欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

この手に、君の手をのせて

2006-10-02 | poem
充分過ぎるほど泣いたかい?
すこしはすっきりしたかい?
さぁ、顔をあげて。心配はいらないよ。
化粧なんてすぐに直せる。
大丈夫。君の気持ちはもう歩きはじめているよ。
さぁ、この手に君の手をのせて。
心の準備ができたら、この階段をのぼっていこう。
君の新たなスタート。
君の新しい第何幕かはわからないけど、新たなはじまりへ。

すこしは声が出せるようになったかい?
すこしは笑顔でいられるようになったかい?
つらかったんだね。
でも、大丈夫。君の気持ちはもう歩きはじめているよ。
さぁ、この手に君の手をのせて。
心の準備ができたら、この階段をのぼっていこう。
まだ見ぬ君の新しい環境へ。
君の魅力をさらに磨いてくれる、新たな舞台へと。

もう心配はいらない。
振り乱した髪もすっかり整っているよ。
ほら、笑ってみな。もう君にはできるはずだよ。
濡れたハンカチは僕が預かってあげよう。
もうそんなものはいらないから。
さぁ、この手に君の手をのせて。
心の準備ができたら、この階段をのぼっていこう。
大丈夫。君の横にはいつもこうして僕もいる。
君にはこれから新たな世界が開けてくるんだ。
君のまだ見ぬ新しい扉が、この先にはかならずあらわれてくるはず。

さぁ、この手に君の手をのせて。
心の準備ができたら、この階段をのぼっていこう。

「poet」以後

2006-10-02 | essay
私の詩集「poet」を読まれた方なら、今ここに書いてある詩を見て、大きな変化にびっくりするかもしれない。
それくらい「poet」は現実を生きる青年の切実な叫びであった。
「poet」は私の20代の証しといっていいかもしれない。
学校を出て、社会という世界に押し出されて、自分というものを探し、見出し、自分の足で立てるようになったのは、最近のことである。それまでは不安定な足場と今来るかもわからないぼんやりとした恐怖にいつもおびえていた。

「poet」の頃の私と今の私。いったいなにが変わったのか。
心が変わったのだ。いや、自分の心を理解しはじめたと言ってもいいかもしれない。
以前は目の前の現実世界がすべてだった。現実を生きていくためには・・。
そんなことばかりを考え、そして、行動してきた。
それが果たしてどうだったか。「poet」の詩にある通りである。
私は絶望の前に、ただ天使という救いを求めた。
しかも、いるかもわからない私の作った天使像という幻影にだ。

私は気づいた。
心と私の意識とは一体であって一体でないと。
心は意見を持っている。心はなにがしかの反応をいつも自分に示してくる。時には直感というカタチで目先の困難を救ってくれることもある。
心と私は同じ身体の中で、違うのである。それに気づいたのだ。

それからは心とよく話し合った。世間では自分自身を見つめ直したということになるだろうか。
独り言のオンパレードではない。自分は心に問いかけた。そして、ぼんやりと答えが浮かんでくるのを待っていたのだ。
こういう時、自分はどう思うのか。なんで、ここでこういう気持ちになるのか。
そんなことに注意を払うようになっていた。
思えば、それまでこんな問いかけなどしたことがなかった。自分はこの意識の自分だけだと思っていたから。
だから、一人が淋しかったし、他人の肌にすがることもあった。めいっぱい仕事に没頭したこともあった。
でも、私は満たされなかった。

自分と仲良くやる。そして、自分という調和を生み出し、そして、他人のことを考えるようになった。
だから、今の私は自分をいたわる。自分というもう一つの心に相談もする。やさしいねぎらいの言葉もかける。
自分とうまくやるようになったのだ。
心は庭であるらしい。
以前までの私は心の庭を放ったらかしにしていた。手入れを怠っていたのだ。
だから、現実の世界でなにを求めても、最後には満たされなかった。
しかし、今は違う。自分は詩人になるらしい。多くの人にココロのメッセージを届ける仕事をしたいらしい。
そして、今こうして皆にメッセージを送っている。
私はなにをするにしても、今は最後のところで満たされているのだ。

人生に迷っている人たち。悲しみが心を覆い尽くしている人たち。心が荒れ放題の人たち。
私は今になってこう思う。
時代は刻々と変化している。昔の教義だけでは今は乗り越えられない。
心をないがしろにしないように。できるだけ世間の常識に振り回されないように。
そして、自分の足で今この状況をしっかりと踏ん張れる満たされた心になるように、私は切に願う。
気になること。はじめてみて下さい。
思うこと。なぜそう思うのかもっと自分に問いかけてみて下さい。
そして、心の向かいたい方向へ。
現実の社会と自分の気持ちをうまく調和・和合した人こそ、今の世界で満たされて生きていける人でしょう。

月夜、屋根の上に立つ君は

2006-10-02 | poem
月夜に照らされて、屋根の上に立つ君。
どう、気分は? そこから飛び降りてみるつもり?
君は何をそんなに見つめているの?
時折強い風にドレスの裾を揺らしながら、君はそれでもある方向をじっと見つめている。
その見つめる先には何があるの?
尖塔の鐘が鳴る朝が来るまでは、まだだいぶ時間があるよ。
君はそんな屋根の上なんかに立って、これからどうするつもりなの?
街や湖が見渡せるそんな高いところに立ったまま、これからいったいどうしようというの?

君は月明かりに照らされて、屋根の上に立ったまま、じっとどこかを見つめている。
みじんも動くことなく、そこから見渡せる街や湖のそのむこうを凝視したまま。
君の瞳にはなにが映っているの?
君はこれからどうなってしまうの?

まだ鐘の音が鳴り響く朝はやって来ないけど、月明かりのあたる屋根の上の君の姿は、とてもひとりぼっちで淋しく見えるよ。
ねぇ、君はいったいそこで何を考えているの?
街や湖のそのむこうの、君はいったい何をそんなに見つめているの?