佐渡での夏休みを終えて、職場に戻ったら、案の定、デスクには決裁書や稟議書が山のように積み上がっていた。早朝に出社し、これらを片っ端から片付けた。午前中は目が回るような忙しさで、さすがに午前中の業務が終了したらどっと疲れが出てしまい、昼食後不覚にも、部屋のソファーベッドでうつらうつらと昼寝をしてしまった。短時間のお昼寝ですっかり疲れがとれ、午後のオフイスへと戻った。すると秘書から「肌が焼けましたね」と言われた。日焼け止めクリームをたっぷり塗ってから山野を歩き回った積もりだったが、強烈な太陽の陽射しによる肌焼き効果は瞬間的のようだった。今夏は去年の学習効果で、日焼け止めクリームと虫除けスプレーが随分と活躍してくれた。
さて、佐渡滞在中の頃から政局が妙な方向に動き出していた。谷垣自民党総裁(当時)が、社会保障・税一体改革関連法の成立と引き換えに解散時期の明確化を首相に迫ったからだ。野党が解散権を握るという極めて珍しい政局である。結局、野田首相から「近いうちに解散する」との文言を引き出して決着し、同法は今日参院を通過し成立の運びとなった。これで2014年4月からの消費増税の開始(最初は8%で2015年10月からは10%)が決まった。消費税が増税されると、年収500万の世帯では、年17万円の負担増になるとの試算だが、その程度の負担は筆者にとっては痛くもかゆくもない。問題は解散の時期である。「近いうちに」の表現を巡り、様々な憶測が流れている。曰く、二週間、一ヶ月、三ヶ月、一年と。さすがに任期満了の来年9月まで引っ張れるとは首相も思っていないだろうから、年内か、遅くとも来年1月あたりまでと言うのが暗黙の了解になりつつある。ひょっとしたら、この記事が掲載される頃には解散しているかもしれない。
現実には、衆議院は11月16日に解散され、いよいよ投票は来月16日に迫った。東京都民の筆者は、都知事選とのダブル選挙となる。自身の保身だけを考え、無節操に信念や主張を曲げて大衆に迎合し、離合集散を繰り返し、所属政党や選挙区をころころ変えてまで生き残ろうとする、理念なき厚顔無恥なる第三極の立候補者が跋扈している。賢明なる国民は、そんなまやかし政治屋共をとうの昔に見透かしているが、既成政党に不満を抱く、分別の浅い若い浮動世代は、それでもイメージだけで第三極に期待する人が多いのも又現実だ。政策が一致しない者同士が野合すればどうなるか?それは、首相が解散と宣言した途端、櫛の歯が欠けるように次々に離党者が続出した、政策不一致、寄せ集め集団たる民主党の末路を見れば火を見るよりも明らか!歴史は繰り返すと言う。反自民だけを旗印に政策の不一致を棚上げして連立を組んだ、1993年の細川首相率いる非自民連立政権の失敗を繰り返せば、日本は間違いなく滅びる。元々、水と油の、日本維新の会と太陽の党が合流合併し、その演出劇で一時的に支持を伸ばしているように見えるが、早晩、この野合集団は瓦解するだろう。中国に対する民主党政権の弱腰外交を、「シナに舐められ」と批判し、米国のいいなりになる対米外交を「アメリカの妾」と吠え、「核武装の容認」までほのめかす発言を繰り返す石原氏の暴走を許せば、対中戦争だって勃発しかねまい。既に維新の会は、禁止としてきた企業団体献金を容認したり、そうしないと主張してきたタレント候補を擁立したりするなどの言行不一致が目立ち、組織はもはやボロボロ状態で、資金難から立候補を辞退する輩まで現れる始末である。「できもしない事を吹っかけておいてから、相手の反応を見ながら、徐々にハードルを下げ、落とし所を探って行く」という橋本の手法は、弁護士やヤクザの世界では通用するかもしれないが、政治の世界では「それは、ウソ、ブレ」と批判されるだけである。もう、こんな信用できない、いい加減な代表代行を頂く似非政党はほっとこう。週刊朝日の報道によれば、橋本の父親はやくざで、従兄は殺人犯だそうだ。そのDNAを引きずっているから政治家としては駄目だとは言えないが、喧嘩っぱやくて、滅法喧嘩に強く、弁解上手な橋本市長の体質はこのDNAのせいだろう。この橋本、こんどは、関東の選挙区で候補者が競合するため、政策が近いと言う理由だけで、みんなの党との合流を打診したと言うのだから、開いた口が塞がらない。政治音痴もここまで来ると、子供を通り越し、乳幼児並みである。この、国民そっちのけの第三極のゴタゴタ、内ゲバ、潰し合い、合従連衡は、自・民の二大政党を利するだけで共倒れに終わるのが関の山。結局、漁夫の利を得た自・民・公の大連立で、来夏の参院選までは安泰の構図になり、自・民は願ったりかなったりで高みの見物で笑いが止まるまい。来る総選挙では自公で過半数突破が確実視されているが、自公政権は参院で過半数を持たないため、政策が一致する民主党の一部へ連立を呼びかけると思う。日本維新の会は参院に3議席しか持たないので、連立相手には成り得ず、かと言って、自公維新で衆院で三分の二を確保するほど伸びるとは思えないので、民主党の一部は、新党を作ってでも多分それに応ずるだろう。何故なら、一度、政権与党の甘い汁を吸った者は、その味が忘れられないからだ。橋本の知名度だけが頼りで、維新の風任せの選挙しか出来ない素人立候補集団にろくな人材はおらぬ。結論として、第三極は選挙後は政局に何らの影響力ももたない、単なる反対のための反対をする野党に甘んずるのが関の山だろう。筆者は、佐渡の読者諸姉諸兄に伝えたい。「決して気分やムードで投票すべきではなく、一人一人の候補者の資質をよく見極めた上で、清き一票を投じて頂きたい」と。