欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

心の中のあたらしい輝き

2012-06-01 | une nouvelle
地下鉄をおりて、地上へあがってくると、そこにはひっそりとした路地へ通じる道。
かたい靴音をならしながら彼女がむかった先は・・。
薄明かりのbar。
店内の長いカウンターには誰もいなくて、隅に置かれたグラスの列が鋭い輝きをみせている。
彼女はバーテンのそばのカウンターに。
なにになさいますか?
彼女は首をふって。
今夜はなにもいらないの。とても楽しい気分よ。
バーテンは彼女のもとから離れて、布でグラスを磨きはじめる。
ねぇ。
彼女が声をかけると、バーテンは近づいてきて。
やっぱりお酒をいただくわ。カクテル、甘くないものを・・。
かしこまりました。
バーテンが持ってきたのは、淡いブルーのカクテル。
彼女はグラスに手を置いて、
この色、きれいだけど、なんだか寂しい。
バーテンはなにも言わず。
もう止めにした日はブルーな気分? あの人とはもう終わったから。
グラスの足を指でなでていきながら。
明日からは新しい日がはじまるの。そう、いままでにない楽しい日々が・・。
バーテンは彼女の細い指を見ながら、
爪がおきれいですね。
そう?
そのマニキュアの輝きのように、素敵なリングがその指に輝く日も近いでしょうね。
それは、気休めですか?
バーテンは首をふり、笑みをつくります。
この指に輝きがつく日なんかあるかしら・・。
素敵なリングに出会う旅が明日からはじまるのでしょう?
そう、そうなの・・。
しばらくして、彼女はカクテルを一気に飲み干して、
もうすこしいただきたいけど、やめにするわ。今夜は帰って、明日からのために眠るの。
バーテンはうつむいた彼女の瞳にひらめくものを感じながら、
たとえこれまでの日々を失ったように感じても、心の深みはあなたのあたらしい輝きを生んでいきますよ。素敵な人を引き寄せる奥深い輝きのね。


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3 Comments

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・・・ ()
2012-06-01 08:25:09
やまない雨はない、
そう囁いているような詩ですね。
彼女の「明日のために眠る」
その言葉に希望が見えます
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わたしの詩は (makoto)
2012-06-01 20:22:55
かならず最後にフォローみたいなものが入りますよね。
いろんな詩を書いても、いつしかそういう流れになってしまいます。
バリエーションにとんだ作品を生み出したいものですが、なんとも単調さはいなめませんね・・。ま、これからもがんばります
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冷静と情熱と・・ ()
2012-06-01 22:07:06
私はmakotoさんらしくて好きですけどね。
変化を求めることも悪いことではないし・・
色んな形があって良いのではないでしょうか。
冷静な時は最後まで自分のペースで書けるのですが・・時折勢いで書いてしまうこともあります。自分らしくないって思っても、自分らしいってなんだろう?って・・意味不明でごめんなさいです
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