こちら黒金町の4階です。

静岡県労福協を身近に感じていただくために事務局員が交代で情報の発信しています。

敗戦から 

2008-08-08 | Weblog
まもなく終戦記念日だ。
戦後生まれの私だが、父や母はあの忌まわしい戦争の経験者だった。
父は十代の頃から戦地に赴き、青春の多感な頃、ロシア、フィリピン、サイパンなど永い間、辛い恐ろしい経験を数限りなくくぐりぬけてきたようだ。
あまり多くを語りたがらない父だったが、若い頃は『お国を守る』という使命感に燃え志願しての兵だったようだ。
そんな父が生前ポツンと言ったことがある。『今朝まで一緒に戦った友を失うことの辛さも大きかったが、やせた母親がやせた子供を背負って、なんでも良いので食べ物を分けて下さいと訴えられ、その母親に救いの手を差し出せなかった自分が辛かった。あの親子はあれからどうしたのだろうか・・・』 うつむいて話す父は戦後何十年もその辛さを引きずってきたのだろうと父の心中を慮った。

母は、よく空襲の恐ろしさや、食糧難の話を私たちにしてくれた。
大事な兄を戦争で亡くし、戦争の悲惨さを身をもって体験した。
話の終わりはいつも決まったように、『あの辛さは子供たちには絶対してほしくない。あなたたちの時代に戦争はしてはいけない。』だった。

 敗戦の日から63年 未だ世界から戦いはなくならない。
なんて愚かなことだろう。
                                  y-s