んでください。本には何か大きなもの、歓喜を呼び起こすもの、あるいは自分を深めてくれるものが詰まっています。その期待を持続すること。二度読む価値のない本は、読む価値はありません(ちなみに、これは映画についても言えることです)。
 言語のスラム街に沈み込まないよう気をつけること。
 言葉が指し示す具体的な、生きられた現実を想像するよう努力してください。たとえば、「戦争」というような言葉。
 自分自身について、あるいは自分が欲すること、必要とすること、失望していることについて考えるのは、なるべくしないこと。自分についてはまったく、または、少なくとももてる時間のうち半分は、考えないこと。
 動き回ってください。旅をすること。しばらくのあいだ、よその国に住むこと。けっして旅することをやめないこと。もしはるか遠くまで行くことができないなら、その場合は、自分自身を脱却できる場所により深く入り込んでいくこと。時間は消えていくものだとしても、場所はいつでもそこにあります。場所が時間の埋めあわせをしてくれます。たとえば、庭は、過去はもはや重荷ではないという感情を呼び覚ましてくれます。
 この社会では商業が支配的な活動に、金儲けが支配的な基準になっています。商業に対抗する、あるいは商業を意に介さない思想と実践的な行動のための場所を維持するようにしてください。みずから欲するなら、私たちひとりひとりは、小さなかたちではあれ、この社会の浅薄で心が欠如したものごとに対して拮抗する力になることができます。
 暴力を嫌悪すること。国家の虚飾と自己愛を嫌悪すること。
 少なくとも一日一回は、もし自分が、旅券をもたず、冷蔵庫と電話のある住居をもたないでこの地球上に生き、飛行機に一度も乗ったことのない、膨大で圧倒的な数の人々の一員だったら、と想像してみてください。
 自国の政府のあらゆる主張にきわめて懐疑的であるべきです。ほかの諸国の政府に対しても、同じように懐疑的であること。
 恐れないことは難しいことです。ならば、いまよりは恐れを軽減すること。
 自分の感情を押し殺すためでないかぎりは、おおいに笑うのは良いことです。
 他者に庇護されたり、見下されたりする、そういう関係を許してはなりません──女性の場合は、いまも今後も一生をつうじてそういうことがあり得ます。屈辱をはねのけること。卑劣な男は叱りつけてやりなさい。
 傾注すること。注意を向ける、それがすべての核心です。眼前にあることをできるかぎり自分のなかに取り込むこと。そして、自分に課された何らかの義務のしんどさに負け、みずからの生を狭めてはなりません。
 傾注は生命力です。それはあなたと他者をつなぐものです。それはあなたを生き生きとさせます。いつまでも生き生きとしていてください。
 良心の領界を守ってください……。

 2004年2月

スーザン・ソンタグ

(スーザン・ソンタグ『良心の領界』木幡和枝訳、NTT出版、2004年、pp.~)

傾注中・・
焦ってきてる。