米大リーグのシアトルマリナーズに所属する「イチロー」がニューヨークヤンキースに電撃移籍したとの報道があった。日本の多くのプロ野球ファンは驚いたようだし、報道各社もイチローへの敬意を表して「移籍はあくまでもイチローの希望」と報じたが、三番に起用されながら打率の低迷でチームの勝利に貢献しない彼に、マリナーズが見切りを付けてトレードを持ちかけたと言うのが玄人筋のもっぱらの判断で、多分それが真相だろう。イチローも既に38歳、プロ野球選手としてのピークはとうの昔に過ぎている。イチロー自身も「今年がアメリカでプレーする最後の年」と明言していたので、筆者はこのニュースを聞いた時「ああ、やっぱりな」と思っただけで、特段の驚きは無かった。多分、イチローは今季限りでヤンキースからもお払い箱になるだろう。そうなれば、来季は日本に帰国して巨人でプレーするのが規定路線化されるだろう。日本の球団で絶頂期を迎えた選手がposting systemで米大リーグの球団から落札採用されて渡米し、数年間プレーした後賞味期限切れとなり、日本の球団に舞い戻るのが定例化している現実を見れば、日米間でのプロ野球選手のリサイクルシステムが確立しているかのようである。多分、松坂、ダルビッシュも同様の運命を辿るであろう。
シアトルにはemerald cityの別名があり、シアトルと言えば、佐渡島民憧れの的、コーヒーチェーンのスターバックスの発祥地にして、ウインドウズを始めとした各種ソフトの開発元であるマイクロソフトの創設者であるミリオネアー、ビルゲイツの自宅がある事でも有名だ。筆者は米国留学中に頻繁にこの都市を訪ねた経験がある。確か、「加門」と言うネーミングの美味しいお寿司屋さんがあり、シアトル訪問時はホテルから車を飛ばしてこの寿司屋へ幾度となく通ったものだ。シアトルは米国とカナダの国境近くに位置するので、ここを起点にして、カナダのバンクーバーに立ち寄り、ロッキー山脈を横断して、バンフ、モントリオールへと到る旅をした事がある。筆者にはシアトルは思い出深い都市である。カリフォルニア州でシアトル以外の都市で印象的だったのは、サンジエゴのラ・フォーヤと言う都市である。Historic Hotels of Americaのパンフレット(画像)で見つけた、ラ・バレンシアホテルに宿泊したのは12月のクリスマスシーズンであった。ホテルのロビーには巨大な一面ガラスがあり、そこから大西洋の大海原が一望できた。「ああ、あの海の向こうに日本があるのか」と思うと、ぐっと胸に込み上げて来るものがあり、万感胸に迫り望郷の念に駆られた。米国は筆者の故郷の一つである。