怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

値段に比例しておいしくなる例

2018年02月14日 | お菓子
この辺りではクラップフェンと呼ばれるジャムあん(その他のバリエーションもあり)入りの揚げ菓子。
1月から二月にかけて、特に力を入れて販売される行事食の一つだ。その意味などは他のサイトに任せるっ。
以前の記事に義母が手作りしたことを載せている。2013年2月11日記事「ベルリーナーの作り方」
あの頃は「クラップフェン」と発音したり書いたりするのが面倒だったのかしら、私?どう考えてもここ周辺ではずっと前からクラップフェンだったのに。

親しくしているアフガニスタン人難民のSさんが、インゴルシュタット旧市街の中心にある一番古いケーキ店でクラップフェンを買ってくれた。
自分に一個、私に一個。
義両親たちはいつもスーパーで買ってくる。買い物日の木曜日に特売などをしていると、ただでさえ安いスーパーのクラップフェンをさらに安く買ってくる。
その味が普通だと思っていた私。義母の手作りクラップフェンは文句なしに最高に旨いが、日常的に作るのが難しいことを考えると、比較対象に入れてはいけない。

老舗のクラップフェン。スーパーのそれとは大違い。旨い・・・。卵の味がするんだ。

見た目も違うものね。
展示の仕方も違う。高級店(?)は値札をつけない。私にはとても恐ろしくて買えない。
ちなみに、義母が買うスーパーのは1個50セント。(60~70円くらいか)
パン屋のは1個1ユーロ50セント。(200円くらいか)
老舗の品は今のところ不明。2ユーロ50セントくらいするかもしれない。
2ユーロだとしても、私には高すぎる。
正式な滞在許可も、パスポートも定職もない難民Sさんに、超高級クラップフェンをごちそうになるなんて。
彼はこの古いケーキ屋の常連客だ。
「ケーキは旨いけれど、コーヒーはまるっきしだめなんだ。ケーキを持ち帰りにして、別の店でコーヒーも持ち帰りにして公園で食べるのがいいんだ」
ですって。

同じ日、銀行ATMでしばらく見なかったMさんと彼女の娘に会った。
数年前まで、物乞いをしていた親子だ。Mさんはちょいと老けてしまった。以前の毅然として物乞いしていたころの緊張感がない。娘はふっくらとしたばら色の頬をしていた。20歳代にしては幼い顔立ち。
2年位前から、きちんと行政の保護を受けるようになり、娘は軽い知的障害があるので授産施設で働いている。
ルーマニア出身の彼女のドイツ語はかなり上手くなっていた。私より上手になってしまっているぞ、うほほ。
「今の住まいがたった一部屋しかないのよ。ダンナと娘と三人じゃあ狭すぎる」(え!ダンナ、いたの!?)
市が提供している低所得者用住宅なのだろう。以前の物乞い生活より人間の尊厳を維持できる生活だと思うのだが。
「あ、お金おろさなくてはならないので、またね」
ですって。
所得は、確かに私よりあるだろう。
次に逢うときは、彼女はわたしに老舗クラップフェンをご馳走してくれるかもしれない。
















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