その街にはまだヒカリが身近に存在していました。
傷つくことも苦しいことも日常に起こっていましたが、その根底に脈々と流れるやさしい水源のようなものを、わたしはたしかに感じたのです。
それはまだ日本ではあまり見かけられないものでした。
その水源こそが、わたしの力の源である事に気づいたのはそれからすぐのことです。
旅の日々のなか、わたしに響いてきた言葉。
この水源は世界のどこにいても存在しうるもの。
遠い異国に戻っても、心静かにこの水源を求めなさい。
やがて、心は水源とつながり、そこからあふれてくるものが不思議な物語を生むからと。
本当のところはよくわかりませんが、今のわたしにはその水源が心の指標となっているのです。
これからの日々、水源からあふれてくるものを丁寧に書きとめていこうと思っているのです。
なにがあっても其処だけは
枯れることが無く
時には緩やかな水面
時には波打つ水面
月や星を映す鏡
心の在り方で変化する
魔法の泉
美しい詩的な言葉使いですね。
あとは意味のつながりと共感性で、すばらしい作品を生んでいってほしいです。
そう、心の中の泉。
いろんなことが言葉にしていてわかってはいたのですが、パリに行くまではどこかぐらついていたのです。これからの創作においての軸という点で・・。
それがなんとなくノートルダムに通いつめることで、すうっと心の中に降り積もっていくものがあったように感じています。
わたしが思っていたフランスとは印象も現実も違いましたけれども、(あ、すべてが悪い意味というのではなくて)これからはゆっくりと心の中の繊細な響きを言葉にしていきたいと思っています