林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

今、この時を楽しむ

2009-02-03 | 先輩のお言葉

朝日新聞夕刊に「人生の贈り物」という週5回連続囲み記事がある。
先週は田中美津という65歳の女性鍼灸師の聞き語りだった。
この人は社会活動家、女権拡張運動家でもあり、業界では有名な人らしい。

最終回がとても良かったので、田中さんのお言葉をかいつまみ、以下に転記します。

     田中美津さん(朝日新聞から)。

◎息子さんが大学に進学し、半年後には家に引き篭るようになった。
息子の顔を見る度に叱責する自分がつくづく嫌になった。
絶望的状況ってなんだろう、と改めて突き詰めて考えたら、

  ・息子が病気で死ぬ。
  ・息子が自殺する。
  ・息子が殺人を犯す。
  ・息子が誰かに殺される。

の四つだけ。そう思ったら気が楽になった。

息子さんの「生命力の色」を田中さんが好きな茜色に決めた。
不安になる度に、茜色を思い浮かべながら、

  「大丈夫。彼の孤独や挫折感は、いつか必ず力になる」

と繰り返し自分に言い聞かせた。5分後に不安になったらまた何度も繰り返す。
すると不安が和らいだ。

◎思春期の子が口を利かなくなると、親の育て方が悪かった、と反省していてはダメ。
普通に接し顔を合わせた時のひと言が大切。

  「寒かったねぇ」

  「おなかすいたでしょ」

とにかく明るい声で話しかける。

最初は何の反応も無いが、無視されてもいい。
続けているうちに、この家に居場所がある、と感じてくれるようになる。

◎落ち込んだ時に這い上がる方法は、

  「明日は生きていないかもしれない」

と思うこと。本来、命とはそういうもの。
そう思うとつんのめってた気持ちが緩んで、

  「そうだ、悩むエネルギーを今日楽しめることに使おう」

と思えるようになる。
その日の小さなことでも、嬉しくなる。
生きることも結構いいんじゃないか、と思えてくる。

◎今、65歳だ。あと5年、と思うことにしている。70歳になったらまた、あと5年。
あと5年頑張ればいい、と思うとほっとして背筋が伸びる気がする。

以上は田中美津式イメージトレーニング講座の要点らしい。
われわれ世代なら、充分納得出来ますね。

    

田中さんの言葉は、昔読んだ世界的な超ロングセラー本「道は開ける」にも書いてあった。
また、聖書の言葉、

  「明日のことを思い煩うことなかれ」

にも通じる考えだと思う。

お釈迦さまも同じことを言っていた。
とひろさちやさんは「世間も他人も気にしない」に書いた(ようだ)。

    

若い人が明日や他人のことを考えないのはちょっと困る。
だが、還暦を過ぎた世代には、役に立つ田中さんのお言葉である。

道は開ける」は、思い煩っている若い人に是非読んで貰いたい。
世間も他人も気にしない」はご同輩に。ラクになります。

「道は開ける」は新装判で、40年前はもっとチャチな製本だった。
「世間・・・」は文春文庫の腰巻(所謂オビ)の写しです。



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2 コメント

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心に残るブログ (sacromonster)
2009-02-03 22:36:55
お元気になられて又、楽しいブログを読ませていただいています。
今日のお話はとても心に残りました。
考え方を変えれば、どんな事も克服できますね。
毎日生きているだけでもありがたいことと思います。
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煩悶する人生 (森生)
2009-02-04 11:19:07
sacromonsterさま

ところが少し元気になると 以前のように あれこれ思い悩むことが多いんでした

ま なかなか田中先生のような境地には.......
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